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【エッセイ】言葉にしないと伝わらない。そんな事も僕にはわからなかった。

 僕は家族と仲がよくない。家族なんか基本的には他人だと思っている人間だ。そりゃいい関係なんて築けるわけはない。

じゃあ何故そうなったのかなってふと思い返してみた。

 最初のきっかけは姉と揉めたことだった。当時自分の部屋にテレビはなく、ゲーム機も一人1台なんて望むべくもない。そんな状況なのに、僕も姉もゲームをやりたい。当然争いになるかと思うと思うがそんなことはなかった。

 なぜなら基本的には姉がやっていて僕は姉が不在時や姉のあと。僕は余り家族とはいえ人になにか言うのは苦手だ。仲の良い友人なら別だがただでさえ苦手なのだ、姉のことは。

 そんな日々を過ごす内に、やはり不満はつもっていくもので、ある日ついに爆発し言い争いになった。親は僕達にゲーム禁止令をだした。

 僕は必要最低限の会話以外一切しないようになった。姉は父に相談したようで1度父が話をしてきたが、それでも僕は徹頭徹尾姉の事をさけた。

 そんな日々を過ごす内に姉が僕に話をしたいと言ってきた。それでも僕は話をする気はなかったが、姉に言われたんだ。
 「あんたが何を考えて、どうして欲しいかなんて言ってくれないとわからない」
 そう言われたんだ。

 何いってんだこいつって思った。今までなにも言わせない、聞く耳持たなかったのはあんただろと。僕はなんどかオブラートに包んではいたが伝えてはいたんだ。

 時間とともに、結局はもとには戻っていった。ゲームもほどなく解禁になった。時間が解決するのかと思ったものだが、心に澱のように言葉にできない感情が積もった出来事だった。

 あの時姉に言われたことは、全てを納得出来たわけではないが人生を過ごし、ある程度社会でも過ごしてから思うと僕にも間違っているところはあったなと思う。
 人間気持ちを伝えるのは言葉しかない。雰囲気、態度などでなんとなくはわかることもあるかも知れないがそりゃ言わないと伝わらない。

それって人間関係においてとても大事だなと今なら思う。



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ヤマザキ@文章書き屋
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