アルコール依存症の特集はみないほうが良い。
身近にアルコール依存症もしくは、アルコール依存症から立ち直った人というのは居ませんか?
もっと言うと自分もお酒を飲むけどアルコール依存症の特集されているTVとかは見る。ということはありませんか?
TVは誇張で出来ている
アルコール依存症を専門に扱っているお医者さんやソーシャルワーカーさんがこの前断酒会で物申してましたが、TVでアルコール依存症についてコメンテータとして出ている人の話の5割はTV受けを狙ったもので、真実ではない。と話していました。
まぁ確かにアルコール依存症の僕からしても話を聞く限り、大したこと言ってないな。と気にしないのですが。
実は5割ウソというのは結構嫌な数字で、
言っていることが正しいこともある=言っていることは全部本当。
と信じちゃう人がいるので怖いウソなのです。
宗教みたいですね。事実と少しのウソを入れると、そのウソが本当のような気がしてきてしまう。
結構騙されてしまいます。
TVだと音から視覚からと複数の刺激とともに、受動的に情報を収集してしまうので、鵜呑みにしやすいです。
正しいことしか言わないならそれで良いのですが、本気で番組を面白くしようとすると、どうしても誇張表現や曲解のほうが受けるのでその方向へ制作されていきます。
もし、本当に専門家がちゃんと話をしていたとしても、一番大事なところは結構地味だったりするので、容赦なくカットされます。
またTVが偏向しやすいのは、スポンサー第一主義なのでどうしてもお酒メーカーが絡むと悪口を言いづらいんですよね。
自分はTV局で仕事をしていたことがあるので、しっくり来るのですが、スポンサーというのは生命線なので一番気を使うところなのですよね。。
もしスポンサーの悪口になりかねないことがあったら、プロデューサーの首が飛ぶ。というのは本当にあります。
大体は制作会社がスーツで謝罪と今後の対応策について話てなんとかなりますが、、、(ちなみにその制作会社はもう使われません)
なので、専門家といえどお酒に悪いイメージを植え付けることを発言してしまうと、容赦なくカットされます。故に間違った報道と解釈されてしまうんです。。
だからどんなにお酒を憎んでいても「お酒が悪いんじゃない。お前の弱さ」とかという言葉にしかならなくなります。
間違った解釈は何が問題か。
別にお酒を飲まない人に、アルコール依存症はこんな病気なんだから責めないで!と理解を求めたくて言っているわけではないです。(本当はもう少し風当たりが緩くなると良いのですが・・・)
間違った解釈と、お酒を飲む自分が合わさった時にまずいことがおきます。
心理的なハードルの上昇
お酒を飲んで記憶を無くして、二日酔いで苦しんで迎え酒。休みの日は昼間っからお酒を飲んでいる人。
休肝日というものはいつでも取れるから。と飲み続けている人。
言葉だけだともう十分アルコール依存症に当てはまりそうですが、こういったTVの特集などは、這いずり回ってアルコールを求めたり、消毒用エタノールを飲んだり、家族に暴力をふるったり。。。結構ハードな感じのアルコール依存症患者を好んで放送してしまいます。
そこで、「自分はこんなんじゃないからアルコール依存症ではない」と決めつけてしまうのです。
これが心理的にハードルが上がった状態です。目標を高くもて。的な感じですよね。
0か1ではなく、0から100。で自分は99だからアルコール依存症ではない。と安心して飲み続けてしまいます。
これが結構厄介で、TVじゃなくても身近にアルコール依存症の人がいると、このハードルが上がってきます。
ここまで行ったらやばい。というのが見えるので、自分がアルコール依存症だとは認められなくなります。
治療の一歩はやっぱり「自分がアルコール依存症だと自覚すること」が大事になっていきますので、この心理的な壁はかなり治療の妨げになります。
アルコール依存症というボーダーは存在しない
なのであまりTVの特集とかを鵜呑みにしてほしくはないです。
アルコール依存症というのは「飲みたい」と思った時点でアルコール依存症です。程度に差はあれど、ここまで行ったらアルコール依存症だ。と決めつけるのは危ないです。
その後治療を受けてどれだけ回復できるか、に関わってきますので。。。
とりあえず休肝日や飲めるのに飲まない。と意識的に制御してみましょう。それでも理由を付けて飲んでしまう場合は、あなたはもうアルコール依存症です。
どうかお気をつけて。。