聖なる夜に、ちんこ……
みなさん、メリークリスマス…
今でもクリスマスになると思い出す…
男だけで過ごすはめになった、悲しい悲しいあの夜を……
あれは俺がリハビリの学校に通っていた頃…
最終学年で、長期実習も無事に終わり、国家試験に向けて頑張っている最中だった…
俺は色々な諸事情で当時付き合っていた彼女と別れていた。
それに国家試験も近い。
浮わついている暇はない。クリスマスであろうと俺は勉強をする。っていうか、彼女もいないしするしかなかった。
しかし、みんな国家試験に向けて頑張っていたものの、クリスマスであるこの日だけは勉強をそそくさと切り上げて、性なる夜へと旅立っていってしまった。裏切られたのだ。
裏切りを受けて、俺とゴリ男とぐっちんの3人だけ教室にポツンと残ってしまった……
悔しい……
俺たち3人は悔しくて悔しくて泣いた。
みんなで国家試験に合格したくて、誰一人として落ちることなく合格したくて、必死に一致団結して頑張っていたはずなのに、そんなことも忘れて、性なる夜に旅立ってしまったことが悔しかったのだ。
嘘です。俺たちはセックスできないのに、他のやつらは今日の夜、恋人といちゃいちゃしながらセックスすると思うと、すっっっっっごいムカついてきて、悔しくて泣いたのだ。
ということで、悔しくてムカついて、勉強も手につかなくなったので、とりあえず俺たち3人で温泉に行くことにした。
後輩たちから、まるで恋人がいるから今日は勉強切り上げてそそくさと帰ってるんだ、と思われるような雰囲気だけは出して、3人でそそくさと車に乗り合わせて近くの温泉へと旅立った。
車にのってる途中で一人の友達から電話が来た。
「あっ、タロの助!?大分ってどっかラブホある??」
ガチャ。
とりあえず電話を切った。
大分のラブホなんて知らねぇーよ!
なんで俺が大分のラブホ知ってんだよ。
ていうか、あいつなんで大分いんだよ!
とか色々思いつつ、温泉についた。
ゴリ男が言う。
「まあ、男だけのクリスマスもいいじゃねーか!」
このやろう、こいつはいつも彼女いねぇから、ひとごとだと思いやがって……
気を取り直して温泉へ。
脱衣所で服を脱ぐ。
ぐっちんは紳士なので、きちんとちんこを隠しながら、タオルを巻いた。
俺も紳士なので、短刀エクスカリバーを隠した(鞘に収めた)。
ゴリ男「温泉はいいなぁ!!!!」
体中に毛が生えまくっている。
ちんこも丸出しだ。
なぜ俺はクリスマスなのに、ゴリラのちんこをみらないかんのだ……
俺とぐっちんは露天風呂へと向かった。
日が短いから、外はもう暗い。
外が寒い分、温泉からの湯煙がいつもより多く見える。
湯に浸かった……
温かい……
湯が体を優しく包み込む……
湯煙が立ち込める中、空を見上げると、星と月が優しく煌めいている……
月や星たちが俺を応援してくれているような気がした。
月や星たちが俺を優しく見守ってくれている気がした。
よし、頑張るか………
俺「なぁ、ぐっちん、こーゆークリスマスも素敵だな。」
ぐっちん「そーだね。気持ちがいいね。」
「最高だな!!!」
サウナに行っていたはずの、ゴリ男の声が聞こえた。
俺は声の方に顔を向け
俺「ああ、さいこ……」
俺の目の前には、ゴリオのちんこがいた。
やっぱりクリスマスはいかなる手を使ってでもレディーと過ごす、そう誓った22歳の夜だった……