Bリーグのクラブによるクラウドファンディングの乱発について語る
※久々の投稿ですが、それについては最後に少し説明します。
皆さん、特にnoteユーザーならご存知の方も多いと思いますが、クラウドファンディングというシステムが、2020年の今ではしっかり定着していますね。
しかし、このシステムをいわば"悪用"しているケース、特にBリーグのクラブで極めて多くもはや看過できないような実情になってきているので今回のnoteの記事テーマにしました。
①クラウドファンディングの意義・原則
クラウドファンディングの中には複数の種類がありますが、特にBリーグなど日本のスポーツ団体・チームが行う例で多いのが購入型です。
これは支援者に対して企画者(Bリーグのクラブやスポーツチームなど)が金額に応じたお礼(リターン)をするわけですが、特にBリーグのクラブが行うクラウドファンディングに関してはギブ&テイクの関係性が成立・遂行されていないようなケースが非常に多い(これについては次以降の項目で掘り下げます)。
当たり前の話ですが諾成契約(売買など)は当事者間で成立する契約です。例えばコンビニで買い物するにしても、店は商品を提供し客はお金を支払うことによって売買契約が成立する。
この大原則がBリーグのクラブが行う購入型クラウドファンディングでは成立・遂行されていない実情、つまりクラウドファンディングの原則から逸脱・ルールに違反してしまっているのです。
②Bリーグで行われる購入型クラウドファンディングの実情
例えば八王子ビートレインズによる購入型クラウドファンディング。
キャンプファイア上での説明によると今期を乗り切る為の資金が(移動や練習で利用する体育館の使用料などシーズン運用する為の資金が急務で)必要という説明ですが、このクラウドファンディングの募集終了時期が4月26日、つまりシーズンは終了する時期(実際は新型ウイルスにより打ち切り)。
またクラウドファンディングのシステムでは支援者からの寄付で集まったお金を受け取るにも処理等に時間がかかるため、実際にはクラブにお金が入る頃にはシーズンなんかとっくに終わってるのです。
リターンに関しても実質グッズを販売しているだけであって、これでは何の為に購入型クラウドファンディングという仕組みを取っているのか。わざわざクラファンにする意味がない、普通にグッズを売るのと何が違うのかという話です。
またつい先日の話になりますが、香川ファイブアローズに関してもほぼ同様のクラウドファンディングが行われています。
グッズ売るだけ、資金難で困っているのなら素直に寄付を募ればいいでしょ?なんで購入型クラウドファンディングにするの?って話です。
(八王子によるクラウドファンディングは企画そのもの内容・システムに欠陥があり企画として成立していないという話にならないものだった)
③Bリーグのクラブによるクラウドファンディングの功罪とは?
これら上記に挙げたようなBリーグのクラブによる購入型クラウドファンディングが横行することの最大の問題点は、バスケットボールという競技とクラファンそのもの価値を貶めることです。
購入型クラファンの大原則である「出資者に対するリターン」がいわばグッズの投げ売りに終始してしまい、全くの別で活動する支援・出資者を求める企画発案者への風評被害に及ぶということです。
「購入型クラファンって言っても実質寄付・お布施でしょ?」
「またクラウドファンディングやってるじゃん。それって本当に必要なの?」
こんなネガティブなイメージ・風評を定着させる一因としてBリーグのクラブが加担している、極めて悪質であると私は感じます。
④会社の経営危機に対して選手・クラブ従業員へ協力を求める異常性
当たり前の話ですが、労働の対価として会社に勤める社員であったり、Bリーグのクラブの場合は選手が会社(クラブ)から給料・報酬を受け取るというのが原則。
にもかかわらず、雇用主の経営危機(つまり会社の経営をしっかりと運用できてない)が起きた今、会社で働いて労働という対価を費やしている従業員やチームの選手が助け舟を出さなければならないという本末転倒な状況に陥ってるわけです。
これに関してはすごく掘り下げられるテーマで今後別の記事を投稿する予定ですが、特に私が問題として考えるのがチームの選手をいわば"売り物"として商用利用・協力させることです。
バスケに限らずチームスポーツ全般に言えますが、基本的にスポーツ選手は決まった契約期間があるのが大原則で、ましてやバスケ選手なんて頻繁に移籍していくのが実情。
チームを転々とする選手も多いにも関わらず、一定期間だけしか在籍しないようなクラブの為に自分のサインを使ってのグッズ販売等も含めた商用利用させられることは極めて悪質であると私は思います。特に肖像権であったり選手自身の商用利用に関して権利面での問題を考えたことはないのでしょうか?
ましてやプレーしてその見返りで報酬・給料貰って生活するのがプロ選手なのに、なぜコート外でしかも会社・雇用主の尻拭いをしなければならないのか?という話でもあります。
(選手自体が権利を持つサインを商用利用してのリターン。クラブがいわば選手の権利を搾取している形ではないのか?)
まとめ・総評
この問題に関してはまだまだ掘り下げられる話が多いですが、文字数の関係でこのような要点にしてまとめてみました。
特に私が危惧することが、本来ニーズとして必要とされることで成り立っている購入型クラウドファンディングが、Bリーグのクラブによって乱発利用されてしまった結果、様々な風評被害やクラファン自体の価値を貶めるという点です。
何より一人のバスケット好きとして、バスケットボールチームがこのような悪質なクラファンを乱発させてしまったことにより競技そのもののイメージを貶めることにも強く憤りを感じています。
このような悪質な乱発利用を取り締まることも、バスケット好きとしてダメなものははダメだと強く主張し、厳正に対応していかなければバスケットボール競技へのイメージ低下は防げなくなりますし、何より本来支援を必要としている誠実な企画者に対しての悪影響も避けられないのです。
※新型ウイルスの流行による影響や私自身の転職や目まぐるしく環境の変化もあってnoteを一時休止していました。