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大正・昭和のポップな着物!企画展「銘仙」レポ

コロナで延期になってから、待ち遠しくてたまらなかった展覧会がありました。
それは、埼玉で開催されている企画展「銘仙」。

銘仙とは、明治・大正・昭和にかけて流行した絹織物です。
庶民の生活着でありながら、時代の流行に合わせて、驚くほど開放的にデザインされているちょっと珍しい着物。

"着物"というと敷居の高さを感じる方もいるかもしれませんが、銘仙を見ると180度着物の見方が変わりますよ!

それでは銘仙展レポ、スタート!

埼玉県立「歴史と民俗の博物館」へ

訪れたのは、埼玉県さいたま市にある「歴史と民俗の博物館」。
「歴史と民俗の博物館」は、埼玉の歴史と民俗に関する資料が展示されている博物館です。企画展・常設展ともに、各期間ごとテーマに合わせた展示が行われています。

今回の展示テーマはこちら。
【企画展】銘仙
【常設展】古美術名品選、新編武蔵風土記稿と文化財、国宝太刀・短刀の公開、養蚕の道具

企画展のチケットで、常設展も見ることができますよ!

色鮮やかな銘仙の展示

会場に足を踏み入れるとそこには、色鮮やかな銘仙がずらり。
どの銘仙も個性的かつ大胆な意匠なので、目移りしてしまいます。

産地ごとの特色比較


銘仙の産地は、伊勢崎・秩父・足利・桐生・八王子などの関東が中心であったようです。各産地の特徴が、作品とあわせて解説されていました。

おすすめは秩父の銘仙。「玉虫織」という技法が使われているそうで、
玉虫のように角度によって色が変わるという、幻想的な色味がポイント。

角度によって、緑になったり赤になったり…。

ちなみに、現在生産されているのは秩父銘仙のみ。秩父には、銘仙について学べる秩父銘仙館や、秩父銘仙をレンタルしてお出かけできるお店がありますよ。気軽に銘仙を楽しめるのは嬉しい!

心惹かれる唯一無二のデザイン

他の染織品にはない、斬新なデザインが魅力の銘仙。今回の展示でも、色とりどりの銘仙が心を踊らせます。

こちらは、同じ型紙を使って織られた2枚の羽織。薔薇と蝶々の柄がロマンチックです。

銘仙は、糸を型紙で染めて織りだすことで模様を表現します。経糸や緯糸の色により、同一の柄でも全く雰囲気が違って見えるところも面白いところ。

普段着である銘仙は、同じ柄で見つかること自体が貴重なのだそうです。2つの羽織を眺めていると、まるで姉妹のように思えてきますよね。

まとめ

さまざまな意匠を目にし、銘仙は急速に変化する時代を映す鏡であるように思いました。銘仙が流行に合わせ、斬新で自由な発展を遂げられたのは、庶民に寄り添ってきた生活着だったからではないでしょうか。

ぜひお気に入りの銘仙を見つけ、着ている人を想像しながら楽しんでいただけたらと思います!