R-18 6秒クッキング
長田が目を覚ましたのは、薄暗い部屋だった。いやらしい赤色の間接照明のほかに明かりはなく、場末の風俗店のような湿気があった。雄の臭いが染みついた陰鬱な部屋で、長田はベッドに大の字に縛り付けられていた。しかも、一糸纏わぬ、生まれたままの姿で。
状況が飲み込めず、長田は軽いパニックに陥り、大声を上げたが、声は沈黙に飲み込まれた。芋虫のように体を捩じらせ、手首、足首に結び付けられた麻縄を解こうとするが、緩まる気配はない。それどころか、かえって麻縄が食い込む始末。痛みに耐えかね、長田は無意味な抵抗を止めた。
ぎい、と扉の開く音がした。
「ああ、もう目が覚めたんだ」
そこには、新婚の奥様よろしく、裸にエプロンを着けたキッチンジローが薄ら笑いで立っていた。股間も、既に屹立しているようだ。エプロンに小高い丘が出来上がっている。
困惑する長田の額を、キッチンジローは優しく撫でた。
「今日の6秒クッキングは、男体盛りだよ。材料は、お前と、マヨネーズだけ」
キッチンジローはおもむろに長田の胸にマヨネーズをぶっかける。隆起した長田の逞しい胸筋が、白い半液体に汚される。
「6秒もいらなかったな」
そう言ってキッチンジローは笑った。
そして次の瞬間には長田のマヨネーズ付き乳首にむしゃぶりついていた。
「……ック!」
思わず声が漏れ出た長田の反応を楽しむかのように、キッチンジローは淫らに舌を這いずり回らせる。
「うん、うまい。……ケチャップも合うかも」
最早好き放題といった有様だ。キッチンジローはそれから、様々な調味料を長田にぶっかけては、長田を味わい尽くした。長田は何かを諦めたかのように、目を瞑り、体を脱力させている。
どれくらいの時間が経ったか、長田の全身がキッチンジローの脂ぎった唾液で塗り固められた頃、キッチンジローがぽそりと呟いた。
「お前はさ、いろんな料理を作ってきたけど」
キッチンジローが潤んだ瞳を長田に向ける。
「本当はさ、お前を食べたかったんだ。どんなに立派な料理より、お前を食べたかった。お前が、欲しかった。俺の食欲はずっと、お前だけに向いていた」
長田は目を開かない。もう、何も見たくなかった。
「それで、それでさ。お前も、俺を食べてくれよ。それで、俺たちの6秒クッキングは完成だ」
ブチュチュ。マヨネーズを絞る音が聞こえる。
「本当に簡単なことだったんだ。俺たちに、6秒も必要なかったんだ」
そして、キッチンジローは自らの股間をゆっくりと長田の口へ近づけていく。
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