テイルズ オブ アライズ DLC 「Beyond the Dawn」 クリア感想
PS5版にて有料DLCである追加ストーリーを難易度セカンドでクリアしました。また、本編用の時短および衣装の有料DLCを今回の追加ストーリーでも使用しています。本編に関してはこの記事を投稿したちょうど2年前くらいにPS4版でクリア済み(1周クリア・裏ダンは未クリア)。
本編が例えるならテレビアニメシリーズだとすれば、DLCの追加ストーリーは劇場版アニメ。大部分はストーリーのみ追加となったDLCだったために発売前後は物議が醸されましたが、個人的には本編が好きだったのでセールを待たずに予約購入。ボリューム的に私自身の満足度は高めでした。またクリアして思ったのは、これを人に勧めるなら本編のストーリーとキャラクターが好きな人に限るかな、とも思いました。
なので、今回はストーリーの感想がメインになります。まるで映画の感想を書くみたいやな。
ストーリー
今回のストーリーはラスボスを倒してから1年後の世界にて、新キャラであるナザミルの話、そして本編で世界を救い英雄となった主人公・アルフェンが葛藤する話が並行して進む。賛否両論らしかったのですが、本編のテーマから逸れず一貫したストーリーだったので、個人的には普通に良かったかなと思った。
世界を救っても元々あったダナ人とレナ人の確執がきれいさっぱり無くなるわけはなく、土地によって大きく差があれど諍いが絶えないなか、ナザミルとアルフェンがそういう人々に振り回されるのだが、人々の醜くリアリティのある部分を真正面から描いていることには好感が持てた。
特にアルフェンに対して英雄と讃える人々がいれば、世界をめちゃくちゃにした破壊者となじる人々もいたりと様々。前者に至っては英雄なんだからこのくらいの要求を受けて当然と甘える輩もおり、英雄だからと必ずしも良い扱いを受けているわけでもなく、その悩みの落としどころを見守る形となる。
ナザミルに関してはダナ人とレナ人との混血、そして領主の娘という生い立ち故に誰からも疎まれるという立場であるため、本人は終始暗い雰囲気を漂わせるものの元が素直で純粋な娘であるので、徐々にアルフェンたちに心を許していく過程にはほっこりした。当然ながらナザミルを気に入る、あるいは共感できるかがストーリーを楽しめるかの要因になると思う。特に彼女が終盤に起こす行動と心情が肝かと。
概ねストーリーやキャラは良い方なのだが、細かなところから満点とは言い難い。
一つは演出。全体的にはテンポよく進むが一部で長い演出があり、とあるシーンで仲間全員が敵にやられた際、アルフェンなら敵にやられても気合で立ち上がって相手を止めにいけそうな距離なのに立ち上がれず黙って見守るしかなかったシーンがあった。ゲーム制作の都合かもしれないが、ちょっとストーリーの没入感を阻害させる演出ではあった。
もう一つは言葉足らず、特にナザミル相手にするときか。アルフェンならもっと良い言葉をかけてやれると思ったのだが、ナザミル相手には自身が葛藤中ということもあってか言い淀むシーンが多々あり、シナリオの展開上仕方ないにしても「話を聞いてくれ」以外に言うことがあるのではと感じた。・・・あれ、もしかして私もモブキャラたちみたいにアルフェンに主人公としての役割を求めすぎ、なのか?・・・あれれ?
ごほん。えと、あとはナザミルの情報が少ないこと。ないわけではないが、あくまで最小限に留められているため、感情移入するための材料がもっと欲しかったところ。ストーリーに組み込まずとも、手記みたいな文字情報という形でもいいからもっと深堀して欲しかった。
とはいえ、多少のご都合はあれども大筋の話としてはよくまとまっていると思う。劇場版アニメさながらのボリュームなので程よい長さのストーリーだった。演出でも好きなところはあって、ラストバトルの演出から物語の締めにかけての勢いに任せる流れは大好物です。ラスボス撃破後にナザミルと同行できるようなご褒美が欲しかったなぁ。
サブクエスト
基本的に大半はお使いクエストなのだが、メインストーリーでは語れなかったショートストーリーがあったり、仲間同士のおふざけであったり、公式カップリングにニヤニヤするであろう展開が用意されていたりと、シリアスなメインストーリーとは対照的に比較的明るめなエピソードが用意されていた。ボリュームが40+αと結構あるので、小話に興味ない人には金策やSP稼ぎのための作業にしかならないかも。
遊びとしてのゲーム部分は?
戦闘やシステムは本編と変わらず。野生の敵もギガントボスもおなじみのもの。
レベルは70からスタート。本編クリア状況によってボーナスがもらえ、本編用のDLC各種も初期化の上で任意の再取得という形になっていた。装備はリセット、スキルポイントも振り直しとなるので、本編で周回したりやり込んだ人ほど不満が出やすい仕様となっている。また、防具は店売りではなくフィールドの宝箱からでしか手に入らないので、探索もおざなりにできないのは好みが分かれるかも。私は2年ぶりのプレイなので、懐かしい以外に特に何も思わなかったが。
ただ、採取は高ランクのものが出やすく、武器用の素材も金さえあればショップで購入でき、スキルポイントもサブクエや戦闘を重ねれば余るくらいにはなったので、手間はあれど苦労することはないかな。
あくまで本編の延長線上にあるので目新しさはない。
総評
ホントに大きな追加はストーリーだけなので、本編のストーリーとキャラクターが好きな人には勧められるが、それ以外の人には価格の面からも勧めにくい。しかし、ストーリーの満足度は高めではあるので損はしないと思われる。私自身は本編好き&ストーリー重視なので、定価買いながらも満足できた。
正直、賛否両論に関してはどこが焦点なのか私自身はよく分かっていないのだが、あえて考えられるものを上げるとすれば、キャラクターの解釈違いの発生かなと推測。特にカプ厨には評価厳しめなのかも。まぁ、ニヤニヤさせるシーンはあるけど、特に進展はしないしね。明るいストーリーが見たい人なら是非ともサブクエをしてもらいたいかな。