いきものもけものももののうち Vol.10
『まわるまわるよ円盤はまわる』
以前にも書いていたけれど
音楽だけで食べていけない多くのミュージシャンのことを
時々考える。
ミュージシャンだけではないけれど
売れない劇団員には未だ他に選択の術があるから。
今の世の変化がはからずとも
個と自分との距離感を見る
ようなことに変わってるのではないかと云う思いに至った。
音楽が好きだしライヴも大好きだけど
音源はひとやレンタルで借りたりして聴けるからいいや
的なひとって多いと思う。
身も蓋もないが、
CDってかさばるし
歌詞カードとか特に見ないし、ネットで見れるし
じゃあダウンロードするかって云うと
ダウンロード一曲あたりの値段で
アルバム一枚レンタルできるので借りる
わぁ持ってるの?焼いて焼いて
ってどんどん世知辛い手法で入手となる。
節約だけの話で云えば、だ。
じゃあ、どうしてCDを買うかと云うと、
・純粋に音楽が好きだから買うのが当たり前
・他の方法が面倒くさい、今欲しい
・好きな音楽だから持っておきたい
・そのアーティストが好き
ってことになると思うのだ。
で、上のふたつは限られてる、
若しくは一定数であるような気がする。
では
「好きな音楽だから」
と云うのは、
このアルバムが好き、今の感じが好き
もし急にちがう感じのアルバムになったら
買わなかったりもするかもしれない。
「そのアーティストが好き」
これな。
大半のインディーズバンドなどは
これに支えられているのだ。
これが非常に難しい。
では此の層をどうやって増やすか。
もちろん純粋に音楽だけで売れればいいのだけれど
なんにせよ周知されにくい世でもある。
なので、
ファンサービスで購買を促す。
・サイン・握手など物販にアーティストが立って手売りなどする
一時的に増えるし、コアなファンは何度も立ち寄るとは思うけど、
基本一回サインもらったよいではないかと云う気もする。
やりすぎると次第に価値は薄れる。
純粋に購入したいのに列に並ぶのが嫌で諦めるひとがいる。
たまにやると滅多に来ないお客には効果的ではある。
・写真撮影に応じる
嬉しいけど距離感が危うい。
これもやり過ぎると価値観薄れる。
・SNSで気軽にコミュニケーションをとる
確かにフォロワーは増える。
返しに因っては話題にもなる。
かと云って距離感を誤れば大炎上になることもある。
まあ、此のご時世、知られれば知られるほど有名税は高いので
リスクは多い。
エゴサなどしなかったり、
そもそも返信を見なければいいのだけれど見えるので
Twitterはフォローしてる友人のみコメントできる機能とか作ればいいのだろうけど、それではバランスが崩れるのだろうな。
広告とリスク。
まあ今はその話は置いといて。
結局、何があっても買い続ける愛情がなければ
ずっと買うってないのかもしれない。
支持する、応援する。
これで飯を食ってほしい、
と云う思い。
そこまでなければ売れないのだ。
ではどうすればいいのか。
アーティスト自身がセルフプロデュース能力に長けてたら
云うことはないのだけれど
寧ろそんなひとは少ない。
だから、支えるひとたちが重要になる。
いろいろが見えてて
瞬発力に優れてて
率先して舵を切る風ではなく
そっと線路の選択の修正が出来
判断と決断と行動力と冒険心があるひと
そんなひとがいたら
きっと今より愉快になるし、
きっとバイトも減らせるだろうな。
そしてアーティストは
そんなひとに好かれる人間的魅力が必要だし
情だけではなく、
すべてのものに最良である選択ができる決断力が
必要になるだろうけど
きっと此処がいちばん難しいのだろうな。
お客に必要以上媚びる必要もないけど
例えばファンクラブ的なもので
相応に満足するものを提供していないとバランスは崩れる。
わからなければ他のところと比較するのも大事。
音源ももちろんだけど、
物販で売るグッズの収入は重要だし
そこそこくすぐる価格設定が必要だ。
セールするってわかると
次からは即買わなくなったりするもんだし。
配信ライブも、
固定料金よりも少額からの投げ銭の方がシステム的に楽しみながら
ついつい課金しちゃうとかあるので
然う云うのも有効に使えたらいいのになあ。
自分ならああするこうする浮かぶけど
実際にはややこしいこと多いのかもしれない。
でもこんな時世だからこそ
有意義にお金を使いたいし
みんなが愉快になれるよう
適切に巡るようになればいいと思うのだ。