「重度自閉症者が通院を嫌がる場合の対処法」について
こんにちはこんばんわ、OKUです。
今回は「重度自閉症者が通院を嫌がる場合の対処法」について、実際にいただいた質問と合わせて、簡単にお話しようと思います。
基本的に病院へ行くことは、自閉症者に限らず嫌なことです。その上で、彼らは嫌と感じてしまった時点で、その感情を理性でコントロールすることができないので、体が言うことを聞かずに暴れてしまうことが多々あります。
ただ、これは0か100かという話ではなくて、部分的には自分で折り合いをつけられたり、自分の意志で拒絶できることもあります。また、体調とか季節によって変わったりもしますよね。
で、通院で暴れたり拒否する場合は、➀具体的に何が嫌なのか、➁どういう理由でそれが嫌なのか、ここを明確にすること。
次に、嫌なのかはわかったけど、➂それがイコール暴れる理由なのか
を確かめないといけません。
どういうことかというと、暴れる時というのは、そうせざるを得ない場合だけではなくて、気を許せる相手が横にいてくれてるから、気ままに振る舞えるというのも一理あります。だから、わざとお母さんがいるときだけ暴れる方もいます。
その場合は、嫌がることだけが暴れる原因ではなく、お母さんが横にいることがむしろ誘発している原因になります。なので、何度か同行する相手を変えてみるのは一つの手です。
もしも、「私しか付き添う人がいない」という方は、それ自体が一つの問題だと認識しておいた方が良いです。私が付き添えなくなったらどうなるの?と思ってらあしゃるなら、それも同時に優先して解決すべき問題です。
さて、ようやく本題なんですが、どうやって大人しく通院させるか、具体的にひとつ質問を取り上げます。
「17歳になる自閉症(重度知的)の息子がいて、未熟児で生まれてすぐに病気を抱え、年に3~4回、通算約60回入退院を繰り返していて、今後も一生続きます。その度に点滴を打たないといけないけど、本人が嫌がって引き抜こうとする(ので、お母さんといつもバトルになる)のを何とかしたいです。「点滴は良くなる為に大事だから引っ張らないでね。我慢してね」がきかない息子にどう対応したら良いか困っています。」
要は、大人しく入院して点滴できるようになって欲しいと。
この場合、説得したり理解させようとするうちは改善は難しいと個人的には思います。
なので、点滴をすることで得られるメリットをわかりやすくすることが大切になります。それは、体調がよくなるとかではなくて、もっと物理的なメリットです。
わかりやすい例だと、退院する日に好きな場所に連れて行ってあげる…好きなゲームソフトを買ってあげる…もっとシンプルに、病院を出たら、毎回抱きしめてあげる。何が本人にはまるかは試行錯誤しかないです。
「具合が悪くなると病院へ行き、点滴、入院、嘔吐がなくなり、食事が食べられる様になったら退院」という流れを本人が把握しているとのことなので、退院のあとに楽しみや嬉しいことを流れに組み込むことで、全体として「入院、点滴=嫌なこと」という認識を自分の意志で変えてほしい。もちろん、焦らず本人のリズムでいいですからね。
大事なのはあくまで考え方で、“自分から大人しく点滴を打つ”というところを目指すことです。あとは、お母さんが横に居なかったら大人しいかもしれないとも少し思うので、医師に意図を伝えて、付き添いを止めるか、時間を減らすか試してみたいですね。
全体として、本人へではなく、環境へアプローチして本人の反応を見る。これが大事かなと。
よかったら参考にしてください。
ありがとうございました。