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オクトパストラベラー switch版 クリア感想
先日クリアできたので感想を。メインストーリーからサブイベント、そして裏ボスまでいきました。実は音楽がとても良かったのでサントラだけは何年か前に買っていたのに、肝心の原作ゲームには手を付けていないという状態だったので、セールを期に重い腰を上げてプレイしました。
ストーリー
8人の主人公が織りなすオムニバス形式のストーリー。一応、一般的なRPGみたいに世界の危機を救うというような展開にはなるがそれは延長線上にあるだけで、あくまでメインは個人の冒険譚や復讐譚に英雄譚、重い話から楽しい話と各々の独立したストーリーを楽しむものとなっている。また、8人とも成熟した大人で1人を除いて20歳を超えており、子供っぽい言動に惑わせられることもない。
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壮大な物語ではないので大作RPGでいうところのサブイベント相当のスケールで、主人公の中には殺生せず世界を旅したことにより成長し幕を閉じる者もいたりするので、人によっては物足りないと思う人もいるかもしれない。私個人としては、まるで短編小説のような進み方に1人4章で仕立て上げられた構成は起承転結がきれいに描かれており、そもそも私が長編小説より短編小説を好んでいたため、それに類似する今作はその好みに合致していたのでストーリーはかなり楽しめた。また、声優による演技にも要注目。ベテランが勢揃いしているので聴き応え抜群、迫力も段違いだった。
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残念な点があるとすれば、8人の仲間が絡むイベントが町の酒場か進行中のストーリーの幕間でしか出てこないこと。しかも任意で発生させる必要がある。基本的に仲間というより旅の同行人に等しく道中会話等も一切なく、また手持ちの駒を入れ替えるように酒場で事務的にパーティメンバーに入れたりするので、君たちいつ仲良くなったの?という疑問が湧く。ストーリー進行中も話のメインとなる主人公1人しか登場しないが、特定の組み合わせになればボイスなしの会話イベントが出てくるものの、寂しい限りである。そこはプレイヤーの想像力に任せるということか。
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もう1点は裏ボス。実は8人の話はこの裏ボスと何かしら繋がりもしくは関わりを持つというのが各章終盤になって仄めかされるので、ストーリーを丸くスッキリ終わらせたい人は裏ボスまで進めることとなる。この裏ボスにいくにしても、後述するがクリアに必須なサブイベントがあるので、独力でやると手間がかかるのも惜しい。
ちなみにゲーム開始時に8人の中から1人プレイヤーが任意で選ぶようになっているが、エンディングを迎えるまでパーティメンバーを固定されるのみなので、自由に選んでも問題ない。私の場合は神官であるオフィーリアを選んだが、単純にヒーラーならメンバー固定にされても困らないだろう、という理由だったりする。最も、入れ替えを極力省き効率を求めるならテリオンかトレサになるかな。
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戦闘
古き良きコマンドバトル。個人的にコマンドバトルはテンポの良さ、戦略性のあるもの、無心でレベル上げできる楽しさがあるものが良いと思っているが今作はそれらに該当する。また他作品の良いとこ取りもあるかも。レベル上げする時間を取る必要はあるが、戦闘が気に入れば苦にはならないし、実は1人を上げるだけならそんなに時間はかからない。控えには経験値が入らないので8人全員上げる場合が手間なだけ。
システムはまずコマンドブースト。1ターンに1ポイント上限5ポイントまで貯まるブーストポイントを消費することで攻撃を強化できるというもの。最大3ポイントまで消費でき、通常攻撃なら最大4連撃、スキルなら消費数に応じて威力増大となっている。これは同社同開発のブレイブリーデフォルトのシステムに通ずる。
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次にブレイク。敵には弱点となる武器及び魔法属性があり、その耐久回数としてシールドポイントが設けられている。それを0にするとブレイクとなりブレイクしたターンから次のターンまで行動不能及び防御力低下となる。このブレイクするときの効果音が気持ちの良いこと。この弱点で敵の行動を不能にさせるのは他社のアトラス作品に通ずる。
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そしておなじみのジョブ。今作はベースジョブといわれる変更不可のジョブと各地で手に入る1人1つまで付け替え可能なバトルジョブがある。この2つのジョブをつけて戦闘に臨むこととなる。複数のジョブをつけられるゲームで記憶に新しいのは同社のFF12ザ・ゾディアックエイジかな。そのジョブにしか使えない武器と戦闘アビリティ、戦闘で得られる経験値とは別のジョブポイント(JP)を消費して得られ、バトルジョブを外しても覚えたままにできるサポートアビリティを4つ付け替えることで、プレイヤーによって個性が出るようになっている。
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通常戦闘ではいかに効率よくブレイクしつつ敵を一掃できるか、ボス戦では戦線を維持しつつどのタイミングでブレイクさせて大ダメージもしくは立て直しを図るかを考えることとなる。コマンドバトルの楽しいところを引き出せている良いシステムであると思う。私は少なくとも最後まで飽きがくることがなかったが、それに貢献しているもう1つの理由として西木氏の音楽も外せない。
基本的に装備を整えてレベル上げ且つ強いジョブの運用法を見い出せばかなりヌルくなる。またバフ・デバフが強めに設定されているのも特徴。そして終盤はいかに火力を出すかが重要となっている。ゲームオーバーになるのは物理か状態異常で壊滅するとき。それらに気をつけても裏ボスは飛び抜けてキツかったかな。
サブイベント
今作のサブイベはクエスト方式。町やたまに街道にいる人から直接話を聞いて受注する仕組みで、受注した町で完結するものもあれば遠く離れた町から該当する人を見つけ、主人公たち固有のフィールドコマンドを駆使して解決するものもあるため手間がかかるものの、その分の報酬は時には強い武具をくれたりとそれなりにおいしく、中には裏ボスへいくのに必須のイベントもあるため雑に扱うわけにはいかない。
ただ、このサブイベの面倒なところは近年よくある親切設計でないところ。最近は該当する人や捜し物にはマーキングされていたりと探す手間がなくなったゲームが多かったが、今作はクエスト依頼者にはマーキングされているものの、そこから先はほぼノーヒントで自力で探すようになっている。全くのノーヒントではないにしても手がかりは依頼者の言葉頼りになるので、自分で該当する人を探すために積極的にNPCに話しかけて情報を得る必要がある。つまりコミュ力。実際、私はいくつかのサブイベは攻略に頼ったりした。街道でクエスト発生とかファストトラベル利用してると見逃すよ。
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フィールド
比較的コンパクトであまり広くはないが、私個人としてはDRPGみたいに無駄に広く仕掛けやトラップだらけにされるのは御免被りたいので、移動のみの作りにされているこのくらいが丁度良かった。またHD-2Dで描かれた景色は美しく、遺跡や薄暗い森の奥の雰囲気も、これまた西木氏の音楽も相まって良かった。
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音楽
ゲームを手に入れる前からずーっと聞きまくっています。何ならスマホゲームの大陸の覇者も未プレイだがサントラ買って聞きまくってます。通常戦闘のバトル1もしくはボス戦のボスバトル2が代表曲だと思うので、それが気に入ればサントラは即買いでオーケー。
総評
総合的に満点あげてもいいくらいに出来は良かった。一部ネットではストーリーが微妙といわれていたのを見かけていたのだが、ストーリー重視している私からすれば全然悪くない。短編集大好き。それにドット絵はまだまだ現役であることを大手の会社であるスクエニが現代に示せた素晴らしい作品だとも感じた。もっと早くにやって2を迎えていられたら良かったなと思う。積みゲーがたくさんあるからすぐにはできないが、絶対に2もやるぞ。
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ところで、エンディングロールで各章のボス戦でトドメ刺した時のシーンを見せてくれる演出、良いと思います。
下記は冒険の内容を簡単にまとめた旅行記。