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百字劇場は続きます。
というわけで、続きが出ました。
百字劇場の既刊三冊に続けて二冊。合わせてこれで五冊です。
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ちょっと刷り数は減りました。つまりぎりぎりです。よく出せたもんです。
まあぎりぎりでも五冊、百字小説を千篇並べられたのだから、なかなかのもんだ。自分ではそう思います。でもまあせっかくここまで来れたんだから、もっと先まで行きたい、とも思います。これがある程度売れたらなんとか続けられます。よろしくお願いします。
![](https://assets.st-note.com/img/1723703077706-XHu1jAaGwA.jpg?width=1200)
こういう百字小説みたいな形式は、もちろんこれまでにもあったんですが、こんなふうに長く連ねて並べていくことで個々の百字の後ろにある何か大きなものが見えてくる、というのはたぶんこれまでなかったんじゃないかと思ってます。
だからこれには、名前はまだない、です。それがどんなものを見せてくれるのか、私にまだわかってなくて、そのことにどきどきします。だからなんとしても続けたいし、先へ行きたい。
どこの書店にも並ぶ本ではありません。いわゆる大手出版社ではない。インディーズです。インディーズだからこそできたことです。
実際、早川書房ではできませんでした。
私は早川で二年ほど保留にされて腐っていて、そんなボヤキをツイッターに書いたら、浅生鴨氏が「うちからなら出せるかもしれません。弱小出版社なので少部数ですが。」とDMをくれて、そしてお世話になることにしたのでした。あのまま放置されていたら、私はたぶん腐ったままで、そして【ほぼ百字小説】も腐って終わっていたでしょう。浅生さんとネコノス出版さんには感謝しかありません。
具体的な部数を書いておくと、これまでの三冊はそれぞれ、3000部。
今回の二冊は2000部、です。
このくらいの部数で続けられる体制を作る、というのが、小説の生き残れる唯一の道なのではないかと私は思ってます。まあインディーズですから、全国の書店に並べる、というようなこともできなくて、この部数だって売るのはなかなか大変です。実際、今回3000部から2000部に減っています。
でも言い換えれば、このくらいの読者に確実に届けられることができれば、続けられるのではないかと私は思ってます。もちろん、ここからさらに売れるようになればもっといい。でもそれは、宝くじにあたるようなもの、と考えるべきでしょう。
そのくらいの部数しか見込めない小説は、大手の出版社ではそもそも会議を通りません。昔は通ったりもしたのですが、もう今は通りません。「売れそうにないもの」と判断されるからです。だから会議を通過できるのはますます、「売れそうなもの」ばかりになります。でも当たり前ですが、「売れそうなもの」が売れるとは限らない。むしろ売れないことの方が多い。それでさらに会議を通す条件は厳しくなります。もうそこには、ヘンテコなもの、なんだかよくわからないもの、が入り込む隙間がないのです。
でも、こういう2000部くらいのものが読者にきちんと届く、という状況が出来上がれば、いわゆる「売れ筋ではない」いろんな小説を出し続けることができるようになるし、オマケとしてそこからヒットだって生まれるかもしれない。生まれなくても続けられるんだから、あくまでもオマケとして、です。でもそういうこともある。そうなれば、大手のやりかただって変わってくるかもしれないし。もちろんそれもオマケ。
大量に刷って短期間で大量に売る、という大手出版社のやりかたと、インディーズからこういう2000部くらいのも継続して出して行ける、というのが両立してやっと小説というものは生き残れるんじゃないかと思ってます。
ということで、長々と書きましたが、ようするに私が言いたいことは、
なかなか見つけにくい、買いにくい本ですが、買ってください、
です。 よろしくお願いします。
北野勇作