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旅をしながらいつだって | フィジー日記

トゥイと別れを告げて、ナバラ村からナンディへ戻る。今日はコロトゴという場所に行く。上がったり、下がったり、昨日も通ったでこぼこの道を行く。たった一晩居ただけなのに、1日も満たない時間を過ごしただけなのに、トゥイを、ナバラ村を恋しく思ってしまう。またきっと来られたらいいな。

ナンディからコロトゴまでは、ナンディ空港から出ているバスでシンガトカまで行き、そこからタクシーで15分ほど。ナバラ村からナンディまで2時間、ナンディからコロトゴまでさらに2時間、計4時間ほどの移動。もちろんバスが何時に来るか、どこに来るか分かっておらず、空港にて聞き込み調査。無事に停車場を見つけ、待つこと40分ほど。コロトゴまでは1人あたり7FJD。タクシーで行くと150FJDほどなのでかなりの節約。グッジョブ。

残り二日間は特にプランはなく、とにかくゆったりと時間を過ごしたかった。海の目の前にあるホテルに着くと、フレンドリーなスタッフが迎えてくれた。長時間の移動で疲れていたので今日はのんびりすることに。夕食はホテルのレストランで。

ハッピーアワー

翌朝、朝食を取っていると女性のスタッフが話しかけてくれた。「私はビニ。あなたは?」と。優しい笑顔で話しかけてくれた。心をオープンにしてくれていることがすぐに分かったから、わたしたちも安心して話が出来た。おもてなしの心。主客対等について考える。フィジーに来て、この主客対等という価値観についてたくさん学びがあった。ホテルのスタッフ、宿のオーナーであるトゥイ、ホームステイ先のホスト、タクシードライバー、スーパーの兄ちゃん。店の人と客人ではなく、人と人として接してくれた。出会った人々みんなが心から自分たちの提供するモノ・サービスを愛していて、誇らしそうで、大切にしていて、すごく気持ちが良かった。それぞれに心地よくお金を払うことができた。わたしが考えていたものより、もっともっとシンプルなのかもしれないと思った。

ビニに教えてもらったハンドクラフトのお店でいくつかお土産を。お土産を買うときにはココでしか買えないものをというのが大切なマイルール。最近は東京にいればどこの地域のものも手に入ってしまう。それは嬉しいことで、そして寂しいこと。

海辺で本を読んだり、少し潜って魚を見たりしたあと、コーヒーを求めてカフェへ。自家焙煎のカフェがぽつりと。焙煎している様子をじっと見ていると、おじさんが中を見てどうぞ、と手招きしてくれた。壁一面にはこれまでの焙煎記録が貼られていた。積み上げてきたものがある人の言葉の説得力と、存在感。圧倒された。コーヒーは本当に美味しくて、さらに魅了された。小さなお店だったけれど、きっと多くの人をハッピーにしてきたのだな、していくのだろう。細く、長く、のすばらしさを感じた。

貼ってあるのは焙煎の記録

夕食にはインド料理とフィジー料理を。フィジーにはインドからの移民が多く、インド料理も主要な食文化である。カレー、ナン、サモサを。それから、キャッサバのチップスを。フィジーでの料理はどれも美味しかった。中でも、キャッサバに魅了された。タピオカの原料である。日本ではほとんど栽培されていないから、キャッサバそのものを食べることはあまりない。わたしはタピオカはあまり好きではないが、キャッサバは甘くて、もちもちで美味しかった。マクドナルドのポテトをキャッサバで作ってほしいと心から願っている。

キャッサバのフライ

心地よい風に吹かれて最後の夜もまた、思い出になった。全ての瞬間が、心に深く残る、そんな時間をこの1週間毎日過ごした。

夫と1週間ずっと一緒にいるのはもしかしたら初めてかもしれなかった。わたしたちは今、東京から少し離れた場所に暮らしていて、わたしは毎日の東京への通勤が難しく在宅勤務とオフィス勤務を組み合わせながら働いている。週に1度は東京へ出社し、2、3日東京にいる。土日休みではない夫とは休みも合わないので、まるっと1週間朝から晩まで一緒にいるのはお付き合いが始まってから、結婚しても尚、初めての経験だ。

1日目の島にて

ひとつの旅が終わろうとするとき、わたしは家の中を思い出していた。畳の匂い、ソファの心地よさ、家のベッドの寝心地、すこし不便な脱衣所のないお風呂のこと。家の雑草はきっとたっぷり伸びているだろう。旅をしながらいつだって、帰る場所を探している。

3年半ぶりの海外旅行は旅に対してのわくわくを、文化のすばらしさを、そして日本の良さも、家の心地よさも、誰かと旅する安心感も、自分の価値観も、生き方も、本当に沢山のことを再確認、再発見、新発見する時間になった。さ、明日からまた、人々の旅のために仕事も頑張ろう。

結局荷物は預け荷物なしで7kgにおさめた

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