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〖感想文、的な〗きっと、淵にとどまらざるを得ない時もある──笑い猫さん『河を渡る』

この記事は、創作大賞に応募された笑い猫さん作『河を渡る』の感想文レビュー的なものとして、

下記の企画に向けて投稿しております。

元来、感想を述べるのが苦手であり、読解力の欠如で曲解している箇所もあるかと思います。また公式企画に参加することがほぼないため、不手際はご容赦ください。

また、この物語は こちら のシリーズのアナザーストーリーでBLが主軸となっております。得手でない方はご承知ください。また、本編のネタバレも盛大に含みます。

どんな人の心でも、不意にかげりの色を濃くする瞬間が大なり小なりあるでしょう。翳りではなく、ひずみきずである場合も。

──とあるキッカケ(生活指導)で友情を深めた黒須くん、茶谷くん、金田くんの3人。黒須くんは茶谷くんに一目惚れし、長く片想いしている。金田くん(以下同級生たち)は二人をそっと見守っている。
中高大をともに過ごし、そのまま続いていくと思われた関係性は、ひとりの教師の介入で微妙なひずみを生じ、やがて大学生になった黒須くんの心の堰を決壊させることになる。──

そのキッカケがくだんの灰谷先生、というエピソードです。

でも実は先生にも秘密──しかもかなり壮絶な──があって、その『時』が彼を解放することはないのです。ほんのひと時、息をつける瞬間、それは皮肉なことに『茶谷くんを一途に好きな黒須くん』といる時なのかも知れません。

──『誰かに恋している人が好きなんです』

当事者になるのは怖い。でも、

たぶん、その『恋をしている当事者』だって誰でもいいわけではなくて、『同じ側の岸』に立っている人を探して(見つけて)しまうくらいには、どこかに寂しさを置いているのかも。灰谷先生はきっと。

渡ったはずの河。淵に引っ掛かり、渡り切れていなかったり、流れることすら出来ずにとどまることもあるかも知れない中で、それでも仄かな救い、それをもたらす存在の気配があります。

彼らの行く末に希望がある。
きっと、その河にはいつか、誰もが自由に行き来出来る橋が架かる。
例え傷痕がすべて消えることはなくても。

そんな風に感じさせてくれるお話です。

つたない感想、失礼致しました。

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