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家族の時間 | ペナン日記ふたたび

2025.12.29 @ Penang, Malaysia

ジェニーの家族

3日間、またペナンに戻って留学時代の友だちのジェニーのお家にホームステイさせてもらった。ジェニーは中華系マレーで、今はシンガポールで働いている。
ジェニーのお家はメインランドの方のペナン州にある。その前までマラッカに滞在していたので、マラッカからペナンまでバスで約8時間。長いバスだったけれど、普段は飛行機でもっと長い時間をかけないと彼女には会えない。せっかくマレーシアにいるのだもの、8時間なんて大したことはない。

Penang Sentralというバス停に着くと、ジェニーが車で待っていてくれた。ジェニーの高くてコロコロした笑い声にホッとした。疲れたね、ご飯食べようと言って、近くのホーカーに連れて行ってくれた。板麺(パンミー)という太くて短いうどんのような麺のものを選んで、わたしはスープ仕立て、ジェニーは汁なしのものをオーダーした。久しぶりに口にした食事は身体に沁みた。

板麺

ジェニーと彼女の家族と3日間過ごして、とにかく家族の距離の近さに驚いた。生活の中に当たり前に家族の存在があるということ。それはたとえ結婚していても、ちょっと離れて住んでいても、子どもが生まれても。義母がどうだとか、なんだとか、仕事がどうだとか、そういうことの全ての優先順位の1番目に自分の生まれた家の家族があるということ。

ジェニーはシンガポールから月に1度は帰っているという。ジェニーのお家の裏にはジェニーの叔母一家が住んでいて、その隣には叔母さんの息子夫婦が住んでいて、わたしが遊びに行ったときは叔母さんの息子夫婦は子どもは置いて台湾に旅行に行っていた。当たり前のように叔母さんが子どもたちの面倒を見ていて、だからって誰も文句を言ったりしない。

もちろんわたしの知らない家族の葛藤はあるだろうけれど、それでもやっぱり家族っていいなと思わずにはいられない時間だった。


朝起きると、ジェニーのパパが朝ごはんに、とパンを買ってきてくれていた。ジェニーの家のテラスで朝の風を感じながら食べる。午前中はジェニーとペナン島へ行きジョージタウン散策。「8年後にまた、こうやって2人で歩いているのは不思議な感じがするね。」と話した。どんどん新しくなるペナン島、でも街の雰囲気は変わらない。これからも進化しながら、でも変わらずに。ずっとわたしたちの再会の場所であって欲しい。

途中で見つけたカフェで一息。ジェニーと話しながら、わたしも留学時代仲良かったマレーの友だちイージーの家に突撃してみようとなった。8年ぶりなので緊張した。ジェニーは卒業後もイージーと時々会っていると言っていた。明日がイージーの誕生日だったので、途中ケーキ屋さんで小さなブラウニーとろうそくを買って。

家の前につき、イージーにジェニーが電話をかける。ジェニーがビデオ電話に切り替え、イージーが家の前にいること、さらにはわたしがいることが分かると、目玉が飛び出しそうなくらい驚いた顔をしていた。8年ぶりにあったイージーはちょっと大人っぽくなっていたようにも思ったけれど、それほど変わっていなくて、すぐに緊張も解けた。8年分のお互いの話をするには時間がかかり、随分と話し込んでしまって気がつくと夕飯の時間になっていた。

「次に来るときには、ちゃんと事前に連絡してよね。そうね、1ヶ月前には教えて。」と言って笑っていた。

イージーとは同じ授業を取ることが多くて、よく授業中に助けてもらった。グループワークをするときには同じチームに誘ってくれたり、先生が時々マレー語を話すので内容が分からないときにはすぐに教えてくれたりした。イージーとせっかくこうしてまた再会できて、止まっていた時間がまた動き出した。ジェニーにも、変わらずに温かく迎えてくれたイージーにも感謝の気持ちでいっぱいになった。

翌日はジェニーの家族とまるっと1日たっぷり過ごした。朝ごはんにディムサムを食べに。ジェニーとジェニーの両親と4人かな、と思っていたら、ジェニーのお姉ちゃんも叔母さんも叔父さんも姪っ子もきて賑やかな時間になった。わたしが手土産に持っていたマラッカで買った中国茶をレストランに持っていって、その茶葉でお茶を淹れるように頼んでくれた。

マレーシアでは本当にみんな朝ごはんをよく食べる。それも外で食べることが多い。ディムサムは小さなお皿に少量ずつ乗っていて、1皿あたりの値段が決まっている。それをビュッフェ形式で取ってきて、みんなで食べる。みんなでちょっとずつ食べながら、おしゃべりしながら、長い時間かけて朝ごはんを食べる。次から次に家族が集まってくるから、大きな円卓のテーブルはすぐに埋まってしまうのだと。円卓っていいなと思った。いつか日本に帰って、また家具を揃えるときには円卓のテーブルがいいなと思った。

それからジェニーのパパとママと一緒に映画「ムファサ」を観に行った。モーニングショーはとても安く、1人10リンギット(約350円)で見ることができた。映画館はやっぱりいいし、ムファサも面白かった。ディズニー映画はやっぱりいつ観ても楽しい気分になるから好きだ。

夕飯は再びジェニーの家族が大集合してくれて夕飯を食べに行った。春節のときによく食べるという鍋料理のお店へ。本当にさまざまな具をたっくさん、本当にたくさん入れて、好きな時に食べる。たとえば日本だと、なんとなく入れる順番があるけれど、そんなものはない。いきなり麺を入れたっていいし、肉も野菜も海鮮もごちゃ混ぜ。スープはどんどん継ぎ足してもらえるので、全員がお腹いっぱいになるまで永遠に続く。日本のお正月と同じで春節はこうしてずっと食べ続けるらしい。スープの味はお店や家庭によってさまざまとのこと。今回のお店ではタロ芋ベースの優しい味のテイストでとっても食べやすかった。お腹いっぱいになったところで、解散かと思いきや全員ジェニーのお家に集合して、結局みんなも泊まっていくことに。姪っ子たちは大はしゃぎでとても嬉しそうだった。

🍲

ジェニーとキングサイズの大きな大きなベッドで2人で寝た幾晩かの夜は、ジェニーの大家族の中に仲間に入れてもらった時間は、この旅の中で感じているどこか寂しい気持ちを埋めてくれたような気がする。

春節に向けて
朝ごはん

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Yuuri
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