死んだふりをしてたら、死にかけた話
思い出すだけでもゾッとします。
あれは結構最近のこと……
私は仕事が休みでした。嫁は朝から仕事です。
本を読んだり、コンビに行ったり、エックスビデオ見たり、散歩したり、筋トレしたり、鼻毛抜いたりして、充実した一人の時間を楽しんでいました。
そんな時間もつかの間……
あっという間に午後6時半になりました。
「あっ、やべ、嫁帰ってくる!」
私はいそいそと食事の準備を始めました。
でもなぜだろう?
どうしても嫁にドッキリを仕掛けたかったのです。あんなにもドッキリを仕掛けたいと思ったことは今まで1度もありませんでした。
その欲望を抑えきれず、実行することにしました。
自称、高いIQと偏差値、頭のキレと柔軟さを誇る私は、考えに考え抜きました。
そして、
「よし、死んだふりしよ」
という結論に至ったのです。
「よし、台所で死んどこ」
ということで、倒れました。
そして、しばらくすると、ピンポーン、ガチャガチャと音が聞こえてきました。
帰ってきたのです、小力……じゃなくて嫁が……
「ただいま~帰ったよ~…………おーい!」
ガチャ……
ついに台所に入ってきました。
私は目を閉じて死んだふりです。
「タロの助……?」
ふふ、焦ってる焦ってる……!
「タロの助っ!!タロの助っっ!!!」
ふふ、びびってるぞ~
「タロの助…………」
その言葉を最後に嫁の声が聞こえなくなりました。
不審に思う私……しかし、まだ目を開けてネタバレするわけにはいかない!もう少し待つことに。
「ふふ、泣いてるのかなぁ……んっ!?
くっさああああぁぁぁ!!!!鼻がああぁぁぁぁ!!!!!」
私は慌てて目を開けました!!
するとそこには、
私の鼻2センチのところに靴下を脱いだ嫁の足の裏がっ!!!
「やめてぇぇぇ!!」
私は叫び、飛び起きました。
すると嫁から
「死んでるなら臭くないだろ!?ほらほらぁ!!」
短い足を伸ばし、まだ私の鼻に押し当てようとしてきます。
「いやぁぁぁ!!くさあぁぁいっ!!やめてえぇぇぇ!!!!」
私の悲鳴がこだまします……
こいつ、俺の生死を自分の足の臭い嗅がせて判別するのか………
長生きすることを決意し、もう嫁にドッキリはしかけないと誓いました……
終わり