マーベルスパイダーマン2 クリア感想
PS5版で難易度AMAZING(標準的な難易度)でクリアしました。
シリーズ3作目でも変わらず魅力的なストーリーだけでなく、1作目でマンネリ気味だった戦闘面が前作のマイルズ・モラレスで改善されてから本作で更に改良が加えられ、ピーターとマイルズの両方が操作できたこともあってより楽しいものになっていました。
3作続けてプレイしていると今回はとにかく楽しい。特に作業性の強かったサブイベントやチャレンジ系のミッションがコンパクト且つ遊びの幅が増えたのは嬉しかった。ファストトラベルも一瞬だし、移動ではついに空を飛べるようになったりと快適そのもので、バグに見舞われることもなく最後まで夢中になってプレイしてました。
過去作プレイした証拠はこちら。
個人的には本作は単独でも楽しめるかと思います。もちろん、前作もプレイした方が話の繋がりや因縁が理解しやすいし、特に1作目をプレイすると本作との関連性をより知ることができる。ただ、本作の出来映えがシリーズでも屈指のゲームだと思ってるので、せめてこれだけでもやって欲しいな、なんて思ってるんですよね。
では、感想にいきます。
ストーリー
時系列は前作のマイルズ・モラレスの10か月後のニューヨークが舞台。
本作も単純な正義と悪の話よりも、個人に焦点を当て感情に訴えるシンプルな人間ドラマが主軸となっていた印象。ダブル主人公であるピーター・パーカーとマイルズ・モラレスの物語はもちろん、ヴィラン含めた多くの脇役にもドラマが用意されている。特にそれぞれの過去と未来に思い悩む姿が強調されていたのが印象的だった。
例えば、ピーターだとヒーロー業と私生活の二足のわらじが上手く噛み合わず苦労していたり、マイルズは父親を亡くした過去の事件を振り払えず囚われたり、ピーターのガールフレンドのMJことメアリー・ジェーン・ワトソンも生活が苦しくて理想としていたジャーナリストとしての姿から乖離した仕事をする自分に悩むところがよく見られた。
また、本編やサブイベントで一部の更生したヴィランたちのその後を描いているのも面白いところ。中には後味がすっきりしない話もあり、短編小説が好きな身としては内容がとても良かった。まぁ、場合によっては次回作でまたヴィランに戻るかもだけど。
そして、本筋となる話はピーターとハリー・オズボーンとの友情の話、ヴィランのクレイヴン・ザ・ハンター、そしてヴェノム登場となる。
特にハリーは、序盤から中盤にかけて昔話を交えながら丁寧に彼の人物像とピーターとの関係性を描いたからこそ感情移入しやすくなったし、後々のヴェノムの凶悪さや凶暴性が際立ったと感じた。クレイヴンに関しては戦いを求めるだけのヴィランではあるけども、理知的ながら特殊な能力は持たない人間離れな身体能力を持った人間であり、秩序を破壊する混沌の代表として見ると身近な恐怖の象徴のように感じた。
ここまで語り足りないくらいに多くの視点から展開されるストーリーがあり、それを1本のゲームに収めるシナリオとそれを実現できた開発の手腕はすごいと思う。映画のように盛り上がるところはすごく盛り上がるしね。1作目以上に次回作への布石もあり、次回作がとても楽しみになった。
戦闘
基本的な攻撃は1作目から変わらないものの、本作は爽快感が増してかなり楽しかった。その1番の理由はアビリティ。前作のマイルズモラレスではヴェノム・スキルと呼ばれていた専用の技から名称が変わり、1作目でアビリティを持ってなかったピーターも追加される形となった。
各々専用ゲージを溜めるまでアビリティは使用できないものの、発動すると広範囲の敵を巻き込みながらの攻撃が可能となり、素の攻撃力も高いためにボス戦にも有効。モーションも派手で、ピーターとマイルズで全く異なる性能を持っているだけでなく、ストーリー後半からはもう1形態追加されることもあり、最後まで飽きることなくプレイできた。
そこにガジェットが前作同様に攻撃のサポートに特化したものになっているため、敵を怯ませている間にアビリティで一掃するといった爽快な戦闘に舵を切ったのは良い改善かと思う。一対複数戦がこんなに楽しくなるなんてね。
また、過去作での防御面は回避かジャンプないしウェブ・スイングの二択でしか避けられなかったが、本作からパリィが追加。タイミングよくボタンを押せば敵の攻撃を弾くことが可能となり、状況によってはボス戦でも使用可能なため、より幅広い戦闘体験ができるようになった。前作まではとりあえず回避ボタン連打してたから、パリィ好きとしては嬉しい追加だった。
ステルス戦闘に関してもウェブ・ラインの追加があり、要は綱渡りするための蜘蛛の糸を張ることができるようになった。建築物に張り付かなくても、ウェブ・ラインを張って敵の真上まで近づきステルス・フィニッシュができるようになったので、戦術の幅が広がって楽しかった。
本編中の戦闘でもイベント戦みたいな楽しいものがふんだんにあったので、最初から最後まで楽しめました。イベント戦闘の代名詞でもあるQTEは演出用の操作に変更されており、1作目でストーリー進行に影響のあった過度なボタン連打やシビアな操作はなくなってて私は内心喜んでました。コントローラーの負担を考えてオプションでオフにしてもいいかもだったけど、没入感を思うと今回はQTEやって良かったかな。また、1作目と同様にMJ操作のパートもあるけど、彼女普通に強くね?
変わらぬ欠点はスパイダーマンの防御力は相変わらず紙装甲なところか。今回は敵の火炎放射器が最強です。まぁ、1作目みたいに画面外からの狙撃にさほど振り回されなかったし、追加要素や改良点のほとんどが有利になりやすい攻撃に偏っているからあまり気にはしなかったかな。
サブイベントやミニゲーム
ここがホントに楽しかった。1作目は作業性が強いのにこなす数が多くて怠かったし、敵拠点にいくと増援地獄でツラかったものだったが、本作は増援もはっきり分かるくらい少なくなり、クリアまでの時間もコンパクトになっているので手軽に消化できるものになっていた。
しかも、遊びのバリエーションがかなり多い。戦闘やパズルに写真撮影といった従来のものに加え、シューティングだったり、ラジコン操作だったり、空を飛びながら追いかけっこしたりと様々。それらがアンロックされるのもストーリーに沿って段階的な形を取っているし、本作のファストトラベルが特定の場所ではなく、マップ上で任意に指定した場所付近の道路上に飛ばしてくれる素晴らしい仕様のおかげで作業面でもかなり捗った。
他にも、本編中には遊園地イベントがあったり、PS5コントローラーを活かすミニゲームまで用意されてて感心するくらいだった。ホントに遊びの幅が広いなと感じた。
総評
今回はパワーアップして帰ってきた印象が強い。1作目の改善点を2作目のマイルズ・モラレスで導入して培い、それを3作目にしてより良い形で改良されたように思う。特に戦闘面では、マイルズ・モラレスで良かったアビリティを引き継ぎ、ちゃんとピーターにも追加しただけでなく、全く新しい戦闘形態までも導入して、より爽快で楽しいものとなっていた。
ストーリーは過去作以上に多くの視点が織り交ぜられた人間ドラマの構成となっており、それぞれのキャラに感情移入しやすく、しかし意外と内容は感情に訴えるようなシンプルで分かりやすいものだった。次回作への布石も非常に気になるので、私は首を長くして待とうと思う。ピーター、どうなるのかな。アクロス・ザ・スパイダーバースみたいになるんかな。
ところでこのシリーズ、猫を愛しすぎだと思う。気合の入れようが最高だった。