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#1 気まぐれ日記 | ビルの明かりを星空と間違える

10月11日(水)

実家に帰ると、いつだったか両親がわたしの家に泊まりに来た日の朝に作ったわたしの炒り卵が美味しかったんだ、と父が言った。特別なレシピでもなんでもない。ママがやっていたように、ふわふわになるようにマヨネーズを少し入れて、味の素を入れて、ちょっとの塩と、こしょうと、醤油を入れて、混ぜて焼いただけ。誰の心にも残るのはなんでもない日の料理なのかもしれないな。
わたしはいつもママの真似をしているだけだよ。まだまだおままごと。でもまた、作ってあげたいな。わたしもっと、凝った料理できるんだから!

縁側からちらり

10月12日(木)

オフィスを出て東京駅へ向かっていた。八重洲の開発で工事だらけ。工事で道幅が狭くなった細い道を歩いていた。前にはスーツケースをひいた中年の女性がふたり。旅行に来たのだろうか。

ふと、ひとりの女性が立ち止まり、空を見上げ、友人らしき女性にこう言った。「ねえ、見て。わたし、星空かと思ったら、ビルの窓の明かりだわ。ビルってあんなに高いのねぇ。」ふたりが立ち止まったせいで、道が通れず、わたしもつられて空を見上げた。確かにビルの明かりは、空のなかにあって、これが星々だったらどんなにいいだろうなあと思った。そうして、実際にはあまりにも空がせまくて驚いた。狭い狭い空の中で、ゆらゆら光るビルから漏れた明かり。あの奥ではきっと、誰かがパソコンのあかりを見つめている。見つめる瞳が、負けないくらい輝いているといいなと思った。

10月14日(土)

気づかないうちに、決断をしていて。気づかないうちに人生は自分の頭のなかでいつか思い描いたように、なっている。そうしたい、と思えば、わたしたちにはなんだって叶えられる無限の力があると思うのです。願ったように、人生を変えてゆける力がわたしたち人間にはある。どうにもできないことももちろんあるけれど、そういうことさえも少しだけ視点を変えれば、きっと糧にできる。時は確実に、前に進んでいる。寒い夜に夫と蕎麦を食べにいって、あったかくて、美味しくて。幸せな夜だなと思いました。

10月15日(日)

今日は大好きな親友の結婚式でした。
あの子らしい、時間、空間でした。いつの間にか、みんながあなたの周りに集まると笑顔になって、あったかくなって、小さなモヤモヤが吹き飛ぶ。結婚をしてより一層、素敵になった彼女の笑顔がたくさん見られて、本当に嬉しかった。彼女のキュートなママが「高校生の頃、学校から帰ってくるなり『一生のともだちが出来た!』って言ってね。本当になったね。」と言ってくれた。わたしには一生を寄り添う親友がいる。それだけでこれから先、もう心が死ぬことはない。いつもありがとう、これからもよろしくね。

ふたりと出会ってから、みんながそれぞれ苦しいこともたくさんあった。それぞれ順番に苦しんで、支えて、助け合って、今がある。いつも1人じゃなかった、それだけでどれほど救われたことか。ふたりが何度もくれた「大丈夫。」をずっとずっと信じてる。

らしく、あろう

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Yuuri
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