大縄跳びで、縄をシャーーンって上に持ち上げたら泣いちゃった話。

思い出すだけでも、鳥肌が立ちます。
縄とは、あれほどまでに、人を辱しめ、痛めつけるものとは………

あれは、ある晴れた日のこと。

大縄大会に向けて、クラス一団となって休み時間に練習をしていた。

俺は合唱コンクールは嫌いだが、大縄跳びは好きだ。優勝を狙っていた。

みんな汗水流して必死に頑張る中、一人の男が全然練習しない。

平田だ。

「俺、本番につえーから。問題ネェーよ。」

このやろう………
俺はムカついていた。

俺は縄を回す係りだ。

この馬鹿のせいですぐに引っ掛かって大会が終わっちまったらどーするんだ!

怒りに身が震えた。

そして、俺はついに切れた。

「おい、平田。跳べ。お前が20回でもちゃんと跳ぶことができれば、練習しないことを許してやる。しかし、もしも途中で引っ掛かったならば、キンタマはないものと思え。」

平田は怪訝そうであったが、この挑戦に乗ってきた。

「よゆーだし。練習なんていらねぇーよ」

全くもって不快なやつだ。

俺と相方は目を合わせ、頷いた。
そして大きく縄を回し始めた。

平田は
ふんっ、ふんっ、と言いながら縄を跳び始めた。

そして、俺と相方は少しずつ縄の位置を高くしていった。

「おっ、おい!!ふんっ、ふざけんなよ!!ずりーよ!ふんっ、ふんっ」

そして、縄の回転速度をミキサーばりに速くした。

「うわっ、ちょ、あぶっ、ちょ!!」

ついに縄が平田の足に引っ掛かった!

平田は
「ずりーぞ!おまえら!!」
と怒鳴り、縄を跨いだ。

今だっ!!!

俺と相方は天高く、縄を上方へと持ち上げた。

「ひやゃゃぁぁぁーー!!!」

平田のキンタマに縄が食い込む。

俺と相方はさらに天高く縄を持ち上げた。

「あぎやゃゃあああああ!!!」

平田の悲鳴が鳴り響く。

それでも俺と相方は許さなかった。

さらに縄を天へと持ち上げた。

「ひいぃぃぃぃぃーー!!!!」

平田は泣きはじめた。

俺は
「これに懲りたら真面目に練習するんだな」
と初めてカッコいいセリフを言ってみたが、屁が出て台無しだった。

終わり

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