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#47 対面ミーティングの方が、進んでいる感はなぜあるのか
最近、学生と面談をする中でこんな話が出た。
「対面で話している方が、活動が進んでいる感があります」
今の学生は本当に忙しい。授業、バイト、インターン、サークル、友達との予定…。そんな中で全員の予定を合わせて対面ミーティングをやるのは難しくなっている。一方で、オンラインには慣れている世代でもあり、わざわざ対面で集まらなくてもいいのでは?とも思う。でも、なぜか対面の方が「進んでいる感」があるらしい。
これはいったいなぜなのか?
「進んでいる感」とは?
そもそも「進んでいる感」とは何だろう?
僕が感じるのは、
✅ 企画を人に説明してフィードバックをもらう
✅ 必要なものを買う、予約をする
✅ タスクが消えていく
✅ 会話の中で新しいアイデアが生まれる
など、「目に見える変化」が起きたとき。
オンラインと対面の違いは何か?
オンラインでも会話はできるし、Googleドキュメントを使えばリアルタイムでタスクも進められる。それなのに、なぜ対面の方が「進んでいる感」を得やすいのか?
ノンバーバルな情報が多い
対面では、表情や仕草で「伝わった感じ」がすぐにわかる。うなずきや相槌があると、ちゃんと共有できている気がする。オンラインではこれが薄れ、リアクションが遅れると「ちゃんと伝わってるのかな?」という不安が生まれやすい。その場の勢いで決まることがある
対面での会話はテンポがあり、流れで「じゃあ、これやろう!」と決まりやすい。オンラインでは、どうしても誰かが発言し終わるまで待つため、スピード感が落ちがち。五感が使える
オンラインは基本、視覚と聴覚だけ。対面では空気感や雰囲気を感じながら会話が進むので、情報量が増えて「進んでる感」を感じやすい。「移動」が気持ちを切り替える
オンラインだと、PCを開いたらすぐに会議。でも対面では、移動したり、カフェに集まったりと「場を変える行為」がある。それによって「今からちゃんと話すぞ!」というスイッチが入りやすい。
理論的な背景は?
心理学では、対面とオンラインの違いを説明する要素として以下のようなものがある。
🔹 メラビアンの法則
「コミュニケーションの93%は非言語情報による」という説。表情や態度、声のトーンなど、対面の方が圧倒的に情報量が多くなるため、安心感や納得感が生まれやすい。
🔹 ザイオンス効果(単純接触効果)
人は何度も会うことで相手に対する信頼感を持つようになる。オンラインでは回数が少なくなりがちなので、対面の方が「この人としっかり話せた」と感じやすい。
🔹 身体性認知
人間の思考は、単なる脳内処理だけでなく、体を動かすことによっても活性化するという考え方。移動やジェスチャーを使うことで、思考が整理されやすくなる。
オンラインはダメなのか?
もちろん、オンラインにもメリットはある。スケジュールを合わせやすく、記録もしやすい。では、どうすれば「進んでる感」をオンラインでも得られるか?
💡 カメラONにする
表情やリアクションを見せることで、伝わった感が増す。
💡 決定事項をその場で記録する
「今決まった!」というのを、共有ドキュメントにまとめながら話すと、進んでいる感が出やすい。
💡 雑談を挟む
オンラインだと話題がタスク中心になりがち。オフラインと同じように、ちょっとした雑談を入れることで雰囲気を作る。
結論:「進んでる感」は対面が強いけど、オンラインでも工夫次第
「対面で話した方が進んでいる気がする」というのは、心理的に自然なこと。でも、オンラインでも工夫すれば、進んでる感を得ることはできる。
結局のところ、対面でもオンラインでも大事なのは「ちゃんと話せた」「何かが動いた」という実感を持てること。そのためには、話し方や会話の進め方を少し工夫してみるといいかもしれない。
皆さんは「進んでる感」、いつ感じますか?