〘異聞・ケルト6〙英雄への道のり4
〖アルスターサイクル6〗
牛一頭のために始まった戦争。もはや、どこを目指しているのかワケワカメ。
だが、ここでもうひとつ、ワケワカメなことを言っておかねばならない。
アルスターの王都を思い出して戴きたい。『エヴィン・マハ』と言う。大体、お察し戴けるかと思うが、『マハ』とは人名だ。
名前の由来は、一説によると以下のようになる。他にも説話があるんだけど、私がウェーイなやつを独断と偏見で選んでいる。と言うより、元々はこれしか知らなかった(笑)。復習してて新たに発見した説はなかったことにする(ノ≧ڡ≦)☆
ある時、アルスターのクルンフーという男──クーフーリンと名前が似ててややこしわ──のところに女神マハがやって来た。よくわかんないけど、たぶん『鶴の恩返し』とか『雪女』みたいな経緯があったのかなかったのか……とにかくマハはクルンフーの妻となり、やがて妊娠した。
ある日、クルンフーは集会のため王都に行き、馬の競争を見ていた。そこで思わず、「妻はどんな馬よりも速く走れる」とポロッと口をすべらせて自慢してしまい、ムッとした王の命令で妊娠しているマハが競争させられることになってしまう。
アルスターの男共、アホの巣窟か!
マハは競争には勝った。だが、案の定、双子を産んで死んでしまった。
アルスターの男共、アホの巣窟か!!(大事なことだから2回行っとく)
そのため王都は、マハの双子=エヴィン・マハと呼ばれるようになったのだが、今際の際、マハはアルスターの男たちに呪いをかけた。
「呪われろ!」
……と単純に私は思ったんだけど、この呪いがえらいこっちゃだったワケ。
何と何とこの呪い。彼らが最大の危機(国家存亡の危機レベル)にある時、『九日の衰弱』という病にかかって動けなくなるというもの。
詳しく言うと、アルスターの男たちはことごとく(恐らく戦力外の子どもは除く)、女性の陣痛と同じ苦痛を九夜に及んで味わう、のだ。しかも、その呪いは9代後まで続く、と。
想像するだに恐ろしい💧(ガクブル)
国中の男どもが、七転八倒のたうち回ってウンウン言ってる様を想像してみたまえ。もし、現代であれば、
「よし、こーゆう時はラマーズ呼吸法だ! はい! ヒッヒッフー!」
……とか国を挙げてやってる事態かも知れないのだぞ。マジ、想像するだに……以下同文。
その詳細を知りたいと思う男性諸氏、私は経験値なしの外野なので絶対に訊かないでくれたまえ✋加えて、私は恐ろしくてお訊きすることも控えたいと思う💧
さて、これが何に関係あるのか。
ここまでついて来てくださった皆さんには、もうおわかりのことだろう。
肝心な戦いの只中、アルスターの男共は一切合切使い物にならなかった、ということなのだ。「何だ、実質7年も続いた戦争のたった9日?」と侮るなかれ。本来なら、その時点でアルスターはコナハトに負けていたはずなのだ。では、何故、9日で戦争が終わらなかったのか?
はい! お察しの通り!
この事態において、ただ一人、17歳の少年だったクーフーリンだけは防衛につくことが出来たのである。つまり、クーフーリンがひとりでコナハト軍を凌いだのだ。
そして、たぶん、彼は『少年』だから呪いを免れたワケではないと思う。だって、アルスターでは10歳くらいで一人前だもん! ←(根に持ってる) 少なくとも他の少年だって17〜18歳とかギリ戦えそうなのがいたはず。
ひとえに、彼が神を父に持つ半神半人だったから、というのが私の独断。
ところが、その肝心なクーフーリン。
女性との逢引の度に前線を離れてしまうので、一進一退で敵軍に奇襲を許してしまう。(……この時点で『少年』とか言ってんじゃねぇ!💢)
そして、この言い方からして、相手はエメルではないと推測される。一体、英雄殿は国と逢引とどっちが大事なんでしょうねぇ?
ま、それは置いといて。
なかなか事態が好転しない状況に(そりゃ、しないだろうよ💧)、クーフーリンは親友であり専任の御者であるロイグと共にゲリラ戦を敢行した。
一騎打ちの権利を主張して、とにかく敵軍のツワモノを力づくでフルボッコ。数ヶ月もの間、何と孤立無援で軍を押し止めることに成功するのだが、メイヴが雄牛を取り返すことを許してしまう。
ちなみに、何で一緒に行動しているロイグが呪いの影響を受けていないのか、と言うと、彼はどうも出生がアルスターではなくレンスターだったから、らしい。つーか、他にも出身地が違う戦士はいなかったのだろうかw
さて、この戦の折、クーフーリンは超自然的存在から助けを受けたり、邪魔を受けたりしているのであるが。
その理由はまた次回に✋
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〖参考文献/出典/引用〗
※昔の資料を引っ張り出すことが出来ず比較的新しめの資料群
◉井村君江 著: ちくま文庫
『ケルトの神話―女神と英雄と妖精と』
◉池上良太 著: 新紀元社
『図解 ケルト神話』
〖その他〗
◉遥か昔々に読んだタイトルも作者名も覚えていない数々の本やマンガの記憶のカケラたちと妄想像の山www
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