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今週の【情報通信をとりまく】気になるニュースまとめ

「記事のうちオリジナル(独創的)でない部分について、ニューヨークタイムズは著作権の侵害を主張することはできない」と主張するオープンAI。あまり考えたことがありませんでしたが、一本の記事の中で「完全にオリジナルです」と自信を持って主張できる範囲って、実はそれほど多くはないかもしれないな、とも思います。興味深い訴訟です。

①今のAIは「ライト兄弟の飛行機レベル」

使う側も、いろんなことを試していきましょう。

ーいまのAIは飛行機の歴史でいうと、ライト兄弟がやっと飛行に成功したぐらいのよちよち歩きのところ
ーその後にジャンボジェット機やステルス戦闘機ができる
ーまだ本当に技術の揺籃(ようらん)期、あまりにも早い時代なので、もっと違うことを試さなければいけない時期

②益々強まるGoogleの影響力

メディアは、いかにGoogleからの流入に頼らない仕組みを作れるか。

ー1000回のGoogle検索につき、わずか360回しかグーグル外の一般ウェブサイトへのクリックが発生していないことが分かった
ーさらに懸念されるのは、グーグルが自社サイトへのトラフィック誘導を強化している点。全クリックの約30%が、YouTube、地図、ショッピング、航空券検索といったグーグルの関連サービスに向かっている

③ヒーローか悪魔か。業界騒然の「消しゴム」

悪(の広告)を叩くヒーローか、それとも善(のメディア)にお灸を据える悪魔か。これは数年後、どっちに転んでもおかしくない。

-ユーザーの観点からすれば、そうした「うざい広告」は排除したいという気持ちが高まるのは当然
-アップルとしても、生成AIを活用することで、インターネットを快適に安全に利用できるようにする方法を模索していることは間違いない
-広告から収益を得ているニュースなどのメディアの収益構造が悪化することは必至

④バーキンのクレイジーな経済学が面白い

バーキンは有望な投資対象?いいえ、実際は株を買う方が…という、クレイジーな経済学を解き明かした記事。面白いです。

ー世界で最も入手困難なハンドバッグを手に入れるプロセスは想像以上に複雑だ
ーエルメスの最上客が最初にバーキンを手に入れることができるという認識が広まっている
ーバーキンのハンドバッグよりもエルメスの株を購入する方がはるかに賢い投資であり、株価は2010年から20倍余り値上がりしている

⑤研究とYouTuberの二足わらじ

そんな大学院生の、情報発信への考え方に共感しました。

ー自分なりの情報発信術の磨き方は、やはり経験を増やすこと
ーいい活動をやっていても、知ってもらわないと意味がない

⑥ルール形成は「小」が「大」に勝つための武器

いかに国際標準のポジションを取り、ルールメーカーになるな。成功例はヤクルト。失敗例は「iモード」。

ー資本力で劣る日本にとって、ルール形成の重要性は増す
ー国際標準が生き残りを左右する
ー飛躍か衰退か。国の野心も絡むルール競争の勝者が世界を制す

⑦起業家版の『トキワ荘』?

起業家を増やすのは簡単、とVC「HAKOBUNE」栗島代表。そのカギは起業家版の『トキワ荘』?

ー大学の学生寮に勢いのある起業家1人を住まわせれば、おそらくあっという間に学生はみんな起業するはず
ー起業家版の『トキワ荘』が必要
ー起業家寮のようなコミュニティーづくりの必要性を感じているベンチャーキャピタル(VC)は多いが、採算性が課題

⑧「子供で再生数稼ぎ」は、子供に出演料を。

15歳の高校生による問題提起をきっかけに、「(自身の)子供を動画コンテンツに出演させる親は、子供に出演料を支払わなければならない」というユニークな新法が誕生した。

ー親は子供が出演するコンテンツで得た収益の50%を、子供のために信託口座に積み立てることが義務付けられている

⑨記事の「独創性」はどこに宿るか?

記事のうち、オリジナル(独創的)でない部分についてニューヨークタイムズは著作権の侵害を主張することはできない、と主張するオープンAI。これは興味深い訴訟です。

ー今回の請求内容から、同社(オープンAI)が新聞社の知的財産権やジャーナリストの取材活動についてどう考えているのか、読み解くことができる
ー取材メモなどの開示を要求するのは記事のどの部分が独創的かを判断するのが狙い


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