見出し画像

ヤーコブ・ベーメの神義論

ヤーコブ・ベーメは、神が「無限の奥義」や「根源の無底」(Ungrund)から生じるものであり、その内部には善と悪の対立が含まれていると考えました。これは、神の自己顕現過程における必要な要素とされます。神の善と悪は単なる対立ではなく、創造の過程で統合されるべきものと見なされます。


神は善と悪の対立を通じて自己を顕現し、創造を行うとベーメは考えました。悪の存在は、神の創造的な計画の一部であり、神の正義はこの対立を通じて実現されるとされます。つまり、悪も神の計画の一部として、最終的には神の義に合致する役割を果たします。


人間は自由意志を持ち、善と悪の選択を通じて成長する存在とされます。悪の存在や試練は、人間の霊的成長や神との関係を深めるための試練として位置づけられます。神の義は、人間が自由意志を通じて善を選ぶことで、最終的に実現されると考えられています。


ベーメは、神の善と悪が最終的には統合されるべきだと考えました。すべての存在は神の計画の一部であり、悪も最終的には神の義と調和する形で解決されるとされます。このプロセスを通じて、神の正義が実現されるとされています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?