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アサシンクリード リベレーション(エツィオコレクション) クリア感想

 PS4版にてクリアしました。本作はアサシンクリードシリーズの第4作目であり、エツィオを主人公とした3部作の最終作。

 これにてエツィオコレクション完走と相成りました。エツィオを追いかけた身としてはそれだけもう感慨深い。え、デズモンドはって? そいつは知らんな。

 他の2作品と比べると今作はストーリーやシステムの毛色が違うために評価は人によって変わるのではないかなと感じました。その中でも、ストーリーの視点が従来の本編エツィオと現代編デズモンドに加え、今回新たに初代アサクリ主人公のアルタイル視点があり、これまでの集大成のような作品となっているのが見所の一つかな。また、エツィオの操作性は前作から変わらないものの、細かな部分で変更や取捨選択がされているように感じた。

 こちらは前々作の感想文。

こちらが前作の感想文。

 それでは感想へいきます。


ストーリー

現代編

 前作ラストでとんでもないことをした後、そのまま意識を失っていたデズモンド・マイルズが目を覚ました場所はアニムスの仮想空間内。そこで被検体16号の意識体と出会い彼曰く、アサシンたち御先祖様の記憶と融合しかかっているせいで現実世界に戻れない状態のため、エツィオの記憶を最後まで体験して記憶を分離させよう、と協力を持ち掛けられるのがあらすじ。

 今作は主にデズモンドの過去や内面に迫る内容になっているがボリュームは少なく、私自身はあまり面白いと思えなかった。というのも、前作と違いデズモンドを操作するパートやムービーパートはほぼないに等しく、メインは任意で入るFPS視点でゴールを目指すパズル型ダンジョンに集約しているため。

 そこを攻略しながら時たま流れるデズモンドの独白を聞くのだが、ちょい詩的なセリフもあるせいでそこまで興味を引く内容でなかったため、私はほとんど覚えていない。ダンジョンは面白くないわけではないが、さすがに無音はいただけない。同梱のDLCでは16号さんのダンジョンが追加されているのだけど、私はめんどくさくなったので入口に出たお墓に手を合わせてからやめました。

 尚、今作の現代編は通過点にすぎず、次回作に対するヒントを残して「俺たちの明日はこれからだ!」エンドとなった。エツィオコレクション3作やっても結がない現代編ってマジか。

本編

 前作でボルジア一族との争いに決着をつけたエツィオ・アウディトーレは、父親が遺した写本からアルタイルの書庫の存在を知り、敵の組織であるテンプル騎士団を退けて場所は特定したものの、入口を開けるには5つの鍵が必要と判明、それらが隠されているとされるオスマン帝国の都市・コンスタンティノープルへと向かう、というのがあらすじ。

 3部作の1作目では親の仇討ちのため、2作目ではアサシン教団という組織のため、抗争に巻き込まれた当事者としてボルジア一族に立ち向かったエツィオがアルタイルという存在を通じ自らを知るために自発的に動くという新しい展開となっている。その道中、鍵探しの協力者の一人である女性のソフィアと良い関係になったときは、私はようやくエツィオの頑張りが報われるのかとしんみりしちゃった。

 そんな中、コンスタンティノープルで次期帝位争いとそれに絡んだアサシン教団とテンプル騎士団の派閥争いが現地で激化、歴史上の実在人物であるスレイマン皇子と協力関係となり政治抗争にも介入するようになるのだが、ここら辺は少し物足りなさを感じた。

 相関図はそこまで複雑ではないのだけど、まず中盤までは明確な敵役というものが出てこず、その後は悪役候補となる重要人物が複数登場するものの、肩書を把握する頃にはご退場となったりと、ストーリーが短いのも相まって展開が早く、感情移入や関係性を理解するのに個人差が出る内容だと考えられる。あと個人的には、サブイベや街の探索にアルタイルのストーリーも頭に入れたりと、前作から情報量が増えたからというのもあるかも。これならメモしたら良かったかなとは思った。

左:アフメト、右:スレイマン

 ただ、今作の見所はラストシーン。エツィオとデズモンドにアルタイルと3人の物語が繋がり、何よりもエツィオとアルタイルの物語はこれで完結したという余韻が素晴らしいほどの仕上がり具合。

 エツィオコレクション内に収録されている短編映像作品・エンバースではエツィオの最期を見届けられます。
 ありがとう、エツィオ・アウディトーレ。

「眠れ、安らかに」

アルタイル編

 アルタイルのストーリーは、エツィオがアルタイルの書庫の鍵を入手する度に彼の記憶を垣間見ることができるという内容。まぁ、その原理や理屈は不明のファンタジーな代物だけどね。リンゴ並みにヤバくないか?

 断続的ではあるものの、アルタイルの生涯を今作で知ることができる。そして見るだけでなく、実際にアルタイルを操作して普段と同じ戦闘をしたり暗殺を行ったりという追体験ができるのも良い。短いストーリーながらも、組織や家族に葛藤する人間ドラマが展開され、アルタイルの生涯を描いているだけあって中身は濃いものだった。私は初代アサクリは未プレイだが、アルタイルの物語は今作でも過不足なく十二分に描けているので感情移入しやすいものだった。

 こちらも見所はエツィオ同様にラストシーン。素晴らしい幕引きであった。

システムの追加およびなくなった要素

 いろいろありますが、気になったものをピックアップします。

戦闘

 戦闘に関しては前作でシステムが完成されているからか大きく目立つものは少なかったが、その数少ないうちの目玉が爆弾なのは間違いない。

 爆弾は攻撃用・支援用・陽動用と3種類作成でき、意外と汎用性もあり強い。欠点としては、まず所持数はそれぞれ3個までというところ。ただ、これは同じものであれば専用の作業台がなくともその場で作れるので大きな欠点ではないが、次の欠点としては作成に素材がいるところ。ただ、これも意外に数は溜まるので、逆に所持限度数を超えて捨てられる心配の方が多くなったかな。

 私が重宝したのは毒の爆弾。今作の重装備兵は真正面から戦うと一撃で倒れないくらい固くなり、前作で猛威を振るったキックもなかなか当たらなくなったので、即効性のある毒爆弾は大いに役に立った。あとは煙幕爆弾で姿を消して後ろから暗殺なんてやり方も重宝した。

 戦闘でなくなったものは前作で使用期間限定だったダ・ヴィンチの兵器。そのかわりに馬車の戦闘や火炎放射器が出てくるものの、遊びの幅が減って寂しいかぎりである。

フィールド・移動

 こちらは舞台がコンスタンティノープルになったくらいで大きな変化はないが、マップの面白みは前作から落ちたように思う。街の風景が変わり映えしないんだよね。

眺めは良し

 移動手段の中でも追加された目玉はフックブレード。前作まではあとちょっとが届かない距離でもフックブレードで届くようになり、建物への飛び移りや高いところへよじ登るのが格段に楽になった。

ワイヤーアクションもフックブレードにおまかせ

 なくなった移動手段は、過去作品でお世話になったものである馬・ボート・こうもり。まぁ、空に関しては今作はパラシュートが活躍するのだが、前々作からあったものだっただけにないのは寂しいかぎりである。

アサシンのアジト

 追加された要素としては、弟子を派遣して経験値とお金を得るだけの専用ミッションに新たに遠方のテンプル騎士団の支配都市に対して攻撃し、アサシン教団の支配都市にできるようになったこと。まぁこれは作業性の強いものなので、やらなくても影響は出ないかな。

 もう一つは防衛線。アサシンのアジトが特定の条件を満たされればテンプル騎士団からの襲撃を受けるというもの。ジャンルはタワーディフェンスで、アジトを一定時間守るというもの。だが、私は襲撃されないように気を配ったので、最初のチュートリアル以来プレイする機会はなかったのは寂しいかぎりである。やりたい人はアサシンのマークを真っ赤に染めよう。

総評

 システム部分はパッとしない感想になったが、そもそもが前作である程度完成されているものなので、前作でシステムを気に入れば問題は全くなく同じ感覚で楽しむことはできる。

 やはり一番なのはストーリー。エツィオコレクションを通しでプレイした人なら満足度は高くなるはずなので、是非ともエツィオとアルタイルの物語を楽しんでほしいところである。

 作品毎の好みでいうと、
ストーリーなら、2>リベレーション>ブラザー、
システムの場合、ブラザー>リベレーション>2
になるかな。といっても、3作とも大好きだよ。


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