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界アンジン | 知らない土地に出会う船旅
前回の滞在記のつづきです。
目が覚めると、さっきまで青かった空が少しだけ紫がかって、雲の流れが緩やかになっていた。車通りも減ったかな。あぁそうか、旅行に来ていたんだと思い出し、一気に目が覚める。自分が今どこにいるのか分からなくなる、この感覚になるときは深い深い眠りに落ちていた証拠。よく眠れたと思ったけれど、15分くらいしか経っていなかった。お腹が空いた。隣で気持ち良さそうに寝息を立てている夫を起こし、ダイニングへ。どうやら、別部屋の友だちも寝ていたみたい。幸せな夕方だね。
夕食は三浦按針の故郷である英国と和の融合。会席料理の中に、どこか洋風な雰囲気が漂っていてとてもセンスがあって、楽しかった。特に宝楽盛の器がハイティーツリーをイメージした器になっていて、とても素敵だった。異色なのに、その器と盛られている会席料理がきちんとお似合いで、目でも、舌でも美味しかった。
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それからダイニング会場のデザインに何よりも心惹かれた。よく見るとそれぞれの卓の仕切りに工夫が。本や布、針金など様々なものでデザインされていて、素敵だった。わたしは本が敷き詰められたパーテーションがいちばん気に入った。
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お腹いっぱいになったところで、界といえばのお楽しみ「ご当地楽」へ。界アンジンでは三浦按針についてをショートムービーで学ぶことができる。スタッフの掛け合いもテンポが良く、その世界に入り込む。あぁ、私たちはいつだって歴史の上に生きている。今がいつか、過去になったとき、この時代はなんと語られるのだろう。ずたずたに悪く言われてもいいから、いい時代がやってくるといい。人々が生きやすい世界が待っていますように。
それから日をまたぐまで4人でおしゃべりしたり、持参したボードゲームしたり、旅行ならではの夜更かしを楽しんだ。
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翌朝はもちろん早起きをして「海辺の体操」に参加。深呼吸とストレッチを海風に吹かれながら行う。いつもその気持ち良さに気づき、旅行から帰っても毎朝やろう、なんて思うのだけれど…日常の朝は忙しい!とほほ。
目覚めた身体のまま朝風呂へ。朝風呂って、本当に最高の贅沢。好きな言葉のひとつ。するするほぐれていく心と身体。時々こうして身体を労ってあげること、大事なことだと噛みしめる。
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そして、朝食。印象的だったのは、スコッチブロス。スコットランド発祥のスープである。肉や野菜、押し麦などを煮込んだとてもシンプルな、そして味わい深いスープ。夕食同様、和と洋があまりにも心地よくマッチしていた。美味しかったなあ。スコッチブロスはパンに合いそうだなあと思ったけれど、白米がしっかり進んだ。4人でおひつの中のお米を一粒残さず平らげた。
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チェックアウトまでのんびりの時間。ライブラリーラウンジの紅茶は全部のパターンの組み合わせを飲んでみたかったが、さすがに飲み切れなかった。やっぱりべにふうきと温州みかんが一番心がホッとした。レモンバーベナも好きだな。お土産にオレンジティーの茶葉を買った。
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率直なところ。伊東という街に対してあまりイメージがなかった。でも、来てみて気づいたたくさんの魅力。豊かな土地が広がっていて、知らない世界がそこにはあった。海の暮らしはきっと難しいことがたくさんあったから、まだまだここには先人たちが残した豊かな秘密がたくさんあるのだろうと思った。旅をするたびに、知らない土地が増えていく。次はもっと長く居たいな、と思いながらゆらゆら車の後部座席で眠りに落ちて帰るのでした。
▼伊東・熱海の星野リゾートの施設(周遊旅したい!)
界熱海は改修中…!👇
ちょっと足を延ばせば…
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