言語探偵T 第2話
特定問題 (中編)
the は確かに特定できるものを表す。
でも、目の前にいるからといってtheは使えない。
2.特定の中身が不明な theの謎
「タイタン問題」を解くカギは、theの「特定」の中身にある。
それは、聞き手も「すでに知っている」ものを表すということである。
目の前にいるものを指すならthatやthisなどの指示詞を使えばいい。
指示詞ではなくtheを使うなら、聞き手もすでに知っている「あいつ」になる。
実際、『進撃の巨人』の英訳でも、一度出てきた巨人に対してはthe titanが使われている。
しかし、話はここで終わらない。
それが「the sun問題」である。
太陽(sun)や月(moon)などは「世の中にたった1つしかないためtheがつく」という説明がなされる。
しかし、sunやmoonにもaがつくことはある。
(『逆転の英文法』 伊藤笏康 著より)
つまり、「世の中にたった1つしかないものにtheがつく」という説明は成り立たないのである。
the sunの the は何を表しているのだろうか?