「女の子は公式戦に出られない」性別の壁と初ゴールのトラウマ

男女関係なく遊んでいた小学生時代に人生最初の性別の壁にぶつかったのはサッカーでした。「どうして女の子はダメなの?」そんな疑問すら言葉に出来なかったのはサッカーは男の子のスポーツという当時の固定概念だったと思います。

全く興味なかった私がサッカーを始めた理由は今思い出しても意味がわかりません。笑

同級生と遊ぶより兄と遊ぶのが好きだった私にとってサッカーは敵でした。兄が地元のサッカーチームへ入ったことで週末遊んでもらえなくなり、そんなサッカーが嫌で嫌で嫌で、、辞めて欲しいとひそかに考えていたくらいです。

転機は小学4年生

たまたま応援に連れて行かれた大会で兄が優秀選手賞のメダルをもらいました。その胸元に光るメダルを見た私が母に伝えた言葉が

「私も同じのが欲しい!サッカーする!」

驚いたと思います。当時は女の子がサッカーすることは本当に珍しく、もちろんチームに一人も女の子はいません。始めてからしばらく経っても「え?女の子がサッカー?!」と必ず驚かれる時代です。それでも理解のある両親のおかげでスムーズに話は進み翌週から兄と同じチームへ通えることになりました。

しかし、サッカーの楽しさを知る前に大きな壁にぶつかります。

女の子は公式戦に出られない

まず「サッカーとは何か」からのスタートでしたが、人と違うことをしている充実感とボールを蹴る楽しさを感じ、"敵"だったサッカーは放課後の楽しみになっていました。それでもサッカーは小学生でやめるものと自然と思っていたのは男の子のチームで"女の子は公式戦に出られない"という現実を突きつけられていたからです。ローカルルールだったのか、時代なのか理由は覚えていませんが、当たり前のようにあったその事実を当たり前のように受け入れる環境が小学生の私にとってサッカーは本気でやらないものと認識させていました。

それでも今だけの楽しみとして続けていたサッカーですが、その期間は短く再び嫌いになる出来事が起こります。

人生初のゴールはオウンゴール

公式戦以外の地域の大会は出場出来たので4年生大会に参加することになりました。(※4年生以下だけが出場出来る大会)

サッカー始めて間もない私にとって初めての大会。4年生の中には一軍で真剣にサッカーをしている子も沢山いたのでレベルの違いを感じながらピッチに立ちました。右も左も分からず、正直ルールもまだ曖昧。気を遣ってパスを出してくれるチームメイトの優しさにも心の中で「やめてー」と叫んでいました。

試合も進み相手のコーナキック。ボールが上がった時に敵も味方もボールに向かってジャンプしていたので私もみんなの真似をしてジャンプしてみました。この行動が間違いだったのです。こぼれたボールが私の足に当たり、見事ゴール隅へ吸い込まれゴールネットを揺らしました。

「やってしまった・・」

ルールが曖昧な私でもやらかしたことはすぐに察知しました。ここからの景色はスローモーションで今でも鮮明に覚えています。キーパーからの冷たい視線、チームメイト落胆の表情、応援に来ている父兄達からの声。その後聞こえてくる「どんまい」の声も気休めにすらならないくらいの恐怖でした。なんて恐ろしいことを私はしてしまったんだ…と。チームメイトの顔も見れず逃げ出したい気持ちでいっぱいで、、試合後は父にしがみついて大泣きしました。もう試合出たくない。サッカーやめたい。


そうです。

私のサッカー人生の初ゴールはオウンゴールでした。