ホットヨガの体験で、オナラを我慢できた話
ヨガがいいよ〜なんて話は、
もうだいぶ前から聞いていた。
上から下から、右から、左から。
こちらから聞いてなくても聞こえてきていて。
で、一体ぜんたい何がいいんだかはわからんけど、
わたしの半径5メートルくらいの友人知人たちから
「とりあえず良い、ゆけ。」
という、おみくじのような助言をもらい、
わたしはそのおみくじを、3年経ってもまだこころに保存したままだった。
オンナの30代は厄年だらけ、
というウワサも聞いていたけど、
去年に関してはまぁまぁそんな感じだった。
厄年っつたってその言葉の意味もふかく知らないけど、
とりあえず去年いろいろあって疲れ果ててしまったセイシンや、
びろびろダルダルした身体をどうにかしなきゃな〜という思いを抱え
家でゴロゴロしていると、
3年間わたしのこころ倉庫でほこりをかぶっていたおみくじが、ひらひらじぶんの前に落ちてくるような感覚があり、
「そうだ、京都いこう」
ではなく
「そうだ、ヨガいこう」
という気持ちになりました。
夫の休日である日曜日に近くのホットヨガの体験を受けることに。
「ホットヨガ」と「普通のヨガ」についての差はホットかホットじゃないかくらいしか知らないけど、このモヤモヤした感じをふきとばすには、インドみたいな暑さが必要じゃね?というインドな考えもあり、ホットヨガに行ってみることに。
♦︎
教室に入ると、ガチのヨガ軍団がすでに準備体操をしていた。
ま、まぶしい…
なんという本格的なヨガのレッスンウエア。
そういう、ピタッとしたレギンス履いてるんすね。
わたしはアディダスのTシャツにジャージという、ラジオ体操スタイルで行ったので、
教室内のヨガへの本気度具合に打ちのめされた。
やば。こわい。
ひとり初心者で恥ずかしい。
あぁもう帰りたくなってきた。
あー帰りたいよー。
序盤からビクビクしている私にヨガの先生が話しかけてきた。
「はじめてですよね。無理しないで、自分のペースでやって大丈夫ですからね」
と。
やさしィーーーー。
無理をしないで良いと言われると
すごい楽になる。
だってはじめてっつーだけでやや無理してっから。
そのままのアナタでいいのよ。うっふん。
と言われたような気がしてもう先生のことを好きになってしまった。
ヨガがはじまります。
先生や他の生徒さんのポーズを見様見真似でマネをし、
ガチガチの股をひろげ、ダルダルの尻を伸ばし、
なんか電信柱みたいになったり、かかしみたいになったり、
あるいはインドの寺院の僧侶みたいになったり。
とにかくヨガのポーズっぽいポーズをしまくった。
そして冬にもかかわらず汗が滝のように出る。
あぁ、ここはもうインドだインド。
ついにわたしはインドでヨガなんだ。
とインドな気分になり、ここはインドだと思えば思うほど脳裏にカレーが浮かんだ。
インド人ぽいおじさんがカレーをつくってる画も思い浮かんだ。
となりの人に
「ヨガをやるとインドカレーのことが思い浮かんだりしますか?」
とヨガあるあるのひとつでも聞きたかったが聞けなかった。
それともこれって邪念?邪念なのか?
ヨガ中は無心にならなきゃ。
邪念のインドカレーおじさんを振りはらう努力をした。
レッスンも中盤になると、わたしは突如オナラがしたくなった。
腸の動きが活発になったからかはわからないが、猛烈にオナラがしたい。
そして次のヨガのポーズは仰向けになり、
股を最大限に広げ、足の裏をつかむ。
こんな格好はもうオナラポーズじゃないか。
みんななぜあんな涼しい顔をしてオナラポーズができるんだろう。
「自分を解放しましょう」
という先生の言葉を聞いて、オナラも解放した方がよいか聞きたかった聞けなかった。
他の生徒さんとの距離がけっこう近いし、密室なので、解放はできない。
解放はできないぞ!と自分に喝を入れ、
股の角度をゆるめたりして自分を誤魔化した。
しかしわたしももうアラフォーのオバサンである。
いちおうそれなりにピンチな時のファイトな方法だって経験済みだ。
こんなホットヨガ初体験の日に、みんなの前で挨拶がわりにオナラをかますという、
失態をどうにか最後まで避けることに成功した。
レッスンが終わったのだ。
もしオナラをしてしまっていたなら次回から
「オナラの人」または「オナラさん」などと陰で噂されていることだろう。
それをしのいだのだ。
あーよかった
安堵していたのも束の間、
先生から
「はじめてやってみてどうでしたか?」
と話しかけられた。
とっさにコメントを求められ焦ったが、ここでも
「みんなの前でオナラを我慢できでホッとしています。」
など、本音は言わず、
「すごい気持ちよかったです。ありがとうございました」
と大人のコメントを成し遂げた。
とりあえず、オナラ以外はヨガはとてもよかった。
運動とか体操のイメージだったのだけど、
とっちらかった精神が整うのが一番よかった。
どおりでこんなに女子たちがやっているわけですわ。
私にヨガをすすめてくれた友人たちには感謝である。
ホットではない普通のヨガの体験にも行ってみたい。
そしてどうにか30代の厄をヨガでスッキリさせたいところである。
あのピタっとしたヨガパンツも買わなきゃ。
ちなみにオナラは我慢しつづけたらとまりました。
おしまい
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