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幻日のヨハネ -BLAZE in the DEEPBLUE- クリア感想
PS5版にてクリアしました。
開発はロックマンゼロシリーズを代表作に、現在も数々の横スクロールアクションを中心にゲームを手掛けているインティ・クリエイツ。
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お手軽なメトロイドヴァニアがやりたくて調べたところ、評判の良さそうなこちらを発見し購入に至りましたが、思った以上に出来が良く、良い意味で予想を覆される面白さでした。ロックマン好きなら、より興味を惹かれるものかも。
なお、ファンの方には申し訳ないが、私自身は幻日のヨハネどころかラブライブ!もよく知りません。一応、アイドルアニメなのは知っているもののあらすじは知らない、キャラはある程度知っているものの歌は聞いたことがない、そもそも幻日のヨハネはラブライブ!じゃないの?、という認識です。つまり、予備知識0でもプレイに支障ありませんでした。
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では、感想へいきます。
難易度はどうだった?
私はこの手のジャンルは2Dメトロイドとエンダーリリーズくらいしかやってませんが、そんな私でも難易度は易しめかなと思いました。メトロイドヴァニア入門に打ってつけでありながら、プレイヤーの遊び方によっては縛りプレイも可能なので万人向けともいえる。また、戦闘自体は易しいわけではなく、やりがいや歯応えはあると感じました。
ペナルティと救済措置
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ゲームオーバーになっても拠点であるヨハネの部屋に戻されるだけ。各セーブポイントはファストトラベルも兼ねているので楽ちん。ただ、回復アイテムを使い込んでゲームオーバーになったら、その状態で上書きオートセーブされるので、それがペナルティといえばそうなるかな。セーブスロットは10個あるから保険は作れるけどね。
救済措置はその回復アイテム。RPGのようにダンジョンで拾えるお金で回復アイテムが購入でき、個数も各種20個以上(筆者確認個数)と保持できるため、お金の集まりにくい序盤~中盤はともかく、終盤なら滅多なことでゲームオーバーになりにくい。また、楽譜というアイテムを持っていれば戦闘不能になっても自動的に復活できる。まさに至れり尽くせりである。
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ここが充実しているからこそ、コアゲーマーには物足りないと感じる可能性があるので縛る必要がありそうな気はした。
ヨハネ自身の強化方法
メトロイドのように体力やミサイル保有上限を段階的に上げるものでなければ、エンダーリリーズのようにRPG的なレベル制でもない。主人公・ヨハネのステータスは全て装備依存。その装備は、ダンジョン内のオブジェクトや敵が確率でドロップする素材から作るハクスラ要素となっている。
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ただ、クリアを目指すだけなら装備作成にそこまで手間はかからない。レベル制でないので敵はスルーしやすくなるが、私はどんなゲームでもサーチ&デストロイを基本にしているので、特に意識してないのにいつの間にか強い武器やアクセサリーが作成可能になることが多かった。個人的に、スライディングが無敵になるアクセサリーは大変お世話になった。
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武器もかなりの数がある。投げナイフにボウガン、斧に蛇腹剣とバリエーションも豊富。性質も貫通武器だったり、自動射出されるものだったりと余るほどにたくさん作れる。自分のプレイスタイルに合わせて選べるのは嬉しい要素だった。
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HPはあれど防御力というものはないので、HPを少なめに調整すれば死にゲーに変貌する。難易度を上げたいなら装備なしの裸で挑戦するのもアリかもしれない。
戦闘
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これに関しては、難しいわけではないものの決して易しいとはいえない絶妙な調整だなと思った。ここはさすがベテラン開発会社といったところか。
通常の敵の攻撃パターンは大抵1パターンなのは物足りないところだが、敵の種類は豊富な方。ボス並の巨体を持つ敵がいたり、画面いっぱい縦横無尽に動き回る敵、中には即死級の一撃を放つ敵が1匹いたりとメリハリがあった。
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目玉はやはりボス戦。ヨハネは防御・回避というものがないので(アクセサリーでスライディングを無敵にできるが)、ジャンプかしゃがみで攻撃を避けることとなる。攻撃パターンが豊富にあり、中には第二段階の攻撃形態を持つものもいるため、プレイヤーの操作精度に依存する戦闘はとても楽しかった。
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ゲームスピードもメトロイド並に速めな中、ドット絵であるためか動きの少ない予備動作から攻撃パターンを見抜くのは大変だったが、あまり理不尽さは感じず、ゲームオーバーになっても頑張れるモチベーションを保てるくらい夢中になれた。
仲間の攻撃も色々あり、基本的にはダンジョンのギミック解除で使うことが多いが、終盤のボス戦からは総力戦となる展開になるので、仲間全員で攻略しているんだという気持ちになれたかな。
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ダンジョン探索
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ここはかなり易しい。ラストダンジョン以外だとトラップらしいものは毒霧をまく装置や崩れる床程度で、床も下にトゲやマグマがあるだけで別エリアに飛ばされるようなことはない。フィールドでゲームオーバーになることはないかな。
基本的には道なりに進めば迷うことはなく、ヨハネだけでは勧めない場合は助けた仲間の力で進めるエリアを探して解除したり道を作ったりする楽しさあるものの、探索において複雑な迷路構造を期待してはいけない。
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ただ、ほど良い広さの中でマリオシリーズのようなジャンプアクションを求められることがあるので、そのおかげで私自身は飽きるというものは起きなかった。また、ランダムで変化するエリアもあり、単調だと思うことはあまりなかった。
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ストーリー
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海底ダンジョンでいなくなった仲間を救うお話。これだけ。マリオが毎回ピーチ姫を救うことに深い意味がないのと一緒。一応、フルボイス。
ただ、キャラ物としては物足りない。本編会話イベントも必要最低限で、個別で仲間の強化イベントがあるがヨハネと1対1の会話しかない。もうちょっとくだらない会話イベントとか用意してもいいんでないの? あと、幻日のヨハネはラブライブ!みたいに歌わなくてもいいのかな。
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ある意味、割り切ってゲームパートに全振りしてると思えば潔いかも。実際、ゲームの出来は良いし。
BGM
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印象に残りやすく良かった。特にラストダンジョンのピアノアレンジは美しかった。サントラ・・・限定版だけ・・・うぅーん。って、公式サイト見てたら、テーマソングの「Deep Blue」は未収録て、ラブライブ!やのにええんかそれ。幻日のヨハネは別てか?
やり込み
ここはあまりない。クリア後の追加要素はなし。やれることは装備のコンプリートくらい。トロフィーも特に意識してないのに全部取れていた。ボスの再戦はできるので、縛りプレイで再挑戦もありか。
総評
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ゲームの出来は間違いなく良い。キャラ物としてよりもゲームの方にかなり力が入っているので、幻日のヨハネやラブライブ!を知らない人でも楽しめる。むしろ、そこで毛嫌いせずにやってみて欲しいくらいにおすすめできる。特にロックマンファンの方にね。
難易度的には易しい部類で、メトロイドヴァニア初心者やライトゲーマーに丁度よく、歴戦のメトロイドヴァニア好きだと物足りないかもしれないが、ボス戦はやり応えがあるので、なんなら縛りプレイをして疑似死にゲーを体験するのもありかもしれない。
意外な掘り出し物を見つけられて個人的に満足。今後も色んなメトロイドヴァニアゲームをやってみたいね。ん? 幻日のヨハネのアニメはだって? んん~・・・古代ヌマヅ語が分からないしな~(よし、ごまかせたな)。
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