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最近のお気に入り:テーマなし

特にテーマなしで、最近定期的にリピートしているアルバムを雑多にピックアップしましたので、以下、その感想・記録です。それにしてももう3月かよ‥

Strong Arm Steady / In Search of Stoney Jackson (2010)

Stones Throwから、MadlibプロデュースStrong Arm Steady(SAS)は西海岸のギャングスタMCクルーらしいが、Madlib監修だからかギャングな香りはあまりしない。正直ビートだけで悶絶しちゃうんだが、3MCによるラップもエモーショナルかつソウルフルで悪くない。まあ強いて言うなら、Madlibのミクステ感が強く、SASとしての強みをあまり感じられないのはちょっとマイナスポイントかもしれない。あと、M3がかなりドープで良いな〜と思ってリリックを調べてみたんだけど、なかなかに舐めた内容で思わず苦笑・・。いや、でも音だけ聴いてたら本当に良いっすよ。中盤あたりの流れとかも本当に最高。

Lana Del Rey / Norman Fucking Rockwell! (2019)

「Oh,, so fucking special ....(トムヨークボイスで)」とか漏らしちゃうくらい良い。2年遅れでやっと気づきました。深みが違う。重みが違う。女性SSWレコードのど真ん中。大部分は儚いバラードばかりなんだけど、なんせ歌に説得力がある。別に特別悲痛なわけではないし、かといってアップリフティングなわけでもない。それでも真に迫ってくるこの感じはなんだろうか。70年代クラシックロックを参照したどことなくサイケデリックなフォーク・ポップソングが中心で、古き良きNY音楽シーンを懐かしみ変わってしまったカニエとボウイの喪失を嘆くM11も良いし、最後の曲で「hope is a dangerous thing for a woman like me to have, but I have it」と歌うラナ・デル・レイにはグッとくる。新作も楽しみ。

The Bonzo Dog Doo-Dah Band / Gorilla (1967)

ブリティッシュインヴェイジョン期のバンドの一つだが、アートロックバンドというかコミックバンドというか、終始おちゃらけた、それでいてどことなく哀愁も漂うような、なんとも奇妙なバランス感覚をもったバンド。キンクスや中期ビートルズを彷彿とさせる感もある。というか映画「Magical Mystery Tour」にも出演しているのね。しかもそこで演っていた曲はM7「Death Cab for Cutie」という・・・かのUSバンドはこの曲からバンド名を引用したのか笑。いや、もう終始ブラスがブーブー鳴っていて笑えるコメディ音楽で、トムとジェリーとか昔のカートゥーンアニメに合わせたらピッタリだろうな。

Andras / Joyful (2019)

オーストラリア・メルボルン出身アーティストAndrasのデビューアルバム。90sハウスとアンビエントの融合のような、バレアリックなディープハウスの気持ちよさと言ったら!キックが柔らかくメロディが優雅なので、なんとなく北欧のダンスミュージックっぽさを感じる(イメージとしてはスウェーデンのKornel Kovacs「Stockholm Marathon(2019)」とか)。M2のタイトルはLive Forever(だからどうした)。家の中で聴きたいダンスミュージックです。

Leila / Like Weather (1998)

Aphex TwinのRephlexレーベルから98年にリリースされたイラン生まれ、ロンドンベースの才媛、Leilaの傑作デビューアルバム。元々ビョークのサウンドエンジニアやミキサーをやっていたらしい。トリップホップとIDMを見事に組み合わせた楽曲はなかなかに尖っていて良い。ジャケからニューシネマパラダイスとか、BJ ThomasのRaindrops keep falling on my headを連想した。まあ、主に右側で自転車に乗っているという点だけが共通点で、音楽性は似ても似つかないけど。

K-LONE / Cape Cira (2020)

UKの電子音楽家であるK-LONEのデビューLPは、柔らかいパーカッションやフィールドレコーディングが特徴的なミニマルアンビエントテクノだ。イヤホンで聴いてると優しく優しく撫でられているような、そんな感覚を覚える。音色はメロディアスで、一定に刻まれるキックの音圧は控えめなんだけど、気づくとめちゃくちゃ体を揺らしている・・・。ええ、そうです。大好きなやつです。昨年のうちに聴いてたら確実に年間ベストに入れていた一枚。

Gene On Earth / Local Fuzz (2019)

Bandcampで見つけたドイツベルリンのアーティストなんですが、しっかりしたボトムに乗っかる浮遊感のあるウワモノがもう大好物なディープハウス。そして、ジャケのおっさんもかわいい。誰をイメージしてるんだろう??情報少ないし、Bandcampにしかないんだけど、これは良いもの見つけた感が強いです。

Alexander O'Neal / Alexander O'Neal (1984)

80年代の都会的なソウルってこれまで全く通ってなかったが、そろそろ手を出していきたいと手に取った一枚はアレキサンダー・オニールのデビュー作。煌びやかなプロダクションがまさに80年代ど真ん中な内容で、アレキサンダー・オニールは特にミディアムナンバーで伸びやかな歌声を聴かせてくれる。ある種の懐メロ感があり、80年代のそんな雰囲気に苦手意識を持っていたのだが、改めて聴いてみると現代とは違う洗練のされ方でとても良いね。お気に入りはM5。プロデュースはジャム&ルイス。

Shielding / Collecting Seaweed (2020)

スウェーデンの電子音楽家のLP(EP?)。北欧っぽい繊細さと、とにかく浮遊感にあふれるミニマルダブ、エレクトロニカ。Basic ChannelやJan Jelinekの名前がBandcampのアーティスト紹介文に出てくるように、霞掛かった音像に繊細なグリッチ音が特徴的で、そりゃあもう気持ち良すぎます。上述したK-LONEの主宰レーベルであるWISDOM TEETHからのリリースということで知りました。こういう控え目だけどメロディが美しく儚いエレクトロニックミュージックには痛烈に惹かれてしまう‥。

Chari Chari / We Hear the Last Decades Dreaming (2020)

国内のDJ及びプロデューサーである井上薫の別名義プロジェクト。この名義では18年ぶりのアルバムらしい。一曲目からJR駅構内のフィールドレコーディングに耳を惹かれ、その後繰り出されるミニマル、ニューエイジ/アンビエント、バレアリック/ディープハウス、クラウトロックといった要素がブレンドされた素晴らしきホームリスニングダンスミュージックに思わずうっとり。Andras、K-LONE、Shieldingといった今回取りあげているアーティストと共振するような内容で、今、自分はこういうのが好きなんだなってのがよく分かる・・。

今日はここまで。みなさま、良き音楽ライフを。

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