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2年間の片思いが両思いだと気づいた夜

大好きな友達が結婚することになった。その友達は私の人生の中でとても大切な存在。そんな彼女から結婚式の招待状が届いた。それがとても嬉しかった。

というのも彼女と私は4年前に出会いそれから密度の濃い2年間を過ごした後、疎遠になってしまったからだ。

今日は彼女とのことを書こうと思う。


便りがないのは片思いじゃなかった

ふたり都内で過ごしていた生活から、私は沖縄へ。彼女は同棲するために神奈川へ引っ越した。私が新しい人と出会うように彼女も新しい人と出会っていく。

Instagramは彼女の楽しい日々を教えてくれるが、そこに私はいない。お互い連絡をまめにするタイプではなかったからメッセージを送ることもほとんどなかった。

ただストーリーの投稿に♡やリアクションを送り合って、お互いが何しているのか気にしている雰囲気はずっとあった、それだけ。そのことがずっと気になっていた。

私はすごく会いたかったし、連絡を取りたかったのだけど
こんなに大好きなのはもしかして私だけ?
思い始めてからは片思いをこじらせたようにメッセージを送る勇気が無くなってしまった。

けれど「結婚式するんだね」と2年ぶりに彼女と話して、それが勘違いだったとわかった。

「実はずっと友達って思ってたのは私だけなのかなって考えてた」
「そんなわけないじゃん。私にとってすごく大切な存在だよ」

嬉しかった。人生で失いたくない友達のひとりだから。
片思いじゃなかった、彼女は恩や縁をものすごく大事にする人だ。

出会いはタイ。

彼女と初めて顔を合わせたのはタイの空港だった。出会ったきっかけは「タビイク」という海外ひとり旅応援企画。彼女は案内人(ツアーガイドに近いけど、厳密にはツアーガイドではなく先輩旅人?みたいな立ち位置)で、私はその企画の参加者だった。

第一印象は可愛いお姉さん。
手書きのスケッチボードで、旅のルールや企画について説明してくれた。参加者は高校生1人、大学生2人、社会人が私1人の合計4人。初めて海外に来た人もいた。

私はタイは3カ国目だったが、バックパックを背負って街を歩いたりゲストハウスに泊まるのは人生初めて。毎日がとても楽しかった。
彼女は毎晩「今日はどうだった?」と話を聞いてくれた。聞き上手で明るい魅力的な女の子だった。歳は私のひとつ上。年齢が近く同じ社会人だったことから親近感がわいた。

旅の最後の目的地はタオ島。その移動での夜行バスで私と彼女は隣の席だった。

彼女はその旅行の中で初めて不安を吐露した。実は彼女が案内人をやるのはこの回が初めてだった。
「私ちゃんとやれてる?」
「めちゃくちゃ不安で全然寝れなかった」
明るい彼女がそんなことをいうのは意外で驚いたけど、気を張っていたことがわかった。だって海外初めての子が多いし、みんなの話を聞いたり、なにかあったらサポートをしないといけない。海外だから想定外の事態だって起こる、何があるかわからない。

すごく不安だったんだなって。その夜行バスでいろんなことを話した。そこでぐっと距離が近づいたように思う。

そして初めてのダイビングライセンス取得。計5日間勉強したり、潜ったり。いろんなエピソードがあった。

ライセンスを取ったとき水中で撮影した集合写真


ここから私のダイビングライフが始まった。彼女は「いつか沈没船を見てみたい」と言った。その言葉をずっと覚えている。

私の方が先に沈没船を見てしまったけれど、いつか必ず彼女も連れていく。

コロナ禍の寂しい日々を支えた缶ビール

旅が終わり日本に帰国した。参加者の居住地はバラバラだったが、彼女と私は同じ東京に住んでいたので、それから何度か飲みに行った。

そしてひょんなことから彼女が私の住む中野に引っ越してきた。徒歩15分の距離。中野の飲み屋を開拓して回った。

その後コロナ禍になる。

私は自宅でのリモートワークになり、彼女は百貨店で働いていたことから営業時間が短くなり早く帰宅する日が増えた。よく中野ブロードウェイの前のベンチで待ち合わせて、おしゃべりした。

「ねえ今から会わない?」
「いいよ」
そんな気軽なやりとりで私たちは会える距離に住んでいた。

飲み屋はほとんど営業していないから、片手には缶ビール。
飲み切ったらコンビニに買いに行って、それを片手に公園で話した。
1時間も2時間も中野の街を散歩した。
その時間が本当に楽しく幸せだった。

ふたりでの夜のお花見

毎日家にいた。起きてパソコンをひらいて夜になって。
毎日が楽しくなくて、人生やキャリアについての相談もした。

悩んでいる日々から彼女が救ってくれた。
成功とかお金持ちとか、そういうのじゃなくて毎日こうやって一緒に缶ビールを飲んで笑っていられるのが幸せだねって。

いま思えば、私の考え方の原点はここにあるのかも。

ダイビングで世界が広がった、感謝しかない

彼女は電話越しに「出会えてよかった」と言った。
でも私の方こそそうだよ!と思った。

私は彼女からダイビングの楽しさとゲストハウスの面白さを教えてもらった。あのきっかけがなかったら、いまの私はないと思う。

だってタイで出会ったときは、私はそこらへんによくいる普通の会社員で。
それがどうして、
フリーランスになって、
沖縄のダイビングショップで働いて、
ワーキングホリデーでオーストラリアに来て、
宮古島にゲストハウスを建てる?

もうすっかり普通の会社員ではなくなった。それが良い悪いはここでは置いておく。
でも、人生が楽しくなったのは事実だ。
彼女は私の人生を面白くするスパイスをくれた人。

多分持ち前の明るさと人の良さで、たくさんの人の人生を彩っていると思う。

彼女に感謝しかない。
旅や人と交流することの楽しさを教えてくれてありがとう。
私に「いまでもこれからも友達」といってくれてありがとう。

大好き。

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