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アサシンクリード2(エツィオコレクション) クリア感想

 PS4版にてクリアしました。本作はアサシンクリードシリーズの第2作目であり、エツィオを主人公とした3部作の1作目。

 私にとってはこれが初めてのアサクリだったのですが、思いのほか楽しめました。暗殺ゲームという唯一無二なゲーム性に加え、1470年代以降のイタリアを再現したフィレンツェやヴェネツィアといった都市でちょっとした観光ができたのが、歴史好き且つインドア派な私からしたらとても嬉しかった。といっても、私は世界史より日本史好きですが。カタカナの人名はやっぱつれぇわ。

 では、感想にいきます。


ストーリー

現代編

 まず私自身知らなかったのですが、本来は現代編と呼ばれる私たちの時代が舞台であり、デズモンド・マイルズという被検体の男が主人公となっている。VR機械・アニムスを通して、デズモンド自身のDNAから遺伝記憶というものを読み取り、アサシンたち御先祖様の記憶を追体験するのがおおまかなあらすじ。まさか本編が記憶を元にした仮想空間での出来事とは思わなかった。

仮想空間構築中

 そのデズモンドの持つ御先祖様の記憶を欲しがっているのが、御先祖様たちが立ち上げたアサシン教団の対立組織・テンプル騎士団であるらしく、騎士団の陰謀を阻止する一幕を見るのが現代編とのこと。どうも前作と地続きのお話で、本作以降に発売されたシリーズもぶつ切りで挿入されているらしいが、個人的には話の流れがつかみにくいし、クリアした今でも敵の目的がよく分かってない。映画やドラマなら良いビジネスの手法かもしれないけど、ゲームはどうかな。

 一応、本作のお話はエツィオの記憶を通してデズモンドをアサシンとして育てるとのこと。まぁ、舞台設定として現代編は良いとは思うが、最新作はどうなっているのやら。

本編

 舞台を1470年代のイタリアへと移し、エツィオ・アウディトーレを主人公に物語は進む。序盤の彼は父親がアサシンであると知らないなか、父親たちが敵の術中に嵌まり殺された後、復讐のためにアサシンを受け継ぐのがストーリーの始まりとなっており、私みたいなアサクリ初心者と同じ目線で物語が進むところが面白いなと思った。

左がエツィオ、思ったよりごつい輪郭

 洋ゲーって完成された人間が主人公になることが多い印象だから、喧嘩したり女遊びする未熟な若造が、熟練のアサシンへと心身ともに成長するっていうのは目新しかった。ちなみにエツィオの御先祖様はシリーズ第1作目の主人公であるアルタイルとのこと。

 そして、吹替声優は関智一さん。声優補正があるせいか、エツィオ自身もなかなかの熱血漢であるため、どこかで「俺の拳が真っ赤に~」とか、喋る剣を携えながら「皇王天翔翼!」と叫んだりとか、はたまた「頭に乗るな、雑種!」とか言って剣を投げないかなと期待しちゃった。今の時代じゃそういう吹替は無理って知ってるけどさ。

 仇の者たちを暗殺しつつ調べるうちに、彼らの所属するテンプル騎士団の陰謀を知ることとなり、それを阻止するために暗躍することになるのだが、その間にも多くの出会いやドラマがあり、ストーリーだけで見てもとても面白いものだった。

 歴史上実在したとされる人物が敵味方ともに多く登場しており、その資料も充実したものだったのでそれらを読むだけでも楽しかった。まぁ、私は世界史は詳しくないのでレオナルド・ダ・ヴィンチしか分からなかったが、その人物の正史における生涯とアサクリ世界での役割を比較できたので、とても興味深く知ることができたかな。

主人公の頼れる相棒枠はレオナルド・ダ・ヴィンチ。だが、男だ

システム

 ここはシステムのメインとなる部分をピックアップして感想を述べてみる。

戦闘

 真正面からの戦いの場合、防御は敵にロックオン状態でPS4コントローラーのR2ボタンを押しっぱなしにしておけば、背後以外は勝手に攻撃を受け流してくれるので楽。敵に攻撃する際は、私は常にアサシンブレードによるカウンター狙いでいくようにした。タイミングを間違えるとダメージを受けるリスクはあるが、成功すれば一撃で敵を倒せるのが爽快なので、例え武器を剣や拳に変えてもカウンター一択だった。

 難しくなる状況は対集団戦のとき。敵が多くいればいるほど、防御はともかく、1人ずつでしか倒せないシステム故に攻撃が苦しくなるため、私はとにかく逃げか、再ロードしてやり直すようにしていた。脳筋な単騎突撃がいかに愚かな行為か思い知らされたが、逆に闘いに喜びを見出すバーサーカーな人には打ってつけかも。

終盤、敵10人以上に追い詰められました

暗殺(ステルス)

 前述した通り、エツィオはアサシンとして未熟者であるため、ストーリーを進めるごとにできることが増えるようになっている。なので、高所や隠れながら暗殺という、本格的な暗殺術を会得するのはストーリーの4分の1ほど進めてからとなる。それまでは直接殴り込むか、通り魔のような暗殺方法しかできなかったので私は「こんなんアサシンちゃうやん、クソや」と判断していたが、早計だったなぁ。

 暗殺のターゲットは政治家かそれに準じる要人なため戦闘能力は皆無。よって、手強いのは警備兵となるので彼らの警備の目を掻い潜ってターゲットに近づくことになるのだが、暗殺場所が街のど真ん中だったり、背の高い建物だったり、城砦みたいなところだったりと様々。潜入方法にある程度の自由度があり、その過程が私は楽しかった。ターゲット暗殺も当然一撃で始末できるので、達成感もあった。

 ただ正直、主旨が違うのかもしれないが、ステルスのシステム部分は他作品と比べて劣っているように感じた。本作のステルスで用意されているのは、一般人の集団に紛れ込んだり、その辺にいる盗賊や娼婦を雇って囮として使うのがメイン。たまに藁の中やベンチに座って同化することはあれど、暗殺において隠れるシステムは限られている。また、タカの眼を使うと敵味方の識別や仕掛け解除に使えるが、ミニマップが消えるので万能というわけでもない。

指名手配中なら警備の目を誤魔化せる

 建物への潜入やターゲットに近づく際は、あくまで敵の視界に入らない位置取りであったり、暗殺ルート確保のための敵兵の排除が主になっている。例え見つかっても、敵が増援を呼んだり戦闘に移行するまで間があるので、静かに倒すことはできるが、そういった不意打ちが多くなると思われるので、ステルス部分はそれを良しとするかが好みに合うかの1つの基準になると思う。

 私はプレイヤーの力量が問われているようなバランスと思ったので良しとしているし、いざとなったらゴリ押しで何とかなる案配なのも良いと思っている。建物内部に入らず、帰りかけのターゲットを出口で待ち構えてグサッ、なんてやったりもしたし。

フリーラン

 爽快感とストレスを併せ持つシステム。

 左スティックを倒しつつPS4コントローラーのR2ボタン+×ボタン押しっぱなしにすると、地上から壁によじ登ったり、遠い足場に飛び移ったり、速く走るダッシュといったものができるシステム。使いこなせばスティックを倒した方向に対して勝手に該当のアクションをやってくれるので便利だし爽快。

 難点としたら事故りやすいこと。私の場合、何も考えず屋根の上をフリーランしていたら大ジャンプで隣の建物を飛び越えてしまい路上へ落下死することが多かったし、左スティックの入力方向がシビアなので、隣の足場へ飛び移るのに入力方向がずれて落下死というのもあった。

ワンタッチでミスったら地面へダイブしちゃう

 あと、敵を追いかけるシーンでも狭い場所でフリーラン中に少しでも壁に触れると勝手に壁のぼりし始めたりと、とにかくフリーランの仕様に慣れることに必死だった。競争ミッションはストレス地獄だったのでクリアは諦めました。

 R2ボタンのみ押しっぱの駆け足+小ジャンプや、高いところから降りるときは○ボタンを意識して垂直に降りて横着しないようにしたりと、フリーランも用途に合わせて使うようにすれば、簡単操作で快適になるとは思う。

フィールド

 当時のイタリアの都市一つ一つを再現した形になっているので、都市と都市の間はエリア制で離れてはいるが、オープンワールドといってもいいくらい広かった。都市によって建物の発展具合や水に対する生活利用方法に差異があったりと、ちょっとした観光ができるのも嬉しいところ。ヴェネツィアを塔の高いところから見下ろしたときの景観が1番良かったかな。

水の都・ヴェネツィアがモデルのほのぼのマンガ「ARIA」、おすすめだよ(唐突)

 不満点はファストトラベルがないこと。なので、都市内の移動は徒歩になるのだが、横着して屋根の上をフリーランで移動してるとそこら中にいる警備兵に注意され、しまいには怒られて追いかけまわされる始末なので、仕方なく地上移動に甘んじることとなった。欲しかったなぁ。

 また、特定都市限定および期間限定ではあるが、色々な移動手段が用意されているのは嬉しい要素。馬やボート、馬車にこうもりと色々あって楽しかった。

馬の操作もあるし
期間限定で空も飛べる

やり込み要素

 ミッションをこなしたり宝箱や羽根集めなどたくさんあるが、ご褒美はお金だけなのが残念なところ。ミッションに関してはもっとゲームシステムを楽しみたい人には打ってつけなのだろうがやる必要はないし、何よりもお金の工面は主人公の拠点となる都市の街づくりで発展させれば20分おきに10%の収入が入り、最終的にお金は余るほど貯まるようになるので困ることはない。

 やり込み要素は報酬関係なく制覇したい人向けかな。私はめんどくさくなったので、街づくりとアサシンの墓所以外はほったらかしになった。

収集品ステータス一部
力尽きた宝箱回収

総評

 目玉である暗殺はやりがいあって楽しかったし、通常の戦闘もカウンターが決まれば一撃必殺なので爽快感は抜群なため、2009年製ではあるが、今の時代であっても十分遊べる。洋ゲーの中でもキャラは動かしやすいほうで、フリーランさえ制御できれば思った通りに動せるので楽しめると思う。

 ストーリーもエツィオの始まりの物語なので、現代編さえ無視すればこれから始めてもいいと思う。エツィオ自身は最初こそ不良みたいな姿を見せるが、性格は真っすぐで正義感ある青年なので好感は持ちやすい。初めてアサクリを遊ぶなら、エツィオコレクションは3つのゲームソフトが収録されていることからもおすすめできる。

 というわけで私は引き続き、エツィオ3部作の2作目・ブラザーフッドをやるでぇ。


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