ARTとデザインの違いは?
木村:うーん、なんていうか、Logicに偏重しすぎだよね。ARTがなんでこんなに重要性低くなってるんだろうって思う。ただ、なんかおれたちが『ARTが重視されないのはつまんない』って言うとちょっとあれなので、落合さんがそう言ってますよって話にしておこう。笑。おれもそう思います、ってことで。
感性と美意識があれば、人間はAIに追いつかれない【落合陽一×山口周】
https://forbesjapan.com/articles/detail/20919/1/1/1
より抜粋
大野:ARTって予測つかないところが良くてさ、偶然性というか。おれ美術展やってるじゃない。
イベントページ▶︎ https://www.facebook.com/events/242860119829641/
【深夜の美術展 vol.8】
都会の喧騒の中でひっそりと、深夜にだけ開催する美術展です。
美大生/イラストレーターなど15名の方に展示して頂きます。
#深夜の美術展
8/17(金) 21:00open~翌日 5:00close
8/18(土) 21:00open~翌日 5:00close
入場料:1,000円(1ドリンク付き)
会場:くるくる Global Hub
大野:こういう展示って、普通は審査があるのね。ポートフォリオとか作品をまず送ってもらって、審査があって、それで展示するにしてもどこにどんな作品を展示して、っていうのも事前に全部決めるらしいんだけどさ。
木村:うんうん。
大野:おれのところは審査全くしなくって、申し込み順で好きな場所選んでもらって、ってするからどんな作品が来るかわかんないし、当日もどんな雰囲気になるかもわかんないんだよね。おれは予測できない方が面白いと思ってるから、このやり方はいいと思ってる。
木村:偶然性をね、あえて使うみたいなところだよね。デザインってさ、狙いがあって意図があるじゃない。説明可能な理屈が背景にあるというかさ。その説明を聞いた人がそれを機にいるかどうかはわからないけど、少なくとも説明できるものがあるのがデザイン。
大野:うん。
木村:でもARTにはそういう論理的なものはなくて、むしろそんなものは邪魔だしいらない、っていうのがARTかなって。説明できることに重きを置きすぎなんだよねなんか。笑。説明できなくてもいいじゃんって。笑
大野:Twitterとかでも書いてるけど、劃桜堂はゴーストライターを使ってますってめっちゃ言ってるんだよね。何かを始めるときってさ、理屈じゃなくてやりたいって気持ちがあるわけじゃんまずは。でも拡散するとかさ、人に協力してもらうには説明できる必要があるでしょ。そのためには理解してもらう必要があるから、なんでそれがしたいのかを言葉にする必要があってさ。だから人にお願いしてそれっぽく作ってもらうんだよね。笑
木村:あれね、奨学堂ね。笑
大野:そうそうそれもだし、ほかのやつもさ。だいたいゴーストライターが文章作ったりしてる。そう、だからおれはね、理由はいらないと思うぞ〜って。笑
木村:おれこの前Facebookで『意味を求めるのがデザイン、意味なんか知るかってのがアート。って言ったら暴論かな。』っていう、つぶやきみたいな投稿したんだよ。
大野:見た見た!
木村:あれなんでかって、いまおれ万年筆作りたいと思って色々とやってるんだけど、それのプロトタイプ見せるとほぼ確実に『このデザインってどんな意味があるんですか?』って聞かれるのよ。それでおれが『この造形が美しいと思ったからです。』みたなこと答えると『中のインクが見えるようにしたのかと思いました。』とか『持ちやすい形にしたのかと思いました。』とか言われるのね。
大野:あー、なるほどね。
木村:最近は聞いてくれた相手が納得するような答えを用意するようになったけど、そんなの後付け、でっち上げでさ。笑。でも納得してくれるんだよ。多分みんな理由が知りたいわけじゃなくて、自分が納得した気持ちになりたいんじゃないかなって思ったりする。
大野:それはあるかもね。おれがゴーストライターお願いするのも、人からそういうのを求められるからだもん。
木村:それで割とコメントもたくさんついてさ。『デザイン』って言葉は2015年くらいからよく聞くようになったけど、ここに来て一気に大衆化したみたい。単に『デザイン』って言葉だけじゃなくて、『〇〇デザイン』とか『デザイン〇〇』みたいな変形もよく見る。ビジネスデザインとかデザインシンキングとかね。
大野:バズワードの1つになってるよね。とりあえず言っとけ、じゃないけど。笑
木村:投稿の反応見て思ったのは、デザイン側の人が考えるARTと、ART側の人が考えるARTって全然違うんだなって。なんかイメージなんだけど、デザイン側の人にとってARTって特別なもの、素晴らしいのはわかるけど自分とは縁遠いものって印象なんだろうと思う。
大野:うんうん。
木村:さっきも言ったけどデザインって目的があって意図があって、理由を説明可能なものじゃない。それでデザインを勉強した人は、デザインの見方でARTを見ようとするんだと思う。でもそうするとARTにはそういう説明できるものはないから、理解できないじゃない。『素晴らしいことはわかってる。でも理解できない。。。』ってなって、自分とは縁遠いものになってるんじゃないかな。
大野:デザインによってARTが遠くなったってことか。ART側の人が見るARTはどうなの?
木村:今度逆にART側の人が見るARTって、そもそもまず言語を介して捉えようとしてない感じがするんだ。もっと感情的だったり。あ、この感情的って頭に血がのぼるとかそういうのじゃなくて、感覚的みたいなものなんだけど、感覚って言うよりも感情の成分が含まれてるってことね。
大野:確かに、劃桜堂の周りにいる人はそういう感じの人多いかもしれない。
木村:もっとこう人間の生理に近いっていうのかな。生理的とかの生理ね。そういう人間の生理を直接形にしたのがARTで、その間に言語や論理を経由してない。だから見る方も自分の生理で受け止めればいいんだけど、どうしても言語や論理で捉えようとしてしまうというか。
大野:『説明』という呪縛に囚われてるんだね、我々は。笑
木村:それでいわゆる国宝とか、時空を超えて残るARTって、その作ってる最中の人間の生理が、自然や宇宙と調和してる状態で作られたんだと思う。個人の枠を超えたものと繋がって作られたから、時代や国を超えて評価されるっていうのかな。ちょっと怪しくなってきたからそろそろ辞めるけどさ。笑
大野:うん。笑
木村:定義ではないけど、デザインとARTの違いを説明するなら、
・こう言う理由でこうなりました、がデザイン:形になる前、事前に説明できる
・こうなった理由はこうです、がART:形になった後、事後であれば説明できる
ってところかな。
こういう狙いがあるのでこうデザインしました。っていうのと、描いてるうちにこう感じたからこうなりました、って違い。
大野:なるほどね、その説明はわかりやすい。
木村:それでこれだけデザインって言葉が一般化した今の日本でさ、ARTって特別なもの、素晴らしいとはわかってるけど自分とは縁遠いもの、みたいに思ってる人もそれだけ多いんじゃないかな。
なんていうか、いつからARTはこんなにも特別なものになったんだろうね。
次回『ARTはいつから“特別”になった?』へ続きます。
お知らせ
8月19日(日)16:00〜18:00に【入門編】AI時代の出版ゼミ 『つくる人の武器』としての出版講座第を渋谷で開催します。
詳細はこちら👉 https://aipublish.peatix.com/
【イベント概要】
AI時代の出版ゼミ 『つくる人の武器』としての出版講座
AI時代に力を持つのは、自らの感性、美学、哲学を技術を駆使して形にする “つくり出す人” です。
データやルールがあるものや、そこから導き出せる『正解があるもの』はAIに任せればいい。データやルールのない『感性を元にした、正解のないものをつくり出す人』が活躍していくこれからの時代。
そんな時代に活躍する、アーティスト、デザイナー、パフォーマー、カメラマン。はたまた、料理人やパティシエ、ライターや作家、映画監督に作曲家。そんなアイディアと技術を駆使して『つくる人』たちにとって『著書』は武器になります。
そんなAI時代に向けて、『つくる人の武器』としての出版講座を開催します。
例えばアーティストなら作品の説明や制作過程をまとめた著書をポートフォリできるのはもちろん、展覧会のグッズとして販売したり、それらをテキストに初心者向けの絵描き講座をすることもできる。
例えばパフォーマーなら自分のパフォーマンス動画を電子書籍にリンクさせて、
写真と動画と文章で作品を紹介することもできる。
しかもアマゾンの自己出版サービスを使えば、スマホだけで電子書籍もペーパーブックも出版することができる。どちらも1冊から販売できるから、何冊以上売らないといけないというノルマもなければ、初期費用も無料でリスクもありません。
ゼミ中には目次作りのノウハウを教えるだけでなく、どのような切り口で本にすればヒットする内容になるかの個別相談を行います。同じく出版に向けて努力するクリエイターの仲間ができるのも大きな魅力です。
■対象人物
・「出版や内容に興味はあるけど書けることないんだよなぁ」という方
・『つくり出すこと』をしているすべての社会人、学生
・独自の技術や作品を持つクリエイター
・自分のノウハウを体系化させたい人
・電子書籍やペーパーブックで出版したい人
・ニッチな言語や技術を極めている人(初回ではアラビア語の詩集の出版を目指している方も来ました)
■場所
くるくる Global Hub
(JR渋谷駅から徒歩5分 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1丁目13−5)
■日時
8月19日(日)16:00〜18:00
■料金
・一般3,000円
・【一芸払い】2,000円
※一芸払いとは:AI時代の出版ゼミでは、アーティスト・デザイナー・クリエイター・ダンサー・カメラマン・パティシエ・ライターなど、何かを『つくりり出す』人を応援しています。そのような人向けに、料金の一部をそれぞれの『一芸』で支払うコースを用意しました。アーティストの方でしたら作品1点を参加費の代わりに提供いただき、パフォーマーの方はゼミの休憩時間でパフォーマンスを披露していただき、カメラマンの方でしたらゼミ中の撮影をしていただくなど、その方の『一芸』を提供していただくことで、参加費の一部とするコースです。
詳細はコチラ 『一芸払い、始まる』
■お申込み方法
peatixにてチケットをお申し込みください。
詳細はこちら👉 https://aipublish.peatix.com/
※Facebookで参加ボタンを押すだけではお申し込みにはなりません
https://www.facebook.com/events/205068223534630/
参考note記事
・アーティストよ筆を取れ。出版は爆発だ。
・スマホがあれば出版できる
・10冊売れると10.000円。電子書籍の印税の話