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ライブアライブ クリア感想

 switch版にてクリアしました。周回は1周のみ。

 このゲームの性質上、私の普段通りの感想文では書きにくいなぁと考えていたのですが、今回はゲーム全体の感想文とストーリーのみの感想文と2つの記事に分けることにしました。ストーリーは語りすぎるとネタバレまでいきそうだし、でも語りたいなぁと思ったもんで。ストーリーのみの感想文は以下に。

 この記事でストーリー等に言及する場合、各プラットフォームで配信されている体験版の功夫編、SF編、西部編、幕末編の4つに留めようと思ってます。

 んで、書き終わってから読み直してみると、感想文というより課題レポートみたいになってしまったと思った。いいのか、これで。


このゲームに感じた特徴

 ストーリー・世界観

 クリアして思ったことは、30年前のゲーム(執筆時2024年2月現在)であっても簡単に真似できない、唯一無二の特殊なゲームだなということ。

 普通にプレイする分には確かに普通のRPGと変わらないとは思うのですが、その特殊性を挙げるなら間違いなくストーリーと世界観かと。主人公どころか時代も周りもほとんど共通性のない、そもそも時間軸が一緒なのかも疑わしい世界観は独特。

選べる7つのストーリー

 何より思ったのは、大半が映画やアニメからのオマージュもしくは類似性があり、制作陣の趣味で作っているのではと勘繰れることかな。例えば功夫編は明らかにジャッキー・チェン映画関連を意識しているだろうし、西部編はもちろん西部劇からだが、これについて調べてみると担当イラストレーターは主人公を描くにあたってクリント・イーストウッドを意識していたという。

 私自身も映画は見る方で90年代以前の作品もジャンル問わずそこそこ見ていたので、これはあれみたいだなとか、この展開は定番だよねと思うこともしばしばあった(根拠はないけど←おいコラ)。

ストーリーによって締め方も様々

 RPGによくあるゲーム独自の世界観ではなく、違う映像媒体などで触れたことあるような既視感を持つ複数の世界観を混ぜたものが、このゲーム独自の世界観を形作っていると思えた。

 ゲームのジャンル

 当然RPGなのだが、パッケージの裏面にもあるようにそれぞれのストーリーによって体験できるジャンルが異なる。ただ、私なりに大雑把に分けるとRPGかADVの2種類になるなと感じた。

 というのも、最初に遊べる7つのストーリーの半分は戦闘でレベルが上がらず経験値も貰えないものがあり、その仕様から戦闘の数が限られていたり、戦闘バランスが易しめになっていた。要はその半分の戦闘はおまけなので、シナリオを読み進めたり、選択肢やプレイヤーの行動で話の内容が分岐したりと、シナリオに合わせて主人公を動かすことが多いストーリーがあるなと思ったので、それで半分はADVだと思ったわけで。実際、SF編のような重要な分岐もなく、何をしても結末は変化しない一本道ストーリーを楽しむものもある。その他にも以下の理由がある。

 やり込み要素

 その昔、SFC版をレビューする人の中で、このゲームはやり込み要素があって何回でも遊べるという人をちらほらと見かけていたのだが、このゲームは私が思っていたやり込みと違っていた。私がRPGで思っているものだと、本編クリア後に出る裏ダンジョンやラスボスより強い裏ボスであったり、サブクエスト等のサブイベントであったり、最強武器を作るもしくは探すといったもの。

 このゲームはそれらの要素はもちろんあるが、そっちがメインでないように思った。例えば功夫編では3人の弟子から跡継ぎを1人選ぶのだが、ストーリーの結末は共通ではあるものの、その結末を迎えるのは選んだ弟子によって変わるようになっていた。

 また例えば、幕末編はRPGらしい要素に遊びの自由度が高いストーリーで、功夫編とはまた違ったシステムではあるが、通ったルートによって仲間キャラの加入や結末に変化が起こったりする。そして目玉のプレイ方法では、普通にクリアするやり方に加え、敵キャラ100人斬りクリアを目指すやり方もあれば、1人も敵を倒さない0人斬りクリアというものがあった。

私の初回プレイは42人斬り

 つまり、このゲームのやり込みというのはそのストーリーを1周クリアするたびに、1周目とは違う遊び方で一からもう1周遊んでみたら、また違った体験ができるということ。各ストーリーのクリアまでの時間が1~6時間くらいと、短時間でできることもあればじっくり時間をかけることもでき、同じストーリーをなぞっているのに遊び方はプレイヤーが自由に決められるのが、このゲームのやり込みの特徴かと思う。まぁ、7つのストーリー全部がそうというわけではないが、SFC時代のものらしく一つのゲームを何回でも遊べるようにする工夫がされていると感じた。

 戦闘

 幕末編の他いくつかのストーリーはRPGらしく、レベルを上げ装備を整えていくのだが、前述したようにレベルが上がらず経験値もないストーリーが半分くらいあるだけでなく、終盤は4人パーティー制の戦闘となるのだが、7つのストーリーの大半は主人公1人か合計2人で戦闘するものが多い。そうなるとどうかというと、戦闘が易しめになってしまっていた。

 更に、このゲームの戦闘システムが合わさるとどうなるかというと、詰め将棋のような効率さが顕著に出るゲームになってしまっているということに。コマンドバトルで効率は別におかしいことではないのだが、このゲームはRPGなのにショップというものがないので体力回復手段が限られるために、被ダメージを最小限に抑え、効率よく与ダメージを与えることに注力することになりやすい。

 なので、位置取りの最適解に、敵が攻撃できないような詰み行動を負わせるように立ち回るのが勝ちやすいやり方なので、コマンドバトルの醍醐味の一つであろうハラハラ感は終盤までほぼ味わえないのが痛い。

それで面白かったんか、どうなんや?

 長々と申し訳ありませんでした。このゲーム、面白かったです。

 7つのストーリーは人の好みによって評価は変わるでしょうが、私は大半は気に入っており、とくに功夫編・SF編・原始編・近未来編が気に入ってます。

 そして、リメイクによりボイスが導入されているのですが、声優の演技がもう最高でした。声優はベテランから大御所が中心になっており、特に男性陣の演技に感服しました。マッドドッグ役の古川登志夫さんや尾手役の若本規夫さんとかその他いろいろ。一番は近未来編が楽しかったかな。ロボットアニメが好きなら大興奮間違いなし。

安定の若本さんボイス

 戦闘は終盤の4人パーティーになってからようやくまともになったと思ったので、通常戦闘はコーラで楽してたけど、攻略を見ないと分からない裏ボスだったりラスボス戦は真っ向勝負したら結構歯ごたえあって楽しかった。

 何より主人公が全員揃うところは興奮したし、ラスボスからエンディングまでの過程はとてもエモかった。SFC時代の名作といわれるだけあると確信できた。

 SFCのゲームを現代の技術で再現したようなゲームなので、古臭さはあるが名作といわれるだけあるものは確かにあるので、RPGが好きな人やストーリーを読み進めるのが好きな人、あとは声優陣の素晴らしい演技が聞きたい人はおすすめしたいな(平均年齢高めだと思うが)。

クリア時ステータス一部


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