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自閉症の方とうまくコミュニケーションを取る具体的な方法
★はじめに
こんにちは、OKUです。
今回は、自閉症の方とのコミュニケーションの取り方についてのお話しです。
自閉症の利用者さんと関わる場面には、大勢の中の一人として携わる場面と、1対1であなただけで対応しないといけない場面があると思います。
そして、1対1の場面での接し方は、利用者さんとの信頼関係に直結するし、「この人はわかってくれない」というレッテルを一度貼られてしまうと、その後の関わり方が難しくなっていきます。
ということで、今回は「あなたと自閉症の利用者さんが1対1のコミュニケーションで良好な関係を作る具体的な方法」を、僕の体験談を交えてお伝えします。
過去の記事で、大まかな「自閉症の方との関わり方とコツ」を紹介しましたが、その応用編のようなものになってます。
(過去の記事↓↓)
個人差はあるとはいえ共通して役立つところもあるので、自閉症の方とのコミュニケーションに困っておられる方は、ぜひ、最後まで読んでいただきたいです。
★なぜ、コミュニケーションがうまくいかないのか?
自閉症の方を苦手とする方々には共通点があります。
結論から先に言うと…
「出てくる言葉やしぐさをそのまま受け取っている」からです。
自閉症の方は、壊れた車を運転していると以前お話したように、自分で自分の体を思い通りにコントロールできません。
ということは、当然、行動はもちろんですが、言葉や表情も例外ではありません。
出てくる言葉や表情が、そのままの意味とは限りません。それだけじゃなく、ニュアンスすら全く違うことがも多々あります。
表情は笑っているのに、心の中ではイライラしていたり、泣いているときもあるでしょう。
「好き」と言っているのに嫌がってる場合や、好きだけど今は嫌みたいなニュアンスの時もあります。
僕が携わった利用者さんの中にも、
「好きやなー」が口癖の方がいて、何を聞いてもニコニコして「好きやなー」が返ってくるからてっきり人懐っこい方だと思ってたら、いきなり奇声を発してバスターミナルでゴミ箱を蹴り飛ばしまくったことがありました。
お母さんに聞くと、ただの口癖で反射的に出ているだけだったんです。
逆に、グループホームの夜勤中に、不穏そうな表情で夜遅くまで暴れている方がいました。
最初は機嫌が悪いと思ってたんですが、実は日中に楽しいことがあったりすると、本人の中でその時のワクワクが残ってて高ぶる気持ちのやり場がないから暴れてる、という方もいました。
この表面と実際は違うということを理解していないと、支援がうまくいきません。
例えば、あなたの周りに「空気の読めない人」っていませんか?
「今このタイミングでそれやる?」みたいな人です。
簡単に言うと、自閉症の方と一緒にいるときに、あなたがその空気の読めない人になってしまっているということなんです。
★必須のスキル
では、空気が読めない人にならないために必要なスキルは何か?
それは、「言語外から情報をキャッチする能力」です。
ちょっと抽象的ですが、観察眼に近いです。的確ではないですが。
もちろん基本的なその人のクセとか傾向は共有しておかないといけませんが、どれだけ人から情報を得ても、正直、実際関わってみないとわからない部分が多いし、あの人にはできても自分はうまくいかない、ということが結構あります。
そんな中で良好な関係を築くためのコミュニケーションを確立していくためには、自分で試してみる必要があるんですね。
行動障害が出ることも最初は覚悟していろいろやってみるんです。
結局信頼を得るために必要なことは、「相手がどれだけ自分のことを理解してくれてるか」でこれは健常者も同じですよね。自分のことをわかってくれてるとわかったら、信頼してくれ安心してくれます。
例えば、
「この方はどれくらい物事を理解してるんだろう?」
「どのくらいこちらの言葉を理解しているのだろう?」
って考えた時に僕はよく利用者さんに質問します。
どのくらい文字を理解してるか → (看板や案内板などを指して)「あれ何て書いてますか?」
時間を理解してるかどうか → (駅や公園などで時計見て)「今何時ですか?」
それ以外にも、イエスorノーで答えられる(クローズドクエスチョン)質問や体で反応できる問いかけもします。
「トイレ行きたいですか?」
「暑い/寒いですか?」
「ちょっと後ろ向いてください」
「ちょっとカバン貸してください」
尿意や気温などは割と行動障害の引き金になりやすいし、話せない方にも使えます。
リアクションは言葉よりも、むしろ表情や体で返ってくることの方が多いので、そこを何回も何回もやって読み取るんです。
これが、言語外から情報をキャッチする能力です。
全然大したこと言ってないなって思うかもしれませんが、マジでめっちゃ大事です。
試す癖をつけておくと、自分なりにその人の傾向が見えてくるし、他の方との共通点も見えてきます。
それに自閉症の方は(いい意味でも)とても敏感で、
「この人は自分のことを理解しようとしてくれているんだ」というこちらの姿勢をキャッチしてくれます。
だから、理解したい、歩み寄りたいというメッセージを発信するためにも、いろいろ試したり質問することは有効なんです。
また、そうして情報を積み重ねていくことで、ある程度いろんな人に対応できるようにもなります。
ぜひ支援の参考にしていただけたら嬉しいです。
サクッと書きましたが、今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました^^
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