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推しの万年筆を買った(後編)
こちらの記事の後編。
というより、本編、というべきかもしれない。
肝心の万年筆について書いていく。
パッケージとデザイン
クリスマスが近づくある日。
宅配便の指定時刻を今か今かと待ち、ようやく手元に届いたのがこちらの箱。
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美しい。
万年筆の黒と金、インクのブルーに合わせるようにパッケージのデザインもまとめられている。
ちなみに箱の蓋の裏側には昭仁さんと晴一さんからのメッセージが書かれていたが、そちらは購入者向けということで、ひとまず写真は載せないでおく。
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こちらが万年筆本体。
キャップには、マイクとギターがデザインされた「PG」の記念ロゴマーク。
キャップリングにも「PORNOGRAFFITTI × SAILOR」の刻印があしらわれている。
14金のニブも「PORNOGRAFFITTI 25」がデザインされた特別仕様だ。
ちなみに元モデルは推測するしかないが、おそらくプロフィットスタンダードだと思う。
セーラーはベスト型(キャップと尻軸の先端が平らになったデザイン)のモデルが多い中、今回のモデルは先端が丸みを帯びたバランス型で、さらに商品ページによればペン先は14金。
14金のバランス型だとプロフィットライトかプロフィットスタンダードがあるが、今回のコラボモデルはクリップ部分にラインが入っている点がプロフィットスタンダードと同じように見える。
商品ページには、万年筆愛用者にも初心者にもおすすめの自信作、との記載があり、このあたりもコラボ万年筆にぴったりのモデルかもしれない。
書き心地
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初めて手にしたセーラー製の金ペンの書き心地は、噂に違わぬ気持ちよさ。
セーラーの金ペンは「シャリシャリ」と表現されるのを見かけることがあるけれど、今回書いてみて、なるほど、と思った。
私がよく使っているパイロットの万年筆は、鉄ペンも金ペンもとにかく引っかかりがなく、紙の上をどこまでも滑っていくような書き心地のものが多い。
対して今回のセーラー製は、もちろん万年筆特有の滑らかさはありつつ、わずかに紙に触れる手応えのようなものを感じる。
決して引っかかる感覚ではないが、「書いている感」があるとでも言えばいいのだろうか。
個人的には柔らかめの鉛筆のような、滑らかだが紙との接点も感じられる、不思議な気持ちよさ。
ラミーサファリあたりの書き心地とも近いかもしれない。
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また、中字を選んだものの、想像していたよりも線が細めに感じたのは意外だった。
というより、ペンポイントの形状のためなのか、私がまだベストな書き方を掴めていないためなのか、筆記角度や筆圧による微妙な強弱が他の万年筆よりも付きやすいように感じる。
私は筆圧が弱めなので、力を入れずに書くと線が少し細くなる、ということかもしれない。
これから使い込んだあとの馴染み方も、とても楽しみにしている。
今回のコラボ万年筆には、14金のペン先が搭載されている。
セーラー製の万年筆といえば、もう1ランク上にあたる21金ペン先も有名だ。
購入前は(金ペンはパイロットで十分満足してるけどセーラーも触ってみようかな)くらいの気持ちだったはずの私だが、購入後の今は(21金はどんな書き心地なんだろう……)とプロギアの商品ページを眺めている。わかっていたことである。
ついでに余談だが、商品ページによれば、今回のコラボモデルのペン先は金メッキ仕様。
このモデルの受注期間が終わった後、セーラー万年筆からペン先の仕様変更が発表され、金ペンの多くのモデルが金メッキからゴールドイオンプレーティングに変更となっている。
加工方法の違いの解説などは詳しい方にお任せするとして、私個人としては、仕様変更前のペン先が手に入るいい機会だったなと感じている。
インク 憂いを帯びたブルー
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そして、万年筆本体と同じくらいの衝撃でファンの心を撃ち抜いていたコラボインク。
「憂いを帯びたブルー」の色味は言葉の通りで、よくあるブルーブラックよりはブルーに近い鮮やかさがありつつ、落ち着きも感じられる。
手持ちのインクだとパイロットの純正ブルーブラックに近い(それよりもう少しだけ暗い)印象。
憂いを帯びたブルー、は「アゲハ蝶」の歌詞に出てくるフレーズだが、このインクを目にしたポルノファンが思い浮かべそうなもうひとつの曲は「瞳の奥をのぞかせて」ではないだろうか。
主人公の「私」を惹きつけてやまないミステリアスな「あなた」は、こんな色の美しい筆跡を残して、夜明けに「私」を置き去りにするのかもしれない。
こんな風に曲の世界観に思いを馳せながら、この万年筆とインクで歌詞を書き写してみたり、自分の考えたことを書き添えてみたりするのも良い。
今回のコラボインクは今のところこのセット限定品のようだが、SNSでは「インクだけ買えるなら書いたい」とか「これを機に他の曲をイメージしたインクも発売されてほしい」といった声も見かけた。
インクだけならもっとたくさんの人に届きやすいし、いつかそんな機会があったら嬉しい。
もし公式グッズとしてはこれ以上の展開がなかったとしても、手持ちのインクの中で好きな曲の世界観に合いそうなインクを探す、なんていうのもきっと素敵だ。
おわりに
発表当初は価格に怯んだりもしたけれど、思い切って手元に迎えることができて本当によかった。
これから先もこの万年筆を大切に使いながら、ポルノグラフィティの音楽を楽しんでいきたい。
改めて、ポルノグラフィティ25周年、本当におめでとうございます。
そして素晴らしいコラボを実現させてくれたセーラーさん、スタッフのみなさん、企画や製造にかかわったすべてのみなさんにも、最大級の感謝を!
読んでいただきありがとうございました!
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いつかまたこの万年筆と一緒に見に行けたら嬉しい。