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巷に住む無名人にこそ人間の体温を感じる言葉がある!〜*落書きnote

 こんにちは。お立ち寄りいただきありがとうございます。
 古今東西、有名人が残した「語録」はたくさんある。
 「耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び」(昭和天皇)
 「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」(マッカーサー)
 「予の辞書に不可能という文字はない」(ナポレオン)
 「天は人の上に人をつくらず人の下に人をつくらず」(福沢諭吉)
 「貧乏人は麦を食え」(元総理池田勇人)
 「この顔が嘘をつく顔に見えますか?」(元総理中曽根康弘)
 有名人語録は、時に人を鼓舞し、時に人を煙に巻き、時に人を怒らせる。

 だが、そんな偉い人でなくとも、普通の人々の方が「う〜ん」と我々をうならせたり、「そうそう」と相づちを打ちたくなるような言葉を紡いでいる。無名人語録とでもいうのか。

 サラリーマンを現役でやめ、山奥の限界集落で「田舎暮らし」をした友人を訪ねると、しみじみいうのだった。
 「都会を離れ山奥に住んで3年。友人がたずねてくると決まって、田舎はいいねえ、のんびりして、なんていうけど、私は半年で悔やんだ。自然は豊かだが他に何もない。村にいるのは80、90の年寄りで、若い私に病院へ連れていってほしいとかさあ、町へおりたらスーパーでこれを買ってきてほしいとか、そんなことばかり言われる。田舎には人情があるって?そういう一面もあるが、本当は都会へ帰りたいんだよ。実は口実をさがしている」

 定年が間近い後輩が言う。
 「JRで通勤していて感じることは、電車の中で堂々と化粧している女性がいることです。先輩、あれ、なんとかならんものですか?」
 おいおい、おいらに言われてもなあ、セクハラって言われちゃうよ。

 知り合いの老婦人がこんなことをおっしゃる。
 「一人住まいでしょ、この前、高い消火器を買わされちゃってねえ。何でそんなモノを買うんだ、それは詐欺だよと息子が怒るのよ。だって、消防署の方から来ましたって言われりゃ買うでしょ、てっきり消防署の人だと思っていたのよ」
 もう古典的な詐欺商法。だけど、年寄りは簡単に引っ掛かっちゃうんだね。

 巷の歴史マニア氏が博学ぶりを披露する。
 「幕末・明治維新で活躍した勝海舟の奥さん、たみさんは生前、あの人のお墓に一緒に入りたくないと言っていました。というのは、海舟は並外れた漁色家で本妻と愛人4人の妻妾同居の生活で、
海舟は『おれの家に波風一つ起きないのは、女房の偉いところ』とうそぶいていたほどです。あれじゃ、たみさんが海舟を嫌になるのは無理もありません」

 自称テレビ奉行のおばさんのいわく。
 「テレビや週刊誌の芸能レポーター、芸能記者というのかしらね。あの人たちの言い方が面白いわね。芸人を芸能人、落ち目の元スターをベテラン俳優、女性タレントと結婚したパチンコ屋の社長が青年実業家、自分でいうのも何だけど、私ならテレビ評論家かしら、オホホ…」

 おいらかい?
 「腹が立っても、言いたいことは明日言えだな」
 これって、ただの諺だ。すまねえな。
 さて、あすは晴れるのか?曇るのか?

   *フォト ▽青森ねぶた(JR青森駅前、ワ・ラッセの展示)

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 *俳句巡礼 旅たのし椋鳥あまたわれとゐて(五所 平之助)

 季語は「椋鳥=むくどり」で秋。黒っぽい体に黄色いクチバシ。椋の実などを食べるが、稲田の害虫も食べる益鳥。しかし群れる習性もあり、街並木に巣をかけ夜になるとやかましく鳴くので害鳥扱いだ。
 【五所平之助=ごしょ・へいのすけ】東京生まれ、昭和初期の名映画監督、国産初のトーキー映画「マダムと女房」を監督、俳人としても活躍、「春燈」同人、俳号は「五所亭」、1902年(明治35年)~1981年(昭和56年)
 【俳句手控え】仏教と俳句。たとえば「舎利子見よ空即是色花ざかり」(小笠原長生=子爵、海軍中将、1867年〜1958年)の句。
 舎利子(シャリシ)は、一般的に仏の弟子をさすが、この句では、我々みんなが舎利子であり、それぞれ一生懸命生きている、と仏教的に詠んでいる。

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