誰かの物語
#1
僕はこの世界で生きてる。
正直、辛い事の方が多いこの世界で。
特に目的も無く、ただ何と無く。
ただ、生まれてきたから。
一人は辛い、でも他人に救いを求めても返ってくるのは虚しさや怒りだけ。
でも、寂しさを耐えられる程の心も僕は持ち合わせてない。
死にたくなって何度か死のうと思ったけど、結局、怖くて何も出来なかった。
僕は弱い。
そして、惨めだ。
でも、この世界で生きていくには金がいる。
何にしても金がかかる。
そして、金を得るには人と関わらなければいけない。
でも、結局他人に求められるだけの物を僕は持ち合わせてない。
それでも、僕は生きている。
この世界で生きてる。
誰かに愛されたくて、誰かを愛したくて。
でも、それは簡単に手に出来る物じゃない。
でも、簡単に手に入れたくて。
求めてしまう、でも求めても求めてもそれは努力をしなければ手に入れられなくて。
努力をしたくても、努力の仕方がわからなくて。
自分なりに頑張ってみても、それは他人から見たら頑張っているように見えてなくて。
じゃあ、どうすれば努力を認められるのかそれを考えたら他人に何かを認められるのも求めるのも面倒になって。
それで、何でもいいと諦めたら、今度は他人が僕を嫌いになって。
それから逃げても、逃げても何処にでも他人は居て。
結局、人は人から逃げれなくて。
何処にでも人は居て、人が居なければそれはそれで寂しくなった。
僕は自分勝手だ。
でも、生まれたから、そして生きてるから、だから悩んで悩んでそして病んだ。
病んだら、それが原因で金がかかるようになった。
僕は笑った。
乾いた心で、誰かにではなく自分自身に。
それでも身体は脈打って、生きたい生きたいと伝えてくる。
それが煩わしくて、その場にあった物に当たってみたけど結局虚しくて。
人を見ては羨ましくて、憎らしくて。
それで、誰かを怨んでも僕の心は曇ったままだ。
この憎しみを誰かにぶつけたくても、それが間違ってると思う心が邪魔するんだ。
そして、この世界のルールが僕を阻むんだ。
だから、僕は笑うのをやめた。
そして、人に何かを期待するのをやめた。
そして、この世界に期待するのをやめたんだ。
そしたら、救われると思って。
でも、気が付けば僕はまだこの世界で生きていて、今日もまだ生きている。
ふと、見上げた空は何処までも澄んでいて綺麗だったんだ。
僕は何で人間なんて物に生まれてきたんだろう。
こんなにめんどくさい物に。
僕は消えたくなった。
そしたら涙が溢れてきて、悔しくて泣いたんだ。
僕『何で、こんな思いをしてまで僕はここに居るんだろう。』
目を開けたら、死んでいたら良いのにな。
目を開けたら、消えてなくなれば良いのにな。
それでも、僕はまだ生きている。
この世界でまだ生きている。
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