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コロナによって問題を早期発見した飲食店

具体的な番組内の紹介

坂上&指原のつぶれないお店 立て直し企画! 待望の新作

和食居酒屋で、コロナ前の通常時は繁盛店だったお店とのこと。

しかも個人店(非チェーン店)でありながら従業員14名で金属20年を超える方もいるお店

商品にもこだわりがあり料理もおいしく店内の雰囲気もいい現時点では申し分のない繁盛店で、コロナさえなければ何の問題もなかった・・

と番組内では終始そういうことになっていました

が、内情は隠れていた問題がいくつかあり、それを改善し再出発させるということをこの番組(というよりすごいのは、アークランドサービスホールディング会長 臼井健一郎さん)は成し遂げました。

コンサル内容も素晴らしいんですが、それを実際実行していくための現場との折り合いの付け方がすごいなと思いました

臼井さんの番組内での仕事の流れを簡単にまずまとめます

①まず店内の現状を覆面調査(客として普通に飲食)

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普通においしく店内の雰囲気も多く、メニューも豊富で従業員もいい接客。                 客の立場からは(表向き)何の問題もない。

②周辺環境の調査

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※1・・一定数のお客さんがちゃんといる街(プラス要素)

※2・・安い店だけが人気というわけではない(プラス要素)

※3・・住宅地なので、地域住人が使うお店が多い(プラス要素)

※4・・様々な業種がそろっていて、隙間がない(マイナス要素)

実際に街を歩き、様々な立場のお客さんを想定しながら多角的な目で想像する

これ実はすごいことで、コンサルタントや講師を名乗っていても、これができてない方って結構多いんです。

成功した1例だけを自慢話のように語るだけの講師やコンサルタントって多いんですが、周辺環境調査での臼井さんはすごかったです。

臼井健一郎のすごすごポイントその①

まずいろんな客層の立場を想像し自分がなりきる。

これがちゃんとできないコンサルは、「おしゃれなお店だから女性にも人気ありそう」「子供メニューもあるから子供連れにも人気そう」などといいます。

おしゃれなお店=女性に人気

子供メニューがある=子供連れやママさんに人気

という公式がすでに頭の中にあります。

こういう方は、何でもおいしいと笑顔を振りまくグルメリポーターには向いています。てんぷらがでたら「サックサクー」、肉料理が出たら「ジューシー」、エビが出たら「ぷりぷりー」

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シュミレーションがちゃんとできるコンサルタントの場合、「子連れの女性」でもたくさんの条件を考察します。


平日、3歳の子供と近所のスーパーに買い物に来た帰りで、買い物袋を持ってちょうどお昼時に店の前を通りかかった26歳の女性

もし、3歳と5歳の二人の子供がいたら?

休日、旦那さんも一緒だったら?

雨の日だったら?

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それとは別パターンで、昼時周辺で働く人がランチの店を歩きながら探していたら?

30代の同期のサラリーマンだったら?先輩後輩だったら?上司と部下だったら?仕事帰りだったら?

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このように、大まかな人物像をいくつも想定し、細かいシチュエーションを変えてたくさんの人物像で客観的にどう思うのかを考えます。

客層を一人ひとり想像します。

これは面倒ですし、常にお客さんのことを考えお客さんを観察しながら現場で働いた経験がないとこの考え方はできません。

それは、周辺情報とも照らし合わせたり、今後の店内の改装案に反映したり、店員の今後の教育や採用、店内のオペレーション、備品設置などを詰めていく際にもとても重要な所です。

現場の今後(成果)にも責任がある立場のコンサルタントはここまで見ています。

現場経験もなく、ググっただけ(ヤフっただけの場合も)壇上やネット上の記事などでうわべだけのきれいごとや、他人の意見のコピペをしているような現場を知らない講師やコンサルタントも多いので、依頼先は間違えないでくださいね。

もちろん、この番組内では時間の制限や視聴者が楽しめる番組作りが目的なので、臼井さんのコンサル技術について掘り下げてはいませんが、放送された際の目線や言動をみれば、わかる人には感じる匂いがありました。

③経営状況を確認、店内スタッフのオペレーションを確認(内部環境の調査)

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現在の仕入れ費・・・54パーセント、人件費・・66パーセント、毎月20パーセントの赤字という状況

理論上は、それぞれ30パーセントづつにしたい

3つの課題を抽出します

※1・・仕入れ値と人件費を30パーセントに抑える

※2・・売り上げ強化のための新メニュー導入

※3・・コロナ明けにお客さんが戻ってくれるお店にする

良くある机上の空論の理想論コンサルタントはここでそのアドバイスをするだけですが、臼井さんはではそのためにこのお店ではどうすると実現できそうかを具体的の考えます。

具体的な方法

※1・・現在115種類あるメニューを3分の1へ

※4・・新メニューも含めて、同じ材料で簡単に作れるようにする

⇒仕込み時間の短縮、食材のロスの減少、アルバイトでもできるので人件費の減少が期待できる

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また、面白いと思ったのが、看板メニューをチラシ寿司にするのですが、

「海鮮系居酒屋のちらし寿司ってお刺身のイメージ」と個人的にはイメージがありましたが、アナゴやホッケなどの焼き魚をほぐしたちらし寿司メニューもありました。

確かに、海鮮系居酒屋は業務用の焼き台があって、家庭ではできないふっくらとおいしい焼き魚が焼けます

一般的には「ほぐし身のどんぶり」というと、家庭で瓶詰の鮭フレークを食べるイメージですが、プロのお店ならではのほぐし身どんぶりです。

確かに刺身系海鮮丼はおいしいですが、家庭でも面倒ですが作れます

むしろ焼き魚の方が、プロにしか出せないおいしいものが出せるんだと思います。

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テレビではさらっと表現していますが、凄腕コンサルはここまで計算して考えていたりします。

④店舗の外見(お客様への第1印象)改善

お店の身だしなみと僕らは呼んでいますが、どんなにいいお店でも最初にお客さんが興味を持ってもらうことが重要で、それができないとその先に1歩も進まなくなっています。

興味を少しづつもってもらい、その都度さらに興味を持っていってもらうように小出しにそそる情報を伝えていくことを、僕らは「ちらリズムの法則」と呼んでいます

実際にこのお店でどうしたのかというのは

※・・暖簾の作成

大きい布製の看板は、カーテン記事でステンシル手法で手作りです。

コスト的に大きな節約になりますし、自身で作れるということはこまめな交換やリニューアルもしやすいということになります。

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たまに、布製(ビニル製)の看板がボロボロでも使い続けているお店があります。

作ると高いしもったいない気持ちはわかりますが、お客さんへマイナスイメージをPRしているようなもんなので、その場合はむしろそんな看板なんかない方がいいと思います。

また従業員もそういった店舗改装に関わると、お店に対する思い入れも生まれます。

そして昼夜の営業を分かりやすくするために、昼は、昼と書いた暖簾を出し入れするというのもいいと思います。

新規客の外からの目線を持っていない飲食店

お客さんの立場で考えれば、お店の前を通った時も夜のように店内の明かりが見えるわけでもなく、

昼は締まっているお店も多い周辺状況と比べてみると、昼の営業をしていてもお客さんに気付いてもらえないかもしれません。

お客さんの選択肢にエントリーしても、ライバルとの競争で顧客を勝ち取れないとすれば、仕方ないですし原因もはっきりするので改善すれば勝てる要素もあります。

でも「隠れ家的」というか「本当に隠れ家になって誰にも気づかれず」という状況のお店も多いです。

「お店の孤独死」って結構あります。

実際僕自身も、ある居酒屋さんがランチタイムの客数が少なく、ランチをやめようか迷っているということがありました

そこでランチの営業をたくさんの人に知ってもらうために一つ提案をしました。

国道沿いのお店は、時点の宣伝のためにのぼりの旗を店の前に4本常時出していました。

それを、営業時間の間だけ出すという提案をしました

ところが、のぼりを出し入れすることが面倒で人件費の増加につながるからやらない。

ランチ営業もしていることはお客さんはみんな知っているから意味がない。このお店を知っているお客さんを呼び戻すためにどうしたらいいのか?をみんなで考えているのに

と言われました。

お店の現状を知っているのに、前は来てくれて今はこなくなったお客さんを呼び戻すためには、よほど大きなことをしないと難しいと思います。

大がかりな店舗リニューアルか、大幅なメニュー更新(場合により業態変化)、大幅値引きキャンぺーンなど

それよりも今まで知らなかったお客さんを呼び込み、お客さんが離れていった要素を反省し改善しただけで、新しいお客さんを常連化していけると思いました。

恋と似ていますね。一度冷めた恋はなかなか復活しません。新しい恋をする方が賢明です。

焚火もそうです。一から火おこしをする方が、一度消化されびちょびちょになったところを再燃させるより簡単で現実的です。

ここで問題になったのが、古参の従業員です

今までやってきたことを変えて新しいことをするということを、「自分自身が今までやってきたことを、昔の苦労も知らない若造がいきなり来て否定する。」と思ってしまったようです。

そうではなく、時代の変化や顧客ニーズの変化によることで、昔から頑張ってきた方の過去の頑張りや実績を否定する話ではないときちんと説明して、昔からのその方のやり方をベースに生まれ変わるようなイメージをうまく伝えることができればよかったんだと思います。

結局、その時、僕はこのお店に対するコンサルは降り、お店はランチ営業を取りやめてしまいました。

臼井さんのように、人を動かす説得力を持ったような砕いた説明ができなかったからと今になれば自身の力の未熟さを感じます。


また、このテレビ番組のお店も、コロナでなかったら繁盛していたとはいってもおそらく、店主の高齢化などもありましたし、早かれ遅かれ同じような問題は起きていたと思います。

店主(社長)自身の体力や経済面で限界に来てから問題が明らかになって、手の施しようもない状態になるよりも、コロナにより埋もれていた潜在要素が浮き彫りになって、まだいろんな体力があるうちに改善できてよかったと思います。

例えば、どのみちその社長1代でお店をたたむというのであれば、お店や事業の寿命は変わらなかっとしても、借金が残って他人に迷惑になる廃業よりは、誰にも迷惑をかけず自身の老後資金も確保できたうえでの引退のほうがいいですし、いい状態のお店であれば事業継承の可能性もあります。

誰かの生きがいや夢を叶える場、従業員の雇用の継続で生活を守ることを続けられる可能性も高めました。

今回この番組を見て、改めてコンサルタントや講師の力量が、多くの関係者の人生を左右しかねないんだなと痛感しました。

襟元を正す思いがしました。
















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磯村 雄二
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