〘異聞・ケルト3〙英雄への道のり
〖アルスターサイクル3〗
さて、クーフーリンの修行に話を戻しますね。
それもこれもエメルと結婚するためと、アルヴァ(スコットランド)のドウナルの元で修行するために赴いたクーフーリンは、当のドウナルにスカアハの所で修行しろと言い渡されてしまいました。何だかんだ根が素直なのか、クーフーリンは言われた通り影の国に向かったのであります。
ざっくりと前回までのお話です。
*
『スカアハ』とは、アルヴァ東方にある影の国の女王で、めっちゃ凄腕の女武芸者であり、魔術も使う魔女でもあり、近隣で恐れられている存在だったと言う。
七重の城壁に囲まれ、さらに正面には生首を刺した9つの木の柵を立てた城に住んでいた。
(もう、ここだけ聞いてもおっそろしい鬼ババみたいなイメージしかない)
また、一種の予知能力のようなものも持っていて、後にクーフーリンの命運に関して事細かに予言している。
(予言して教えてるけど、回避されないところが運命ってやつの怖さ)
だがしかし。
自らの城に、いわゆる軍事学校のようなものを開き、将来有望な若者たちを教育を施したりもしていた。また、優秀な若者たちには細やかな心遣いも見せており、決して冷酷無比で恐ろしいだけの女王ではなかった。
そもそも、この城まで辿り着くこと自体が非常に困難で、逆に言えば辿り着けただけで見どころはある、と判断されるほど。
つまり、クーフーリンとの結婚に反対だったエメルの父は、途中、もしくはスカアハの元でクーフーリンが死んでくれることを願っていたわけだ。
(ドウナルがスカアハの元に行かせる予想はしていたんだろうけど、クーフーリンの力のことは知らなさ過ぎたんやな……)
さて、スカアハには息子2人と娘1人がいて、息子に関しては、どうも大した活躍をしていないのか記述がほぼないので割愛。(←)
娘はウアサハと言い、クーフーリンの恋人の1人となった。
(ちなみに、母であるスカアハもクーフーリンと男女関係があったという説があるけど、私的には却下なので割愛)
で、ウアサハに戻って。
彼女は給仕の際、クーフーリンにふざけて指を折られていて(おい)、彼を良く思っていなかった。しかも、それに怒ったウアサハの婚約者はクーフーリンに戦いを挑み(おいおい)、挑んだはいいけど逆に殺されてしまった。(おいおいおい)
ところがどっこい!
何故か、その後、彼女はクーフーリンに惹かれるようになり(おいおいおいおい)、何と何と恋人同士となったというからびっくりポンである(;'∀')オンナゴコロワケワカメ……。
さらにさらに別の説では、単に母親であるスカアハの言いつけで伽を務めたとも言われていて。
どっちにしても、ひどくね? ひどくね?www
まあ、本人たちがいいならいいのか(;・∀・)神話って恐ろしい……。
いや、っていうか、そもそも結婚の許しをもらうために行った修行だったんだけどね? だよね?www
知らぬが仏。Ω\ζ°)チーン
扨。(漢字で誤魔化す)
スカアハの軍事学校には、本当に優秀な若者が集っていたようで、クーフーリンにはここで共に学び、親友となった人物がいた。名前はフェルディア・マク・ダマン!(空では言えない)
何と何と何と! 寝所まで共にする仲だったというんだけど、それはもはやゆーじょーなの?w それでくくっておいていいのかい? え、いいのかい?www
(作者、そちらのジャンル表現は不得手につき以下省略)
コホン。(咳払い)
彼は後にクーフーリンの好敵手として神話を盛り上げてくれるので、ここでは語らないこととする。
さてさて。(何度目だ)
『補足的なアレ』みたいな内容で来てしまいましたが(いつものこと)、ここからがアレです。
スカアハには、アルヴァの覇権を争う相手がいた。それが妹のオイフェで、二人は姉妹で領地争いをしていたワケだ。
このオイフェも、スカアハに負けず劣らず凄腕の女武芸者。
二人は延々と争い続け、延々と決着がつかない膠着状態を長年キープしていて、双方ともそろそろ何とか相手をギャフンと言わせたいところまで来ていた。
そして不思議なのがスカアハで、先に述べたように、教え子たちにちゃんと気遣いを見せている。彼女はクーフーリンを戦いに来させないよう眠り薬を飲ませ、その間に出陣しようとしていた。
残念ながらこれは、クーフーリンに薬が効かなくて(爆)断念してはいるが、決して冷酷無比なだけではなかったのである。
オイフェ軍との戦いも、クーフーリンの活躍で善戦するものの、一向に勝敗はつかない。いい加減、何とかしたいと考えたのか、結局、スカアハ側とオイフェ側が一騎打ちで決着をつけることになった。
……最初からそうしろよ、とも思うけど、それじゃあ話が盛り上がらないんだろう。
しかし、スカアハはこの時、負傷しており、代わりにクーフーリンがオイフェと戦うことになった。
(でも、ちゃんと大将同士が戦うってとこは評価したいのが時代劇好きな私)
結果、クーフーリン圧勝。
当然じゃね? もはや、卑怯じゃね? とも思うのだけど、ここにごちゃごちゃ異論を唱えないところが、当時のケルト人たちのいいところ、と言えば言えるのかも知れない。
「……く……私の負けだ……! 殺せ……!」
悔しげにクーフーリンに吐きつけるオイフェ。
「おれは女は殺さぬ」
何かドラマみたいなセリフをのたまうクーフーリン。
「……情けをかけるのか……! 私に生き恥を晒せと……!」
それでは武芸者としてのプライドが成り立たないオイフェ。
「恥などと考えることはない。おれたちは互いに全力で戦った。素晴らしい勝負だった」
ひと昔前のトレンディドラマも真っ青の殺し文句を真顔でいうクーフーリン。
「……ならば尚の事、私を殺せ……!」
「何度も言わせるな。おれは女は殺さぬ。代わりにおれの子を産め」
え、そーゆう脈絡のない展開なのかよ、と現代人は思うんだけど、ここはこーゆうのが成り立つ価値観なんだから仕方ない。オイフェも敗者としてクーフーリンの申し出を受け入れる。
結婚したい相手がいて、許しをもらうために来た修行の場で他の女と子作りってどーなのかとは思うが、とにかく、後に二人の間にはコンラという息子が産まれる。
ただし、コンラが産まれる前にクーフーリンは影の国を去ってしまっていて、そのためクーフーリンは息子の顔を見てはおらず、これが後の事件に繋がるのである。
(息子の存在すら知らなかったという説もあるが、それだと設定にも私の妄想に矛盾が生じるので却下)
とにかく、アルヴァをまとめたスカアハの元で、クーフーリンは更なる修行に励むのであった。
その修行については、また次回。
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〖参考文献/出典/引用〗
※昔の資料を引っ張り出すことが出来ず比較的新しめの資料群
◉井村君江 著: ちくま文庫
『ケルトの神話―女神と英雄と妖精と』
◉池上良太 著: 新紀元社
『図解 ケルト神話』
〖その他〗
◉遥か昔々に読んだタイトルも作者名も覚えていない数々の本やマンガの記憶のカケラたちと妄想像の山www
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