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”居場所”としての図書館 Oodi

Moi!

先日、ラップランド旅の帰りにふらっと立ち寄ったこの図書館で、自分の持っていた図書館のイメージをことごとくぶっ壊されまして笑

今回は、自分がこの施設から受け取った強い想いを伝えたいと思います。



ヘルシンキ中央図書館 Oodi

フィンランドの首都、ヘルシンキのヘルシンキ中央駅のすぐそばにある、この美しい流線形をした建物がヘルシンキ中央図書館 Oodiです。

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(まず見た目からして、最初は美術館か何かかと思った笑)

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Oodiは2018年12月にオープンしたばかりの最新型図書館で、2019年8月には国際図書館連盟によって2019年度の "Public Library of the Year" に選ばれたことが話題になっています。

Oodi公式Webサイトによると、Oodiは中央図書館であるととも、地域の"リビングルーム"としての機能を果たすとのことです。

ではでは、さっそくその機能とやらを見ていきましょう。




地域の人も世界の人も集まる場

図書館にはいって私が真っ先に感じたこと。それは

”なんかおいしそうなにおいがする”

です。笑


それもそのはず、入ってすぐ目の前にある図書館受付の目の前で、立食パーティーが行われていたのです。

立食パーティー

図書館で立食パーティーって、そんなのありかよ!

と思い、スタッフの方に尋ねたところ、今日はここOodiでEUの若者会議があったらしく、それにともなって会議参加者の交流会をしていたようです。

これはイレギュラーなことではありますが、つまりは国際的な会議を開催できるミーティングルームや大スクリーンのあるシアタールームがあるということです。


加えて、”食事” という面でいうと、この図書館には1Fにカフェレストランが一つ、3Fにカフェが1つあります。フィンランド人にとって休憩をとるのに欠かせないコーヒーが飲めるということが、この図書館を地域の人たちの憩いの場にもしています。



と、ここまで紹介してきたのは、まだ序の口の序の口です。笑

驚きはまだまだたくさんありました。




”図書館” っていったいなんだ??

Oodiは "図書館" なので、もちろん本を無料で借りて読むことができます。

けれど、ここでは、他にもたくさんのことができるんです。


できることその1 ~ゲーム~

2階へと上がり、真っ先に自分の目に飛び込んできたのは、”懐かしい光景” でした。

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え、ファミコン?笑

大きな画面で懐かしのマリオカートやっているフィンランド人家族。なんとも不思議な光景。ここでは用意されたファミコンのゲームが自由にできるようです。


それから、このすぐお隣にはハイスペックパソコンがずらりと並んだ部屋。

ここはオンラインゲーム専用ルームです。多くの子どもたちがヘッドフォンをつけて真剣にパソコンの画面とに向き合っています。


さらにさらに、そのお隣には大型TVが設置された個室。

中では、PS4のウイニングイレブンに熱中している青年2人。ここはテレビゲーム専用のお部屋です。個室になっているので、ワイワイと楽しそうにゲームに興じています。


また、本を借りられるのと同じ感覚でボードゲームも自由に借りられます。なので、椅子に座って本を読んでいる人がいるのと同じように、机を囲んで友人たちとボードゲームを楽しんでいる人たちもちらほら。

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できることその2 ~ワーク~

"ワーク" という言葉じゃうまく伝わらないのですが、、、

ようは、いろんな"作業"ができるんです。

どういうことかというと、Oodiには、ものづくりに必要な様々な設備があり、自由にそれらを利用することができるんです。場所の名前としてurban workshop, workstationと表示されていたので、workとさせてもらいました笑

自分が把握できたものだけでも、ミシン・巨大プリンター(ポスターとか印刷できるサイズ・写真参照)・3Dプリンター・レーザーカッター(みたいなやつ)・なんか工場にありそうな機械(何なのかはよくわからなかった笑)などがありました。

ポスタープリンター

(さすがにプリンターなのでお金はかかるようですね、、、)


あとでちゃんと公式サイトで調べてみたところ、Oodiでつかえるこの手の設備は、上記のほかに、

3Dスキャナー、ステッカープリンター、heat press(Tシャツとかにデザインができるやつ、ロックミシン(布の端をかがりぬいできるやつ)、刺繍ミシン、缶バッジマシン

があるようです。


できることその3 ~メディア作成~

"メディア作成"というのも、自分の語彙力の低さゆえに言いたいことがちゃんと伝わらないのですが、、、

どういうことかというと、音楽や映像などを作成するための設備が備わっているということです。

この "図書館"、まずスタジオがたくさんあるんです。

楽器演奏用のスタジオ、ドラムスタジオ、撮影スタジオなどなど、

加えて、映像や音楽を編集したりもできるパソコンも利用できるんです。


できることその.........  ~いろいろ。笑~

ここまで、この"図書館"でできることを書いてきましたが、細かく上げるときりがないので、ざっくり羅列すると、、、

・シアターがある。

・屋外に公園やバスケットボールコートがある

・ヘルシンキの今を学ぶコーナーがある

などなど、とにかくいろいろなことができる施設がそろっているんです。

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すべての人を受け入れる優しさと快適さ

ここまで、とにかく「こんなにいろいろなことができるぞ!」ってことを書いてきましたが、自分はそういった機能の多さに圧倒されたと同時に、そこにはもっと深い想いがあるように感じ取れました。

はっきりとはわかりませんが、それは "どんな人でも受け入れる優しさと快適さ" のようなものだと思います。

それが如実に表れているのはこの建物の空間設計です。


Oodiは3階建てで、各フロアの各エリアごとに、用途や雰囲気の異なる空間が用意されています。

例えば3階。ここはとにかく解放感があり、図書館でしばしば感じる重い雰囲気や圧迫感のようなものがありません。

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高い天井が波打っていて柔らかい雰囲気を出していたり、草木が植えられていたり。

大きな窓の外には広いバルコニーのようなエリアもあります。

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ずらりと並ぶ本棚は十分な蔵書があるにも関わらず、やはり圧迫感を感じません。本棚と本棚の間がかなり広かったり、そもそも本棚に背板がなく奥の空間まで開けていたりするからでしょうか。

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3階へと上がる階段も、2重らせんになっており、開けた空間を演出しています。

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また、ジャケットやアウターをひっかけておけるハンガーがあちこちにあります。

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このハンガーって、意外と図書館では見かけないですよね。でも激寒な北欧の国フィンランドの冬には分厚いアウターが必須です。屋内では手荷物になってしまうそれらを置いておけるというのも、1つの優しさであり、気遣いでしょう。


また、3階には子供向けの絵本コーナーもあります。

その近くには大きなクッションやソフトブロックが用意された、広い遊びスペースもあります。小さな子どもたちにとってはここが快適で楽しい空間です。

それにともなって、ここにはベビーカー置き場も設置されています。

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子どもたちを連れてくる親の気持ちにも寄り添っているのです。

さらに、Oodiでは、とにかく多種多様な"居場所"が用意されているんです。ふかふかソファーや柔らかいスツール、その他いろいろな色形をしたイスが用意されています。

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(これ、イスです。最初見たとき、キノコか何かかと思いました笑)

いろいろ

さらには、窓際の傾斜そのものを使ったり、、、

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2階には、そもそも段差がメインになっている空間があったり、、、

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とにかく、自分の過ごしたい"居場所"の選択肢が多い。


しかし、これだけいろいろな空間があれば、当然静かな環境ではありません。でも時には集中して何か仕事に取り組みたいことだってあるはず。

そういったときには、Reading roomなど、きちんと静かな環境が保たれた個室も利用できます。

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仲間内だけで仕事のミーティングをしたければプロジェクターとスクリーンを備えたミーティングルームだって使えます。

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このように、

本を読みに来ているのか、何か物を作りに来ているのか、遊びに来ているのか、

1人なのか、2人なのか、大勢なのか、

リラックスした雰囲気で取り組みたいのか、集中して取り組みたいのか、

などなど、その人その人の目的や過ごしやすさに合わせて、とにかくたくさん空間が用意されているのです。

前述したカフェや公園、ワークスペースもしかりです。


これだけあれば、どんな人でもきっと自分にあった"居場所"を見つけられるでしょう。

実はそのことこそが、自分がこのOodiから感じ取った"すべての人を受け入れる優しさと快適さ"であり、Oodiがこの地域で担っている役割なのではないかと思います。

そういう意味で、この"図書館"はただマルチファンクショナルなだけでないんです。


ただ、ひとつだけ残念に思ったのが、この図書館がヘルシンキにあるということ。

ヘルシンキと言えば、フィンランドの首都であり、最大の都市。ただでさえいくらでも居場所となりうる施設は他にもいっぱいあるはずです。

本当は、こういった"居場所"の役割を果たすことのできる施設は、そういった居場所となり得る施設の少ない地域にこそあるべきだと思うんです。


なぜヘルシンキにOodiを建てたのか、その理由は自分にはわかりませんが、今後はぜひこのOodiをモデルケースにして、こういった施設がより必要な地域に作られることを楽しみにしています。



そして、最後に、これまでOodiについてたくさんお話してきましたが、この施設の優しさと快適さは、きっと実際に行ってみないと感じられません。

なので、もしヘルシンキを訪れることがあれば、ぜひ足を運んでみてください。


ということで今回は以上!!

Moi moi!!


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