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高校最後の夏休み

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どんどん、どんどん、Union'7'Jackの活動に、のめり込んだ。

学校生活もままならないくらい昼夜も逆転し、たまに登校しても寝てばっかり。

このまま学校を辞めてしまってもいいって思えるぐらいハマりにハマったバンド活動でしたが、ふとした事で終わりを迎えました。

それは、共同で企画をしてきた某バンドと、僕の夏休みを利用して敢行するはずだった地方へのツアーは、某バンドのメンバーの不義理により、急遽中止になりました。

同時に、何て名前のレーベルかは忘れましたが、オムニバスアルバムの参加に誘われ、はじめてのレコーディングをするも、アルバムはなかなか完成しないし、担当のレーベルマネージャーとは音信不通になるし、できあがったと思ったら、想像を絶する音質の悪さと、ミックスの酷さに愕然とし、大人の不義理でレコーディング費用やCDの製作費などのお金だけ巻き上げられた挙句、ツアー用に空けてたスケジュールがガラ空きとなり、バイトもできずに、ただただ呆然とした夏休み(約4週間)になってしまいました。

そんな大人に頼ってしまった自責とはいえ、まだ高校生だった僕には、他責にする以外八つ当たり先は無く、そのまま、僕のバンドに対するモチベーションは完全に下がりきってしまい、"こんなこと"を大人になるまで続けて行くことへの不安から、夏休みの最終日のイベント出演を最後に『Union '7' Jack』から脱退することを決意しました。

バンドを辞めたら、あとは、美容師になる。

ただひたすら、それだけを思っていました。

そんな、夏休みが終わり、待ち受けていたのは、それまでロクに登校していなかった分の必須単位と残り少ない出席日数のリミットでした。

留年ギリギリの成績と出席日数と闘いながらも、
2002年10月、通信制の美容専門学校に入学。

同時に、高校卒業後に憧れのUさんとKさんと働きたい意志を美容室Rの代表に告げ、面接後、内定をいただき、僕の卒業後の進路が確定しました。

無事に(?)高校を卒業後(※数学は単位を落とした為、卒業式1週間前まで補講と追試を受けギリギリでしたw)、念願のUさんとKさんが働く美容室Rへ入社することになりました。

意気揚々と、美容室Rに入社した18歳の春。

憧れの職場で美容師人生をスタートさせた僕の夢は

『ロンドンで美容室を開きたい!』

になりました。
(...東京ドーム10Daysは...w)

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ところが、同期(2歳上の専門学校卒)との知識や技術の差に愕然とさせられる毎日。

例えば…

・初日に色んな道具の事や薬剤の事を説明されるも、見るもの聞くこと、全てが初めてだらけ。
それを理解している同期(専門卒)との差に、いきなり出鼻を挫かれる。(カラーやパーマの時に耳につけるイヤーキャップをエアーキャッチと聞き間違える)

・カットクロスの畳み方が分からない

・お客様のご案内すらもままならない、というか何が分からないかも分からない。
何もできずに場違い感を半端なく感じさせられた。

・元気だけでもって、大きな声で「いらっしゃいませ〜」を言うも、先輩から「大きすぎる」、「居酒屋みたい」と言われ萎縮する

・いざ、美容師の第一歩とも言える、シャンプーレッスンを始めるも、シャワーヘッドの持ち方が分からない!!マジョリカてなんや!?

・恐る恐るやってみるものの、先輩の首から背中をスプラッシュマウンテンよろしく、ビショビショに濡らしまくる。
(専門学校でシャンプーレッスンを経験してきた同期とは違って、素人中の素人が、見よう見真似をしようにも一向に上手くならなかった)

・始業2時間前の朝練から終業後の深夜まで毎日レッスンして、それでも上手くなれなかった。
その間も、同期の2人はどんどん上達していき、差は広がる一方。

・営業後のレッスンに付き合ってくれた先輩に、
「お前のシャンプーには、お金払われへん」と言われ、泣き崩れる

・悔しさの行き場が見つからないまま、とにかくやるしかなかった。何度も何度も何度も何度も怒られて、「センス無いんかも…」って諦めかけた

それでも、なんとか食らいつき、苦労して習得したシャンプーでは、指名をいただけるまでに成長し、その後もカリキュラムを次から次へとクリアし、無事に迎えることができた2年目のある日、

思いもよらない出来事が起こりました。

後輩もでき、Uさんのメインアシスタントとして過ごしていた、ある月の給料日。

いつものように社長室に向かい、社長の対面の椅子に座って、お給料をいただき、社長から言われた一言。

『U辞めるけど、これからも頑張ってね』

その後にかけられた言葉も、どうやって社長室から出たかも記憶に無く、

まさしく、頭が真っ白になり、茫然自失とはこのことか。

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誰もいないスタッフルームで呆然とする僕に近づいて来たのが、Uさん本人。

「どうしたん?」

って何事も無かったかのように話かけてくるUさんに倒れ込むように、泣きまくりました。
(どうしたん?ちゃうわ💢アンタのせいや💢)

それもそのはず。

僕は、Uさんに憧れ、追いかけ、同期に負けたくない一心で必死で努力して食らいついて、1年目の終わりにして、当時、売上トップだったUさんのメインアシスタントを任されるようになって…。
これから2人で美容師人生駆け上がりたいって思っていた矢先の出来事だったから。

そんな目標と憧れを一瞬にして失い、ただただ、目の前の仕事をこなす日々が続きました。

そして、3年目の冬、美容室Rの創業以来史上最速&最年少でJrスタイリストデビューし、順調に売上を伸ばし、同期を数字で追い抜いた時に、ふと…

「このまま、ココにおっていいんやろか…??」

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そんな、漠然とした不安や不満はいつしか大きくなり…

2007年6月、4年目が過ぎた頃、Uさんを追いかけるべく、お世話になった美容室Rを辞め、転職することになりました。

ところが、この転職をキッカケに、

当時、22歳の自分の技術力に違和感を覚えるようになっていきました

この続きは、また次回。

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