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マーベルスパイダーマン マイルズ・モラレス クリア感想

 PS5版にてクリアしました。難易度はAMAZING(標準的な難易度)。前作はプレイ済み。

 時系列は前作のDLC「摩天楼は眠らない」からの続き物ですが、主人公が前作のピーター・パーカーから副題の通りマイルズ・モラレスに交代されており、今作に限って言えば前作は未プレイでも楽しめる内容になっていました。また、マイルズの戦闘スタイルはピーターとは異なっているので、前作をプレイした人でも気持ち新たに楽しめると思います。

 ただ、今作は1と2の間の話であるためか前作よりボリュームはコンパクトになっており、人によっては物足りなさを感じるかもしれないが、代わりに大型タイトルながらも値段が抑えられている。購入方法は、1のリマスター版同梱のアルティメットエディションか、マイルズ・モラレス単品の通常版を選べるし、通常版からでも有償でアップグレードすれば1のリマスター版を追加購入できる。

 ちなみに、私は通常版のパッケージを買い、追加で2,200円払って1のリマスター版を手に入れました。当時、どの購入方法が安く済むか、しっかり調べて且つ計算ミスしないよう電卓で確実に計算しましたよ。必要に応じて上手に買い物をしよう。

たかがゲーム1つの買い物を考えてたら疲れたわ

 では、感想へいきます。


ストーリー

 今作はピーター・パーカーが長期不在の間、初めて1人で街を守ることになったマイルズの成長を描いたストーリーとなっている。

ピーターがヨーロッパに長期間滞在する間、
マイルズが1人で奮闘するお話

 マイルズはスパイダーマンになって約2年とまだ初々しさが残っており、前作から熟練のヒーローであるピーターとは正反対の実力だけでなく、マイルズは17歳、ピーターは25歳という年齢差からも分かる通り、マイルズは人としてもまだ未熟な子供として描かれている。その割に、年齢に見合わないほど謙虚な性格でヒーローだからと調子に乗ったりしないため、私は不快に思うことは全くなかった。

 序盤からやることなすこと裏目に出たり、行き当たりばったりなこともあったりと、ピーターより上手く立ち回れていなかったのが、中盤以降から自分なりのスパイダーマンを目指すようになってから一皮むけ、終盤には一人前のヒーローになるという王道の展開は、シリアスな前作と違って前向きになれる安心感があった。

新パワーを上手く扱えず惨事に
ヒーローが銃を向けられる苦しさ

 そして、家族という言葉が頻繁に出るほどマイルズが多くの人に支えられている描写が多くあり、そんな近しい人たちに正体をばらしたらどうなるか、という覆面ヒーロー物の定番の悩みもしっかり描いてて、スパイダーマンとしてだけでなく、マイルズの心の成長が見られるのも良かった。

血の繋がった家族だけでなく
近しい者も家族

 そういったストーリーなためか、今作は前作と違いヴィランが少ない。単純な正義と悪のぶつかり合いというものではないので、悪役はいてもその作品の象徴的な悪人の不在という点では、典型的なアメコミ物というよりも日本のアニメみたいな展開だなと思った。とはいえ、街中で武装した私兵が「ぶっころしてやる!」なんて言いながら銃を撃ったり、街中で普通に銃撃戦が発生したりと、相変わらず治安はひどいんだけどね。

単に力を振るうだけのヴィランが少ないかな

 これがどのように2へと繋がっていくのか期待できるくらいに楽しめたかな。

マイルズ独自の戦闘システム

 今作のマイルズはピーター同様に蜘蛛の糸を使ったウェブ・シューターに加え、新たに生体電気によるヴェノム・パワーと、一時的に透明になれるカモフラージュが使える。この新要素は、前作の欠点である格闘攻撃のマンネリ改善に一役買っている。

 ヴェノム・パワーは普通に殴っても怯まない盾持ちや大男相手にヴェノム・パンチで吹き飛ばせたり、地面に衝撃波を叩きつけて複数の敵に攻撃できるヴェノム・スマッシュなど関連スキルが豊富、更に一定時間スタン状態にできる追加効果があり、ウェブ・シューターと2つを絡めた無力化攻撃もできる。

当たればボスであろうと吹き飛ぶ
スタン状態にできると俄然有利

 カモフラージュはステルス状態で使うと敵が目と鼻の先にいても楽にステルス・フィニッシュができるし、通常戦闘でも姿をくらまして背後に回り攻撃したり、後から入手できる太陽拳もといフラッシュでスタン状態にできたりと、この手のジャンルなら敵ボスが使うような戦法ができる。ゲージの燃費は悪いので、ぶっ壊れシステムになってないのも良いバランスかなと思う。

何もしなくても右上ゲージはすぐに減るので早めの行動を
ヴェノム・パワーと相まってステルス・フィニッシュの幅が広がりより楽しくなった

 格闘攻撃は前作よりバリエーションが増えたためにかなり楽しめるが、反対にガジェットは前作の8つから4つに減っている。特にウェブ系統はウェブ・シューター1つだけになっているのは蜘蛛要素が減って寂しい限り。ただ、前作のガジェットがウェブを中心にした敵の無力化が前提なら、今作は攻撃に特化もしくは格闘攻撃をサポートするものになっているので、ヴェノム・パワーをふんだんに使ってた身としては今作くらいの数で十分と思った。

一部は周回で入手

 残念な点としたら、登場するヴィランが少ないためにボス戦が少ないところか。マイルズでもっとボス戦がしたかった。

 前作で戦闘が微妙と思った人なら、今作では楽しみやすい要素になっているんじゃないかな。あと、個人的には前作DLC「摩天楼は眠らない」の難易度準拠になっていないだけでもホッとしたもんだ。

サブイベント・やり込み要素

 サブイベントは前作ほどの物量はなく、普通にこなしていたらマップ100%クリアは容易に達成できるかなと思う。特にランダムイベントが数に含まれていないのは有難かった。今作から隣人アプリというシステムのおかげで発生イベントの場所と報酬の確認や任意で受注もできるので、より楽にこなせるようになった。

100%にするだけなら易しい

 他に気になったのは、
・レベル上限は前作の50から20に激減(周回で30まで解放される)
・一部スーツ・ガジェット・スキルは周回でしか入手できない
・やり込みはスコアに記録されるチャレンジ系統に依存
・前作の敵拠点攻略ミッションでは敵の増援地獄だったのが、今作は少な目な印象

 といったところか。ストーリーが短いのもあってか、前作より周回要素にもリソース振ってるような気がする。

 あと、面白かったのはエア・トリックというもの。空中パフォーマンスするだけなのにヴェノム・パワーと経験値が手に入るので積極的に使ってた。レベルアップにあとちょっと足りない、という場合の小銭稼ぎにも向いていた。

まぁ、私はスティックをグリグリ回してただけなんだけどね

総評

フォトモード楽しい

 マイルズに焦点を当てたストーリーは未熟な子供が一人前のヒーローになる王道の成長物語となっているので、前作のシリアスなストーリーとは打って変わって前向きになりやすいものになっている。アニメ映画「スパイダーバース」に近しいものを感じたかな。マイルズ自身が謙虚で良いやつなんで、好感持ちやすいキャラなのも良かった。

 戦闘に関しても前作でマンネリ気味だった格闘戦に対して、ヴェノム・パワーとカモフラージュの追加が非常に良かった。代わりにウェブ関連のガジェットが減ったものの、戦闘の爽快感や派手さはこちらの方があり、ストーリーが短いおかげか個人的にはこちらの方が楽しかった。

 私の前作2周目クリア時間がDLC入れて約30時間なのに対して、今作クリア時間は約15時間と、ボリュームは前作より少なくなっているものの中身は十分に濃く、前作が未プレイでも単独で楽しめるし、大型タイトルにしてはお手頃な値段でもあると思うので十分におすすめできる。私はプレイして良かったと感じたし、逆にもっとボリュームが欲しかったと切望するほどだった。

もっとだ、もっと

 というわけで、次はピーターとのダブル主人公っぽい2をやるでぇ~。


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