無料公開します。「中二病のダークキング山田」※以前有料で購入してくださった方々、ごめんなさい。
遠い昔、有料で販売していましたが、もういくせんの月日が流れたので、無料で公開します。購入して頂いた方々には申し訳ないです(。>д<)
地球の平和のためだと思って許してください。
ではどうぞ!!
「中二病のダークキング山田」
忘れもしません。
あれは俺が中学生のとき……
山田という漢がいた。
コイツは、遊戯王のキャラクター、闇の遊戯に憧れていて、もう一人の別人格があるという設定になっていた。良く分からんけど、別世界で色々してるらしかった。
山田はよく、ことあるごとに「俺の記憶にはない。」と言っていた。政治家の素質がありそうなやつだった。
そんな山田が数学の授業中に先生にあてられ、黒板に解答することとなった。
いつも人を見下して、大人びたカッコつけたことを言っている。
しかし、山田は頭が悪い。もちろん解けない。
すると急に
「あああぁぁ、がっっあああっ、うあああああ!!」
と叫びだした。
先生びっくり、みんなもびっくり。
山田は頭を抱えてうずくまった。
突然のことで、みんなあっけにとられた。クラスが静まりかえった。
しかし、しばらくすると山田は立ち上がり
「なんだここは?イフリート!フェニックス!速く俺を闇の世界、ダークウィリアムに転送しないかっ!?」
とか叫び始めた。
良く分からんけど、まぶたが二重の山田が、このときは一重になっていた。でも瞬きするとちょこちょこ二重にもどるので、なんども目をいじって一重にしていた。
クラスが変な空気になっている。
しかし、そこは先生、やっぱり大人。
「山田くん、ダークウィリアムに行く前に、この問題を解いて下さい」
容赦ない一言。
周囲からクスクスと笑い声が聞こえ始めた。
しかし、山田もめげない。
「イフリート!!!フェニックス!!!速く来い!!間違って異世界に転送してるじゃねーか!!バカヤロウ!!」
とか言い出した。イフリートとフェニックスは来る気配がなかった。
すると先生が
「いい加減にしなさいっ!!!いつもいつも嫌なことから逃げるなっ!!!解けっ!!!」
と怒鳴った。
クラスが静まりかえる。
山田もいつもの二重に戻った。
いつもは優しい先生が急に切れたから山田はびっくりして半泣き状態になってしまった。
でもめげずに
「………聞こえるか?イフリート、フェニッ」
「イフリートもフェニックスも来ないっ!!!!速く解けっ!!!」
山田はビクッとなりながらも、
半泣きで
「シクシク、わっ、我は、シクシク闇の王、だっ、ダークキング…シクシク」
「ダークキング!!!速く解けっ!!!!」
先生がまたも怒鳴った。
山田はまたも、びくっとなりながら、
「シクシク我に……そっ、そのようなシクシク下等な…問題をシクシク解かすとはシクシク」
「下等な問題なら速く解けっ!!!ダークウィリアム!!!!」
それは闇の世界の名前だろ?とクラス中が思っている中、山田は
「はい……シクシク…………バルス」と返事をした。
山田はしれーっとラピュタの滅びの呪文を唱えた。
それ以降、山田はダークウィリアムに行くこともなくなったようで、ダークキングの名前も捨てたようだった。
でも俺はそんな彼が好きだ。ダークキングの名前を捨てた、ただの山田は、誰にでも優しい漢になったから。
終わり
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