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紗雪 10/11

これは僕の初エッセイです。
拙い文章ではございますが、完結まで毎日1章ごとに内容を公開させていただきますのでよかったら最後までお付き合いください。

また、最終日にはそれまでの内容を全てまとめて公開をさせていただきますので、全部まとめて読みたいという方は最終日までもうしばらくお待ちください。

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【妻の妊娠】

分割までが順調に進んでいるという事が分かったその日、13時に妻は病院に向かった。

病院につくと培養士の先生から説明を受け、内膜検査が行われた。
検査の結果、妻の内膜は十分な厚さがあり、問題なく移植ができる状態にまで成長しているという事が確認された。

その後、再び培養士さんから説明があり、すぐに分割された卵の移植が始まった。

卵の移植は無事に終わり、あとは着床して妊娠判定が出るのを待つだけとなった。


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「ただいま〜」

僕が玄関のドアを開けると、妻が玄関で出迎えてくれた。

「おかえり!」
「移植無事に終わったんだね!」

部屋の中に入り、荷物を置きながら僕は言った。

「うん!無事に終わったよ〜」
「でも妊娠判定までの期間めちゃくちゃ長く感じそう・・・」

卵の移植が終わってから無事に着床し、妊娠しているかどうか分かるのは12日後になるらしい。

「妊娠判定まで12日くらいかかるんだっけ?」
「うん。それまでは検査してもまだちゃんと反応が出ないから分からないみたい」
「そうなんだ、12日間ってめっちゃ長く感じそうだね」

(妊娠すること、子供を授かることって本当に大変なんだなぁ。)
僕は会話をしながら、どこか客観的にそんな事を思っていた。



予定日は2020年1月4日。

僕たち夫婦にとって長くて短い、とても幸せな時間が始まった。

多分、世の中のパパ達はみんなそうだったと思うんだけど、最初は妻のお腹の中に赤ちゃんがいるなんて全然実感が湧かなかった。

実際、赤ちゃんがそこにいるということは頭では理解をしているんだけど、感覚として何も実感がないからうまくイメージできないというような、そんな感じ。

妊娠が確定してから少し経つと、妻のつわりがひどくなり、一時は食事も摂れず病院で点滴を受ける事態にまでなってしまった。
仕事終わりに連絡をしたら、病院で点滴を受けていると妻から言われた時はめちゃくちゃ驚いたし、本当に心配した。

でもその後は妻の体調もだいぶ良くなって、お腹の中の子もすくすくと成長していった。


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木村優吾
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