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世界最強種族「オバチャン」は激つよで優しい
オバチャンたちはよくしゃべる。
にんげんの中でよくしゃべるランキングをつけるとしたら、
1位は確実に幼児orオバチャンであろう。
この世に生まれて言語を話せるようになり、
世のキラキラしたものを初めて体験した思いを表現したい幼児ならわかるが、
オバチャンはこの歳になってなにをしゃべり足りないというのか
その理屈はわからないがとりあえずオバチャンはよく喋る。めっちゃ喋る。
そしてわたしもそのオバチャンという種族の一員にわりとさいきんなった。
とにかく、しょーもない話を誰かに聞いてほしい。
洗いたてのカーペットに娘がぶどうジュースをこぼしたこと、
ブラジャーのサイズがきついことを見て見ぬふりをしていたら、背中のホックが取れたこと、我が家の男子3人のパンツがどれも無地で紺か黒なのでややこしくて困っていること。
そんな、文字におこすほどでもない、しょーもない出来事が日常には舞っている。
そんなしょーもないことを誰かに言いたい。
いや、そんなことを聞いてくれる、誰かに会いたいということが正しいのかも知れない。
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先日、しょーもないオバチャン軍団と、しょーもない女子会をした。
「うちの旦那がさ、いぼ痔になって」
「26円のもやしがさ、半額になっててさ、13円だよ13円」
「下っ腹がさ、鏡餅みたいになってんだけど、縁起がいいからいいの」
など、しょーもない話のお花畑が永遠に続いていくのがオバチャン流おしゃべりの特徴である。
そして誰もかれも人の話を聞いていない。
自分だけがしゃべりたいというおしゃべり欲がエグい。
ゴシップ情報の仕入れに関しては、またもや、にんげんかいトップの実力の持ち主は大体オバチャンである。
そしてオバチャン軍団の会話はだんだん、
「地域サッカークラブの当番キツイ説」に移行した。
たまたまその時にいた私以外のオバチャン全員のむすこが
地域のサッカークラブに所属していた。
なにやら、当番だの、L I N Eでのやりとりの多さ、送迎の車出しなどがめんどいと盛りあがっている。
愚痴がはじまると、やめられない、とまらない、かっぱえびせんなのもオバチャンの特徴といえる。
うちの息子は2人とも地域サッカークラブに入った経験がないので、
ふ〜ん と
視聴者側で聞いていると
「なんか、めちゃくちゃ熱心なお母さんが数人いて」
「なんもやってないわよ〇〇君のママとか陰で言われてるかも」
「必ず来る熱心なパパもいるよね」
「チーム全体のL I N Eがいつもポコポコ鳴ってるのもちょっとね…」
と。
そうなんか。
そんな大変なんか。
親が熱心側と、じゃない側に分かれているらしく、
そこにいた全員が、じゃない側だったので、熱心側のママたちに気を使うのがめんどいらしい。
「いつもすみませんんんん〜」
「いつもお世話になっちゃってぇぇぇぇ」
「ありがとうございますぅぅぅぅ」
気合いで下から目線を演じるのも、
そのすべてが疲れんだと。
「ま、でも、熱心ママがいないとクラブが成り立たないんでしょー
いてくれてありがたいじゃん」
と私がポロッというと、
それもそうだと、全員コーヒーをガブガブのみ、
パンケーキをバクバクたいらげている。
早いよ。切り替え。
そうなのだ。
オバチャンたちはその熱心ママに怒りがあるわけでもないし、何か伝えるほどの事件があったわけでもない。
ただ、自分が感じたちょっとしたモヤリを誰かに話したいとか、聞いてもらいたいだけ。
聞いてもらった途端にすっきりしたオバチャン軍団は、さっさとデザートに意識が移行した。
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そしてお会計時。
お会計時のオバチャンはまたすごい。
「私に払わせてよぉぉぉぉ」
と誰もかれも金を払いたがる。
おい、いい加減にしろ。
オバチャンはめんどいから割り勘でよい。
オバチャンはファミレスの滞在時間が長く、
気が済んだらさっさと帰ってゆく。
金額が張るものに関しての財布のひもは硬めだが、ファミレスのドリンクバー代など、
ややお手軽に払えそうなものに関しては、グイグイ払いたがる傾向を感じる。
なんとたくましい生き方。
日本中の、控えめで、自分の意見を言えず悩んでらっしゃる方々にこのたくましさを伝えたいがために、
私は仕事もせずに、家事もせずに、オバチャン論文を今日は書いているのだ。
しかしながら、にんげんとしての経験値が高いオバチャンたちは、
病気やケガなどがまわりの人に起こるとやたらと優しい。
「なんでもするから言ってね!」
と思いやりがあふれだす。
激つよなだけでなく、やさしさも兼ね備えている。すご。
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若い頃にあった恥じらいや遠慮はこの30年間で消え去り、やさしさは底なしになるらしい
そして私も地道にその道を歩んでいるらしい
おしまい