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Clubhouseの活用方法17タイプの類型と将来についての所見
数日に渡ってTwitterトレンドにも乗り続けるなど、日本でも爆発的に流行し始めているClubhouseですが、皆さんもう体験されたでしょうか。
現状はiOSアプリのみがリリースされており、また、使用にはすでに利用している方からの招待が必要なことから、まだ触っていない方も多いと思います。
僕も事業開発を行う人間として新しいものを触っておきたいと思いちょこちょこ眺めたりスピーカーとして話してみたり誰かの話を聞いてみたりしているんですが、それぞれのユーザーによってユースケースが全く違うなーと感じています。
そこで本稿では、現在、そしてこれからのClubhouseの使われ方について分類した後、そこについての考えや今後の予想を書いていこうと思います。
※過去記事のカテゴリ別まとめはこちら。
Clubhouseとは?
念の為、簡単に説明しておきます。
米国発のSNSサービスであり、リリースされたのは2020年の春です。
音声版Twitterと言われることもありますが、利用におけるざっくりとした要素は以下です。
・名前を付けて1人、もしくは複数人で部屋を作ることができる
・部屋は公開、一部に公開、非公開を分けられる
・公開部屋の場合、タイムラインに表示され部屋作成ユーザー以外も自由に出入りできる
・部屋内ではスピーカーとリスナーの2つの役割がおり、スピーカーの承認によりリスナーもスピーカーになれる
ちなみに海外ではすでに多く使われており、まだリリースされて1年経っていないにもかかわらず、2020年2月に100万ドルの初回調達を行い、1億ドルの時価総額で1,200万ドルの調達が行われています。
また、いわゆるFOMO(その場でしか聞けない)コンテンツの配信を行う場であり、利用規約にて録音やメモを取ることすら禁止されています。
Clubhouse活用方法の分類17タイプ
それでは部屋の分類に移っていきますが前提として書いておくと、以下の分類は完全にMECEなものではなく複数の要素を含む部屋も存在します。
また、日本でのユースケースを中心に分類したものであることにご留意ください。
【1. コミュニティ】
例:「スタートアップの集い」「○○年同期」など
スタートアップ界隈はアーリーアダプターが多いこともあり、そのコミュニティから日本での活用に火がついたと認識しています。
特定のテーマや目的があるわけではなく、同窓会やカンファレンス的な使い方がされていて、人の出入りやスピーカーの入れ替わりも頻繁に行われています。
【2. テーマ雑談】
例:「○○業界の未来について話そう」「○○の活用方法について」
1つのテーマが定められ、そこでいろんな人が入れ代わり立ち代わり話す、という部屋です。
特に海外の方が盛んなイメージで、1つのテーマに数十人がスピーカーとして入室しているのも見かけました。
モデレーターとしての立ち位置の方がいるかいないかで、各スピーカーがバランス良く話せるかとか道筋の明確な議論ができるかとかが大きく変わる印象です。
【3. パネルディスカッション】
例:「これからの○○業界」「○○についてAとBとCが語り合う」
2のテーマ雑談と似てますが、こちらはスピーカーが決まっていることが特徴です。
そのため、スピーカーは最初のスピーカーの知り合いなどが追加されることはあれど入れ替わり立ち替わりということはあまりなく、ある程度の時間が経ってスピーカーたちの話が終わったらそのまま解散という流れが多いです。
スピーカー以外の参加者はリスナーという立場になる、ということですね。
【4. 人ベースで話を聞きたい】
例:「○○さんが語る○○について」「上場社長の○○の部屋」
ソーシャルグラフにおける強者が壇上に登りがち。
主となるスピーカーとは別の方がその部屋を設け、その方がそのままモデレーターになることも多いです。
【5. ○○だけど聞きたいことある?】
例:「投資銀行で働いてるけど聞きたいことある?」「100カ国以上旅行したけど聞きたいことある?」
2チャンネルやRedittなどでも散見される旧き良きフォーマット。
変わった経験をした方、変わった業界にいる方、有名人の方などが行っています。
【6. ウェビナーの代替】
例:「○○の活用方法についてお伝えします」
コロナ禍によって急増したウェビナーですが、企業によるClubhouse参入が増えてきたらどんどん増えていくであろうフォーマット。
なんらかの目的を持った企業や個人が、明確に伝えたい内容を説明するというものです。
こちらもスピーカーはほぼ固定。
【7. オフラインイベントの代替】
例:「スタートアップのピッチイベント」「異業種交流会」
こちらもコロナ禍という状況下もあり、加速していきそうだなという印象です。
僕はその場にはおらずで詳細は把握していないのですが、前者は実際に出資が決まったという話も聞きました。
Zoomとの棲み分けはどうなの?という点については、Clubhouseの方がよりカジュアルな場として行われ、打ち合わせに近い空気感ではZoomで行われという形となり、必ずしも同じパイの奪い合いになるわけではないと考えています。
【8. エンタメコンテンツの提供】
例:「音声ドラマ」「絵本の朗読」「弾き語り」
個人、または複数の演者によるコンテンツ提供です。
そこそこ有名なアーティストも行っていましたし、今後も増えるかもですがYou TubeやStand.fmさんあたりもいらっしゃる中でどの程度活用されるかはまだ見えてない。
なぜかと言うとエンタメコンテンツの提供において他スピーカーの参加はノイズになりやすいので、フォーマットとしてあまり適してないんですよね。
ただ、人が多く集まる場にClubhouseがなった場合、自分が完全なる視聴者になれる避難所として価値は生まれるなーと。
【9. 雑談】
例:「寝るまで雑談」「ママによる女子会配信」
その名の通り、部屋の作成者が誰かとのコミュニケーションを行うためにテーマなどは決めずにゆるゆると話す部屋。
特定の誰かと話すわけではなく、入れ替わり立ち替わりしながら行われる感じ。
"ママ"のようになんらかの属性を絞ってのそれもちょこちょこある。
【10. 芸能人・有名人】
例:「小嶋陽菜さん」「クロちゃんさん」「ロンブー敦さん」
淳さんとにこるんのクラブハウスを覗いたらタイガさんが見つけてくれた😂テレビみたいだけどお家にいて不思議な感覚。たのしかった!おじゃましました🙏🏻🤍 pic.twitter.com/fHXT7WQVJ7
— 小嶋 陽菜 (@kojiharunyan) January 28, 2021
上記は参入が早かったこじはるさんがTwitterに貼ったスクショ。
こちらは雑談部屋に近いんですが、 通常の部屋と人の集まり方があまりにも違うので1つのタイプとして。
Clubhouse上ではFOMO的なコンテンツ消費が行われるため、彼らの話が聞きたいファンを多く抱える芸能人・有名人は成長における起爆剤になっていくと考えます。
海外では多くのセレブがClubhouseに出資を行っていることからも、運営会社が彼らが果たす役割を重視していることが分かりますね。
ちなみに彼らが我先にClubhouseへの参入を行っているのは、You Tubeへの参入において機を逸したと考えている人が多く「今度こそはチャンスを逃さないぞ」という雰囲気が存在するからというのも理由の1つだと考えています。
【11. 相互フォロー呼びかけ】
例:「無言フォロー部屋」「目指せみんなで1,000フォロワー!」
名前の通りで、そこに参加した人たち同士でフォローしあってフォロワーが多く見えるようやっていきましょう、という部屋です。
参加している方は、Clubhouseでフォロワーを増やすメリットが明確であるというよりも、Twitterよろしくひとまずフォロワー増やすところからはじめよう、という方が多い印象。
【12. つながり探し】
例:「ママとつながりたい!」「YouTuberでフォローしあおう!」
これは11とは違って、ただフォロワーを増やしたいというよりも、属性の近い人を増やそうとしている感じです。
Twitterのハッシュタグがイメージと近いかもしれませんね。
【13. 友人とのトーク】
「Clubhouse使ってみようぜ!」的なノリで、久しぶりの友人なんかと話すハードルがかなり下がっていると感じます。
前もって時間を合わせて開始することもできますが、また、現在オンラインの友人も表示されるので、その方を部屋に招待してちょっと話すなんてこともできます。
非公開でこちらのやり取りが行われることも多いですが公開状態で部屋を作ることもできるので、友達の友達も巻き込んで輪が広がっていく、なんてこともありえます。
「友達の友達」と言えばMEEETさんも最近SNSでよく見かけますが、こちらは「招待制である」とともに共通点と言えるかもしれません。
【14. 無言垂れ流し】
例:「完全無言」「音楽部屋」
いわゆる作業配信みたいな感じ。
0000.studioさんなんかと近い部分もありますが、こういうプロセスの共有みたいなものは今後も増えそうな感じがありますね。
そもそも現代は他人に夢を託しがちな時代であると考えており、モーニング娘。やAKB48の初期あたりもそういうファンで育てられていったものであると考えています。
ちなみに音楽を流すという行為は権利周りは大丈夫なのかな?と勝手に心配しています。
【15. 広報・PR】
例:「採用についてなんでも答えるよ!」
今後、特にスタートアップではこういうのは増えそうだなーと感じています。
特に現時点では(テレビでも放送されるなどもうだいぶマスに広がってしまった感もありますが)利用者がいわゆるアーリーアダプターの方が多いと思うので、こちらを通じての採用も有用なのでは?という印象です。
【16. ネタ部屋】
例:「モノマネで話す(ピカチュウ・平泉成)」「お尻を叩く音で会話」
タイトルまんまで、生産性が一切ない部屋ではありますが今後も避難所的な使われ方もあり生き残りそう。
【17. 実況中継】
例:「サッカー日本代表」「ドラマやテレビ(応援上映)」
現状ではほぼ見かけないものの、今後キラーコンテンツになると考えているのがこちら。
今後、サッカー日本代表戦時にClubhouseの日本での同時接続数はその時点での最高記録を達成すると考えています。
Twitterのハッシュタグやトレンドワードと同じような使い方が想定され、例えばラピュタの「バルス!!!」をみんなで言う未来は容易に想像できます。
Clubhouseについての総論
こちらでは考えていることをいくつかだらだらと。
まず、Clubhouseは、ソーシャルグラフ上の強者はその地位をより確かなものにしていきますが、弱者の成り上がりは起きづらい場所です。
そのため、もし「○○さんとお近づきになれるかも…」みたいな助平心で使っているんだとしたら自分のやるべきことに注力した方が効率良いと思ってる。
まぁ前提として、いわゆる「人脈」みたいなものを作りたい人がいたとして、自分に何もないのにただ人と会ってそこからどうするの?と思っています。
また、自由にスピーカーを増やせはしますが、特に10人以上の人数になると話者の偏り、話し出すタイミングが被るなどの事象が頻発します。
モデレーター的な役割を果たす人が明確にいると解決しますが、アプリの思想を少し変えてしまうと考えるため、サービス側がそういった機能を将来的に提供するかは不明です。
終了時間を定めることができないというのも特徴です。
そのため、部屋の名前に「○○時まで」と書かれている部屋も散見されます。
単なる情報のインプットとして使うにしては、それほど効率は良くないと思っています。
FOMOコンテンツということで「そこでしか聞けない話」というのは確かにありますが、その人のTwitterや著作物を見ればいいですし、そもそもそれを聞くために時間を費やすべきなのか?という問いはあった方がよいと考えています。
ちなみに通知がめちゃくちゃ飛んでくるので、設定画面で通知頻度を下げて使っています。
流行は一過性のものなのか
現時点の状況は、はっきりとブームだと考えていて、以下の芸人さんのツイートはその象徴だと思っています。
昨日エッグ矢沢のLINEでようわからんSNSを勧められて半信半疑やったんやけど、Twitter見たら結構色んな人が昨日からやり出してる。
— ニューヨーク 屋敷 (@NYyashiki) January 28, 2021
ただ全く使い方がわからん。
他の人もようわかってなさそう。
使い方のわからんSNSを、同じ日にみんなが始め出してるのが怖い!
なんなんやこれ! pic.twitter.com/1JKJ9xjMI6
現時点でとりあえず触ってみている人も多くは離れていくでしょうし、特に芸能人はClubhouseで得られる報酬が明確でなく、また、参加できるユーザーが限られていることもあり、手軽さゆえに使う方もいるとは思いますが、結局はTwitterやInstagram、You Tubeでのコンテンツ提供が増えると考えています。
しかし、僕は今後もいろんなユースケースで使われると考えていて、上記したスポーツバーの代替としてのオンライン観戦であったり、Twitterで知り合った方とClubhouseで話してみる、的な使い方であったり。
ただ、TwitterにおいてはClubhouseと同様の機能がすでにβ版としてリリースされたということもあり、そちらが正式にリリースされた際に、Clubhouseとのパワーバランスがどうなっていくかは注目です。
僕の活用方法
色々と書いてきましたが、僕は正直今後はあまり使わないと思います笑。
電話なんかでも誰かと話すことは好きだし得意な方でもあるとは思ってますが、音声でのインプットというのがめちゃくちゃ苦手で全然聞いてられないんですよね。
また、事業領域としてこういうピュアなSNSサービスを僕が運営することはないと改めて認識したので、研究目的で触ってはいましたがこちらの記事を書いて整理することで1つの区切りとしようと考えています。
エンタメとして楽しむこともできますが、それよりも自分がやるべきだと考えることをやっていこう、という感じです。
まとめ
新規事業開発において「もうネタは消費され尽くしてしまった」なんて言葉はよく聞きますが、こうやって新しい概念を社会にぶち込んでくるサービスはわくわくします。
インターネットやスマホの登場という大きな波の後、ベンチャー界隈では凪の時代がある程度続いていました。
しかし、よくも悪くも世の中が大きく変化している現状において、僕も負けじと良い事業を作っていけるよう日々に取り組んでいきます。
僕を、すぐに雇えます
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サービスを始めた背景や意図についてはこちら。
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