お祝い日記をつける(共感手帳)

共感的コミュニケーション(NVC)を身につけるためにとにかくおすすめしたいのが、書くことだ。
書くといってもごく簡単なメモ程度のものをささっと書きつける習慣を持ってほしい、という程度のものだ。

手帳、ノート、スマホ、なんでもいいのだが、自分がもっとも気軽にメモできるもの、いつも持っているものにさっと書きつける習慣を、まず身につけたい。
なにを書きつけるのか、が肝要だ。

なにかできごとが起こり、気持ちが動いたことがあれば、簡単にそれを書きとめてみる。
だれがいつなにをいったのか、いわれたのか、どんなことがあったのか、ごく簡単に、自分にだけわかればいいのでできるだけ簡潔に書きとめてみる。
つらいことも悲しいことも、腹が立ったことも、うれしいことも、わくわくしたことも、気持ちが動いたことはチャッと書きつけておく。

そうしておいて、もし余裕があれば、そのとき動いた感情も、その下に書きつけておく。
いらいらする、窮屈な、悲しい、うれしい、どきどきする、むかつく、そんなことを、思いつくままにメモしておく。

さらに余裕があれば、その感情はいったいどんなニーズから生まれてきているのか、ちょっと注目してくる。
理解が必要だったのか、尊重が必要だったのか、配慮が必要だったのか、あるいは学びや遊びのニーズが満たされたのか、安心できたのか。
そのときに余裕がなければ、あとでゆっくりメモをながめてかんがえてみればいい。

この自分のニーズを確認し、それにつながることを、自己共感という。
共感的コミュニケーションはすべて、自己共感をホームポジションとしてスタートする。

とくに私がおすすめしたいのは、満たされたニーズに注目するためのページを作っておくことだ。
一日の終わりでもいいし、ちょっとしたタイミングでもいい。
なにかニーズが満たされたことがあったら、そのことをとくに強調してメモしておく。
満たされたニーズを大きく書きだしてみる。

満たされたニーズを味わうことを「お祝いする」という。
このお祝いをしっかりしておくことこそ、自分で自分を認める、自分が自分自身のままでいいという自己承認、自信を持ち自分の立脚点を明確にすることにとても役立つ。
他人から承認されないと落ち着かないのではなく、自分が自分を認めることでいつも落ち着いていられること、これが現代日本人にもっとも必要で大切なことかもしれない。

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