台、片付けて
とある日の体育館。
バレーの気持ちいいスパイクの音や、いくつものバスケットボールが床に何度も叩きつけられる音が響いている。
卓球部は一足先に片付けている最中。
1台の卓球台が片付けられていない状態でいた。
「『台、片付けて』って、言ってくれん?」
気付いた僕。
「…ん?」
騒がしい体育館の中、聞こえていない様子の同期。
指を指して、「伝えて!」ジェスチャーをしながら、「『台、片付けてー!』って」
と、僕。
不思議な顔をした同期は、卓球部に向かって叫んだ。
「誰か助けてー!!!」
2022.5