健康とは
<2020年7月に書いた記事です>
※あくまでも私個人の体験に基づく、私個人の考えを書いています
「健康であるために必要なこと」
今年のはじめから続いているコロナ禍。いろいろな出来事が次から次へと起こっており、様々な問題点が浮き彫りになってきています。日常生活も、仕事や学校も、各種の店舗やサービスも、影響を受けていないものは何もない、と思えるくらいです。
そのため、騒動の根幹は新型コロナウィルスによる感染症、つまり「病」の問題のはずなのですが、そもそも健康とは病気とは、身体とは、という視点で論じられる機会があまりない、ように感じています。これだけ、ウィルス一つのために社会が大混乱に陥っているのですから、根幹にある「健康」「身体」といったところについて、私が思っていることを書いてみたいと思います。
これはあくまで、自分の経験の中で実感した、私個人の考え方になります。団体としての心身統一合氣道会を代表しているわけでも何でもありません。まあ、いつもそうなのですけどね。
私自身の持つ「健康観」ということで、読んでみていただけたらと思います。
私は生まれてこの方、入院や手術を伴うような「大病」を患ったことはありません。有り難いことで、健康に生み育ててくれた両親に感謝です。強いて何かあるとすれば、若い頃から合氣道を始めるまでは、ひどい花粉症に悩まされておりました。これは、心身統一合氣道を始めて、氣圧法の勉強を始めたことで、完治してしまいました。「心が身体を動かす」ということを悟り、実践しただけで、特別な治療法などを行ったわけではありません。知りたい方は、お尋ねくだされば、経緯をお話しします。
そんなわけで、お陰様でとても健康優良児で過ごしてきましたので、深く「病」というものについて考える機会もありませんでした。たまに風邪をひくぐらいでしたが、会社員時代は、仕事に穴をあけるわけにはいかないから、と風邪薬をのんだり、栄養ドリンクを飲んだりといった、今では考えられないような対処法をして、根性で治していたみたいです。それでも、年に一回あるかないか、という程度でしたが。
他に、たまに薬のお世話になるとしたら、飲み過ぎた次の日などに、胃薬をのんだりしたことがあるかもしれません。そんな程度。要するに、薬についても病についても、深く考えさせられるような機会はなく、何にも意識していませんでした。
病・健康について深く考える機会は、結婚して息子が産まれてからでした。息子は0歳の頃からアトピーに悩まされておりました。はじめは普通に皮膚科に通い、薬を塗っていました。いわゆるステロイドでした。しばらくして妻がこれに不安を持ち始め、本を買って調べたりしていき、結局我が家は「脱ステロイド」に取り組みました。そのリバウンドにより、0〜2歳までの息子は、顔などの湿疹やかぶれがひどく、パッと見て「かわいそう」と言われてしまうような外見でした。もちろん、かゆみもひどく、あちこちに掻き壊しの傷があり、一時は家でシャワーをかけた途端に大声で泣き叫ぶほどの状態になりました。脱ステロイドはしましたが、そうした肌のトラブルへの対処として、保湿にはいろいろと手を尽くし、「これが効く」と言われるものを色々と使い、何とか少しでも改善するようにと、情報収集とお世話に相当の負担が妻に、もちろんかゆみで苦しむ息子にもかかっていました。
脱ステロイドに理解のある医師は限られており、大阪に転居してきた時、前任地:栃木の医師から紹介された医師にかかりました。ここでは、ステロイドは使わないものの、抗ヒスタミン剤という薬を処方され、当時の我々はそれをそのまま息子にのませていました。それから間もなく、息子は2歳で「てんかん」の発作を起こします。出産以外では初めての入院をし、発作止めの薬を最低3年間はのみ続けるという、てんかん「治療」が始まりました。
てんかんで入院した病院で、息子がのんでいる抗ヒスタミン剤の量を伝えた時、かなり驚かれました。2歳児に処方するには、あまりに大量だったようです。その薬には、副作用:ひきつけ・けいれん、とちゃんと書いてありました。証明されたわけではありませんが、私はこの薬の大量処方により、息子をてんかんにしてしまったのだ、と思っています。(当然、その薬はすぐにやめました)
てんかん「治療」を始める際、医師に説明を受けました。発作を止めるデパケンという薬、これはのみ始めたら最低3年間は止められません、と。発作のけいれんは、白目をむいて口から泡を吹く、とてもキツいものでした。これを止めるのは当然のことと思いました。そして、それ以上の説明がないので、「発作を止めておいて、あとはどうなったら治癒するのですか?」と尋ねました。ずっと薬をのみ続けるのでは、何も「治って」いないので、何がどうなったら治るのか?、というのは素直に湧いてきた疑問でした。医師の答えは、「あとは成長に伴い、自然に治癒する場合も、そうでない場合もあります」と。。。
つまり、お医者さんの仕事は、「症状を止める」ことだけで、「治す」ことは出来ないのです。今となっては、私の中ではこれが常識なのですが、当時は医療にもっと多大な期待をしておりましたので、かなりショッキングな回答でした。
考えてみれば、皮膚などを切った傷を、医者は縫ってふさぐことは出来ます。しかし、傷口がふさがるのは糸によってではなく、身体の修復機能により細胞・組織が増殖することによって、です。この時、私は初めて、病を治すのは医者ではなく、患者自身の生命力によってなのだ、ということを悟りました。
それからは、息子の生活を今まで以上に見直し、規則正しく、自然治癒力を高めるように努めていきました。(妻が、ですが。。)結果として、最低期間として提示された3年後に、薬をまったく使わなくても発作が起こらなくなり、てんかんは完治しました。
またアトピーに関しては、脱ステロイドで苦しんでいた時に出会った小児科医より、保湿をすることも、構いすぎることもやめる「脱保湿、脱構い過ぎ」をアドバイスされ、それに従いました。つまり、特になにもせずに、普通の生活を送る、ということでした。結果、これも2歳ごろでしたが、肌の調子はメキメキと改善していき、すぐに外見上はアトピーかどうか分からないぐらいまで、劇的に改善しました。
この、同時期に息子に生じた2つの病の発生と治癒の経緯から、私の健康観は大きな影響を受けました。(あと自分の花粉症完治も影響してますが)
今のコロナ禍について、世間で論じられていることは、ワクチンや特効薬の開発がいつになるのか、といったことが目につきます。もちろん、「未知のウィルス」と言われておりますので、それが不安を呼んでいるのだと思いますが、それを言えば「風邪」にもワクチンも特効薬もなく、治療法はありません。熱を下げる、鼻水や咳を止める、といった対症療法は存在しますが、「風邪」を治せる医者はいません。てんかんを「治療」することが出来ないことと同じです。風邪をひいたら、よく休み、胃腸の負担を軽減し、身体を温めて、自然治癒力を高めること以外に、「治す」方法はありません。ですから、予防のために手洗いうがいの徹底や、暴飲暴食を避けることや、身体を冷やさないことなどを心がけるのが、何より大切なことです。そして、更に大切なことは、心の状態を平静に保つことです。心が不安や恐怖に苛まれる状態にある時は、そうした普通の行動がとれなくなりやすく、余計なリスクに晒されることになります。
「いたずらに不要の神経を煩わし、毛細血管を収縮し、体内の不純物を除去する道を閉ざし、諸々の病に苦しむのが世の人の常である」
誦句集の「六、リラックス」の文章です。心を平静に保つ「リラックス」の状態が、生命力を最高に発揮することにつながります。
先日ラジオで聴いたところでは、新型コロナウィルス感染による死亡者、20代以下では1名(28歳の相撲取り:糖尿病の持病あり)とのこと。また統計上、陽性者の8割が無症状だった、という記事もありました。
これはハッキリ言いますが、「風邪と同じだから氣にするな」と、ウィルスを軽視しろと言っているわけではありません。一定割合の人が無症状や死に至らない、ということをどう捉えるか、だと思います。同じウィルスに罹っても、重症化したり死亡したりしない人、というのはどういう人なのでしょうか。特殊な薬をどこかで仕入れることが出来た人なのでしょうか?
私は、生命力の高い状態を保持している人たちなのだろうと思います。その人たちは、何か特殊な訓練を受けていたのでしょうか?調べる方法はありませんが、恐らくは普通の生活を送り、そんなに体調が落ち込むような無茶なことをしていない人たち、なのだと思います。特別に頑健な人だけが無症状なのだとしたら、もっともっと割合は少なくなるはずだからです。
少し話が逸れました。息子の2つの病を通して、私は病について、医療にすべてを預けるものではない、という考えを持っています。みなさんはいかがでしょうか?病気のことは医者に任せておけば良いのでしょうか?
もちろん、状況によっては医療を利用します。当り前です。しかし、あくまで自分の身体のことを知っているのは、自分や身近にいる家族の方です。特に大人の方は、自分の身体のことは、自分で対処が出来ます。ですから、薬やワクチンがないことに対して、「何も解決手段がないではないか!」と絶望することはありません。人間本来の生命力を高めていることが、医療を利用したとしても、最終的に最も重要なことなのですから、ここが生命線なのは変わらないのです。
報道される情報に晒されていると、自分に出来ることは何もない、早く誰かが何とかしてくれ、と思わざるを得なくなりますが、本当はまったくそんなことはありません。我々自身が我々の健康を守るのが当り前であり、一番優先されることです。
そのためには、不安と恐怖に囚われて、氣が滞ることが一番の問題です。これまでお伝えしてきたように、氣が滞ると、心が自在に使えなくなります。「心が身体を動かす」なのに、その原動力たる心が自在に使えなくなると、それこそ思い通りに身体を使うことが出来なくなり、本当に病気になってしまいます。
繰り返しますが、コロナを軽視しろ、ということを言っているのではありません。必要な感染予防対策をとることは当り前のことで、それは我が教室でももちろんしっかり行います。しかし、根本的な「健康」「身体」に対する認識が出来ていないと、ただただ怯えて日々を過ごすことになり、結果としてそれは病気になりやすい心身の状態を作ってしまいます。それは、誰にとっても本意ではないはずです。
病気のことは医者任せ、政治のことは政治家任せ、経済のことは誰かに任せ・・・、そんな風に我々現代の日本人は、すべてを誰かに任せてしまっていないでしょうか?確かに専門家にしか出来ないことはありますが、少し立ち止まって、どこまで専門家に任せるべきか、もう一度見直す必要はないでしょうか?
少なくとも自分の身体のこと、自分の心のことは、自分自身が主導権を握るのが当り前だろうと思います。健康を保つために、今のコロナ禍で我々自身が出来ることを、本当に全部やっているのでしょうか?
恐れるべきことは恐れ、避けるべきことは避ける。それだけでなく、出来ることをしっかり行うこと。もっとあるはずで、それをしていたら、もう少し世間の反応は変わっていくのではないか、と感じております。ただただ怖い、では、もう生活していけなくなります。自身の心と身体に、しっかりとした軸を持つことが、今の時代にはさらに必要とされているように思います。
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