PS5版 ソウルハッカーズ2 クリア感想
本編1周目クリア。難易度ノーマル、全DLCあり。
デビルサマナー系列は未プレイ。
アトラスプレイ歴は、幻影異聞録♯FE(wiiU) → ペルソナ5(PS4) → ペルソナ4G(PSvita) → 真・女神転生DSJ(序盤で脱落) → ペルソナ5S(PS4) → 真・女神転生3(PS4) → 真・女神転生5 の順。これを下地に感想を述べていく。
初めにアプデとDLCの所感
その前にここらへんのことを先に。まずはゲームテンポの向上というお題目によるアプデから。
特にダッシュとバトル高速化は初めから入れろってな具合に使うとスピーディー。これらをオフにしたら、フィールドに現れる敵シンボルには簡単に追いつかれるし、バトル中のモーションもスローモーションに見えるから、もう元に戻さなくてもいいくらい快適になってる。アプデ前は、特にソウルマトリクスの探索は地獄だったように思う。
あと無料で悪魔も追加されているが、お馴染みのメンバー故にあまりお得感もないし、むしろ入れて当然のような気もする。これらも初めから入れろレベルだが、無料だからまぁヨシ。
次は時短DLC。
1番のバランスブレイカーは換金アイテム。店売りのアイテムは高価だし、悪魔全書からの登録悪魔引き出し料金がシリーズ恒例でべらぼうに高いので、通常の敵より強いリスキーエネミーか換金アイテムを持ってるレアエネミーを探す必要があるので、時短をしたい人は換金ホーダイは必須。あと、悪魔を育てるのが面倒な人はコダワリ経験プランも。戦闘は武器改造用の素材集めでそれなりにこなすので、通常戦闘をなくすこと事態はできないかな。無論、私は全部入りを購入した。
次は追加悪魔。
流石にさ、シリーズのレギュラー悪魔である、特に過去作からご立派に励んでらっしゃるマーラ様を課金悪魔にさせるとは不敬ではないかな(課金チャリーン)。
課金悪魔の購入はご自由にと言いたいが、この中でもマサカドに関しては剣心一如というスキルと、主人公の武器改造で入手できる物理貫通スキルの組み合わせで戦闘をぶっ壊せるので、本編クリアレベルの戦闘で楽をしたい方はマサカドはお得です。無論、私は悪魔全部入りを購入した。
そして、恒例の衣装DLC。今作は戦闘時のみ衣装が変わる。
最後に追加シナリオ。こちらは一部設定のみ引き継ぎで本編ストーリーとほぼリンクしないが、全編フルボイスに近い収録に設定補完の側面も持ち、やり込み用のダンジョンも用意されていた。
ナナはあくまで戦闘のサポート役なので操作は不可。・・・これ、本当はパーティメンバーにする予定だったりしない?
ストーリー
舞台は現代に似通った近未来で、どういうわけか一部の区画で当たり前のように人と悪魔が共存状態にある世界観。デビルサマナーという悪魔を使役する人(というか普通に相棒みたいな関係性)がいるから当然かもしれないけど、真・女神転生シリーズやペルソナシリーズは人と悪魔の世界は住み分けられていたから少し戸惑った。・・・もしかして人の世じゃなくて悪魔の世なのか?
そんな世界で、ネットワーク上に自然発生し誕生した意思・Aionが世界の終わりを予測したことにより主人公であるリンゴと相棒のフィグを製造、同じく世界の終わりを止めるヤタガラスに所属するアロウ、反対に世界を終らせるために暗躍するファントムソサエティに所属するミレディ、どちらにも属さず自分の世界のために動くサイゾーらと共に事態解決に臨む、というのがあらすじ。
真・女神転生が悪魔と人の世界創世物語、ペルソナが少年少女の学園青春物語、幻影異聞録が現代の芸能界の物語というイメージを持っているが、今作はニューハードボイルドRPGを謳っているだけあって大人同士の信念を通す物語と感じた。
パーティメンバーですら組織による目的が本人にとってあくまで建前で、そこに至るまでの過程をソウルマトリクスで描くことでその信念を知り、結果的に目指すものが同じでもほんのちょっとのすれ違いで後々相手とぶつかり合ったり武器を交えたりしているが、逆にいえば単に意固地になってるだけだし、少年少女が主人公のゲームにあるような葛藤や迷いもなく貫き通す姿が、人によっては物足りなさに繋がるかもしれない。
そういう意味でイレギュラーなのが主人公のリンゴと相棒フィグ。Aionから生まれただけあって分析力に判断力、私が涙目になるくらいのコミュ力を発揮するなど真剣な時ほど大人顔負けに優秀なはずなのに、時折見せる子供のような好奇心や無邪気さが目的が異なるパーティメンバーの中立性を保ってたし、何より彼女たちこそAionとしての目的はあれど信念が足らない未熟な少女のような立ち位置にあるのがポイント(一応、お酒飲んでるから成人として作られてるみたいだけど)。人によってこの部分でハードボイルドか?という疑問が出るのかもしれない。かく言う私はハードボイルドがよく分かってないが。
とはいえ、言葉足らずな大人が多いなか言葉を尽くす方だし、相手よってはしっかり論破もしてきたり、仲間へのメンタルケア兼ねた面倒見の良い母性発揮したり、子供のようにはしゃいだりと色んな面を見せてくる。全体的に声優・黒沢ともよさんの声質と演技の貢献も大きい。何この完璧で無敵な電子の妖精は。
続けてストーリーの重要アイテムとしてあるのは、プレイヤーの理解度も試されるコヴェナント。コヴェナントは5色あり、1つでも持っていると才能開花させるってだけでも謎なのに、全てが揃うと大いなる存在が降臨し何かが起こるという、どこぞのド〇ゴンボールを思い起こすキーアイテム。これらの取り合いがメインで誰が何色を持っているかが、単純なようで意外と複雑なので適当に考えていたらこんがらがること間違いなし。
各キャラの信念とコヴェナントの行方、ここらへんに面白さと魅力を見いだせるかどうかかな。
戦闘
アトラスお馴染みの属性の弱点やクリティカルを突くことで有利不利を得るシステム。私のプレイ済みゲームでシステムのおさらいをすると、
・真・女神転生
→敵味方共通で行動回数が増え、逆に攻撃を外したり無効の属性を突くと行動回数が減るプレスターンバトル
・ペルソナ
→敵味方共通でダウンし追撃が可能、敵が全員ダウンすれば総攻撃となり更なる追加ダメージ
・幻影異聞録
→敵の弱点(クリティカルを除く)を突けばセッション発動、あらかじめ決められたルートにて控えメンバー含め順次追撃を行う
そして今作では
→敵の弱点(クリティカルは特定のキャラのスキルのみ)を突けば仲魔が召喚(スタック)、そのターンが終了した後に仲魔が一斉攻撃し追加ダメージ(サバト)、スタックした仲魔の数によって追加ダメージが増加
となる。
こちらが弱点を突かれたら大ダメージ食らう以外に特に不利になることはないが、リンゴのみ発動できるコマンダースキルが発動できなくなるので、リンゴのHP管理は必要。
また、パーティメンバーはそれぞれ仲魔1体を武器であるCOMPにセット、ペルソナシリーズの主人公のように自由に入れ替えが可能となっている(戦闘中はターン制限あり)。複数の悪魔入れ替えができるのはどちらかといえば真・女神転生みたいで、戦闘の自由度が上がるという意味では良いシステムだと思った。
改めてやはりこの弱点を突くシステムの面白さは確立しているなと感じた。バフデバフも機能しているので戦略性はあるし、ボス含めて大抵の悪魔には弱点があるので難易度的には易しめ。今作は最終的には従来通り物理が強い。個人的にスキルの肉弾は名前的にもネタ枠だと思ってた。
探索
基本的に一本道。終盤は所々でワープがある。単純なダンジョンばかりで謎解き要素もほぼなく難しくもないのだが、ソウルマトリクスの第4層はダンジョン難易度が易しいといえど、広大且つワープ地獄となっているので時間ばかり取られているような気がして面白味はない。かといって、ソウルマトリクスでないと習得できないスキルやパーティメンバーの内面の掘り下げが見られるので、おざなりにはできない。
ただ、RPGでいう宝箱はダンジョンに散らばった仲魔からランダムでアイテムを貰えるし、悪魔会話も仲魔からの紹介という形で仲魔にしたりと、面白く且つ良い感じの省略の仕方だなとは思った。悪魔会話なんかは会話による駆け引きがなくなり、金とアイテムを豊富に持っていれば逃げられることはないとても易しい仕様に。悪魔会話好きには申し訳ないが、私はありがたいことこの上なかった。
悪魔
毎度お馴染みの悪魔たち。システム的には変わらず。悪魔全書は真・女神転生Vでもあった、悪魔検索が今作も実装されているのでとても便利だった。
ただ、今作は覚えられるスキル数が従来の8つから6つに削られていた。まぁ、複雑さを避けるためなら分かるけど、それでもちょっと残念だった。
総評
世間的にはデビルサマナー系列と比較されたり、悪魔の扱い方等でネットで色々言われているが、個人的にはストーリーからしても大人と大人の世界という感じで面白い部類に入る。アトラス製RPGをやりたいなら選択肢に入れてもいいかなとは思うが、ダンジョンやクエストは単調且つ面倒な部分があるので注意は必要か。
まぁ、あまり言わなかったが予算と時間が足らなかったのかと感じることがあったので、もう少し時間をかければもしかしたらコヴェナントも7色となって壮大なRPGになれたのかも。
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